別冊マーガレット 1
別冊マーガレット。略して、別マ(別魔?)。読み切りのページ数が90ページとか120ページとか普通だった記憶。
敬称は省略しています。
河あきら
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河あきらの漫画としては、子供のいない夫婦に引き取られた少年(小林渡)が成長していく物語の、『いらかの波』が印象深い。連載中は通して読んだことは無かったので、後にコミック版で全編読んだ。渡と学級委員長の江藤茜との関係とか、ちばてつやとかの作品で見かける、少年漫画でもおなじみのものだったので、男主役でもあり、男の私にも馴染みやすかったということもあるだろう。
『山河あり』といった戦時中を舞台とした作品もあったり、作品の傾向として、社会派な印象が私にはある。※山河あり、で検索すると、松竹の映画がヒットするが、漫画と関係は無い。
『いらかの波』はデジタル版で読めるのだが、うっかり全巻一気に買いそうになってしまった。このエッセイを書き始めてから、ああ、この漫画も読めるんだ、とつい散財してしまっている。とりあえず、一巻だけ買っておいた。
大谷博子
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大谷博子の作品で記憶に残っているのが、『由似へ…』『由似きみの青春』という、どちらも香坂由似という少女の成長していく物語。
先に語った、就職先の先輩社員(男性)が、大学時代に読んでいた、というのが、この作品だった。星くずシリーズという先行する作品のヒロインの娘の話、という解説までしてくれた。こちらの方は、私はあまり記憶に無かった。
この後に、『由似風の中で 』という続編が2000年代に入ってから描かれていたようだが、このエッセイのために調べるまで知らなかった。
同世代くらいの男女が成長していく物語、というのは読み手にはなじみやすいのかもしれない。
槇村さとる
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別冊マーガレットを読んでいた時期に連載されていたのが、フィギュアスケートの『愛のアランフェス』だった。フィギュアスケートのペアの選手の話だが、このころは、佐野稔や渡部絵美が世界選手権で銅メダルを取ったときくらいか。伊藤みどりが活躍するのはこの後。
牧村さとるは、コアなファンがいる、という印象だった。
「男のあんたにこの漫画が分かるの?」
と、高校のころに私に言ったのは、牧村さとるファンの子だったか。『鏡の中のアリス』とかを読んだときは、確かに私の理解の及ばない世界だとは思った。
くらもちふさこ
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くらもちふさこは、ファンの多い漫画家という印象。よく代表作としてあげられるのが、『いつもポケットにショパン』で、最近では、NHKの朝ドラにも出ていたらしい。とても簡単に言うと、ピアニストを目指す少女の物語。音の出ない漫画で楽器の演奏を表現する、というのは漫画家は誰もが苦心すると思う。知っている曲なら、頭でその曲が流れて補間するけど、知らない曲や、オリジナルとか言われると、読み手も想像力を試される。私は楽器は弾けないし、音楽の成績もだいぶ悪かったが、ブラスバンドをやっていた姉はこういう作品は好きだったようだ。
それ以前の作品だと、くせ毛を気にしている女の子の話とかなかったっけ、と調べたら、『おしゃべり階段』だった。高校生のころに、熱心なくらもちふさこファンに色んな作品のレクチャーを受けたのだが、申し訳ないことにあまり覚えていない。
多田かおる
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アニメ化もされた『愛してナイト』や、ドラマ化もされた『イタズラなKiss』などが大ヒットした漫画家で、若くして亡くなられて、ニュースにもなったときには驚いたものだった。
これまで語ってきたように、ストーリーが恋愛中心といってもいい漫画は、やはり苦手なところがあるので、多田かおるの作品も流し読みな感じだった。『かわいいオジさま♥』とか、『ミーハー♥パラダイス』といった初期作品は若干記憶に残っている。
他に、茶木ひろみ(『かのこ』は印象に残っている)、聖千秋、いくえみ綾といった漫画家も記憶にあるが、私には個別に語れるような知識も思い出とかも特にないので割愛。
80年代中盤以降は、こうした恋愛漫画に収束していって、SFやらなにやら雑多な、弓月光の作品が普通に連載されていた時代とは変わっていって、男性読者というのも離れていくようになったのかもしれない。まあ、それが本来の、少女漫画ではあるのだろうけれど。