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りぼん 2

文中の敬称は省略しています。

一条ゆかり

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 りぼんの大御所、といっていいだろうか。一番古い記憶は、『こいきな奴ら』。両親を事故で亡くした富豪の双子の兄妹が、スリと殺し屋を味方につけて活躍する、スパイ大作戦とか、そういった感じのノリの作品。この作品を読んで、トランプ投げをした思い出が。紙のトランプは真っすぐ飛んでいかないので部屋にトランプをまき散らして親に怒られたり。

 デジタル版で、これまた何十年ぶりかで読み返したが、ジュデェスとジュディス、双子の名前がややこしかったことを思い出した。

 さすがに古さを感じるものの、外国映画の様な雰囲気もあって、今読んでも面白く読めた。

 この作品以後は、『デザイナー』『砂の城』とか、読んだ記憶があるものの、纏まって読んでいた記憶があるのは、『有閑倶楽部』か。今になって思えば、『こいきな奴ら』の進化系とでもいう作品なのかも。

 名家の子女が通う学園で、色んな事件などに関わっていく生徒会の面々の話、と書くと、学園物と言ってもいいのかもしれないが、みんな上流階級の家庭なので、海外へ行くことも多く、途中、出席日数が足りないとかで留年していた。サザエさん方式で年齢とか変わらないのかと思っていただけに、意外だった。

 登場人物が、剣菱悠里(けんびしゆうり)白鹿野梨子(はくしかのりこ)黄桜可憐(きざくらかれん)菊正宗(きくまさむね)清四郎(せいしろう)松竹梅(しょうちくばい)魅録(みろく)美童(びどう)グランマニエと、酒の名前だったので覚えやすかった。不定期連載だったので、ほぼコミックで読んでいたのだが、就職して仕事帰りにふらっと立ち寄った書店に平積みにされていた『有閑倶楽部』を見つけて、まだ連載していたんだ、と驚いたのも、だいぶ昔のことになった。この書店、少女漫画がやたらと充実していたが、書店員が女性が多いと、少女漫画が充実している場合が多い。

 ドラマ化もされていて、『月曜ドラマランド』で単発で放映したときは、悠里役が国生さゆりだったことは覚えているが、内容は記憶に無い。

 その後も連続ドラマ化されているが、主役が悠里ではなく、清四郎になっているということで何か批判があったという記憶しかない。


坂東江利子

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『特ダネいかが!?』

 立原可奈(たちはらかな)は、引っ越し先で、母がピザ屋を開く店のビルのオーナーの息子、小泉猛(こちずみたける)と出会う。彼は可奈が転入する中学の新聞部の部長だった。

 ナンセンスギャグコメディ。私の記憶の中では、だいぶマイルドになっていたようで、読み返してみると、こんな話だったっけ? とちょっと戸惑ったくらい。絵柄の可愛さと崩れた顔のギャップがすごい。

 昭和のノリと当時を知らないと分からないCMネタもあって、ドリフのコントみたいなずっこけギャグなどは、昭和感満載。

 ホラーやサスペンスなども描いている漫画家だが、私の記憶に残っていたのはギャグコメディのこの作品だった。


金子節子

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 『オッス!美里ちゃん』が一番印象にのこっている。

 生徒会の運動部副部長の桜美里(さくらみさと)は、クラス一背の低い少女だが、運動神経は抜群。長身の石垣順とは、でこぼこコンビとして学校では有名。そんな美里(通称ミリ)が、剣道部やバレーボール部等に助っ人として入って活躍する、学園漫画。

 元気な少女が低身長もハンデとせずに活躍する、スポコンともちょっと違う学校を舞台にしたお話で、実家のラーメン屋を手伝ったり、元気な美里が魅力的な作品。スポーツをテーマにした学園漫画は好きな部類なので、この作品も印象に残っている。

 作者の金子節子は現在も成人向けの女性誌で作品を掲載している。


陸奥A子

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 乙女チック漫画、乙女チックラブコメと言われるジャンルを代表する漫画家として、りぼんの漫画家を語るとしたら外せない漫画家。

 1970年代から、男性でも少女漫画を読むようになってきたのだが、そうした人たちの間でも人気の漫画家だったようだ。時々、少年漫画の漫画家が、少女漫画の典型のように扱ったりして、パロディが描かれていたことも覚えている。

 そういった漫画家なのだが、絵柄と、陸奥A子という名前は記憶しているのだが、どんな作品を書いていたのか、という点が、私の場合、殆ど記憶に無い。私の趣味からは遠い作家だったのかもしれない。


田渕由美子

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 田渕由美子も、乙女チック漫画家として、陸奥A子と並び称されているが、1980年代に入ってからの、『あのころの風景』という作品は記憶に残っている。両親を事故で亡くした雑賀(さいが)ゆきは大学進学を機に下宿生活。同じ大学に通う実重朗(さねしげろう)と出会い…。と言うお話だが、『なごり雪』『神田川』とかのフォークソングを映像化したような話で、冒頭に1973年3月と実際の日付が入っていて、最後は1981年3月になっている。軽いノリから重い展開等、振れ幅が大きい。それが印象に残っていたのかも。

 新沢基栄という、少年ジャンプで『3年奇面組』というギャグマンガを描いていた漫画家がいるが、当初妹の影響で少女漫画っぽい絵柄だったらしく、それは初期の女の子に少し残っていた。田渕由美子等の影響があったようなことを語っているのを読んだ記憶がある。


太刀掛秀子

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 子供のころ、単純に思っていたのは、名前がカッコいい、ということだった。乙女チック漫画家として、陸奥A子、田渕由美子と共に名前が挙がることが多いが、私の印象だと、乙女チックというより、ドラマチックな作品が印象に残っている。記憶にあるのは、『まりのきみの声が』という作品。

 下宿で一人暮らしを始めた神田善美(かんだよしみ)は、前の下宿人が残したカセットテープを見つけ、まりのという女性の残したメッセージを聞く。その後、大学で人形劇クラブに所属するまりのと出会い、自身も人形劇クラブに所属し、次第にまりのに惹かれていく。

 というストーリ―。デジタル版で再読してみた。

 コマ割りが凝っている印象があったが、読み直してみると、細かさに驚く。職人技と言っていいくらいだ。

 昔の漫画を思い出したりしていると、私はどうやら、眼鏡っ娘というものが好きだったようだ。

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