週刊マーガレット 2
敬称は省略しています。
菊川近子
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
菊川近子は、ホラー漫画『赤い爪痕』の印象が強い。隕石から落ちたアメーバに寄生されると、吸血鬼になり、仲間を増やしていく。ヒロインが吸血鬼から逃げ惑うシーンは結構ハラハラしたものだが。
ラストはちょっと納得がいかなかった。
他には、『バイオニック・ガールハニー』という、『バイオニック・ジェミー』みたいなサイボーグ物もあった。これは本人も元ネタとして書いていた。これも、愛読者賞まんがコンテストのための読み切りだったはずだ。意外と面白かったので、連載されるのか? とも思ったが、たしか、もう一遍だけ読み切りで描いて、それで終わったように思う。ホラーが多い漫画家だったが、こういう作品ももっと見たかった。
有吉京子
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
バレエ漫画は、今でも描かれ続けているようだが、有吉京子の『SWAN』が、私が思いつくバレエ漫画だ。というのも、姉がこの漫画、というか、登場人物の一人、レオンハルト・フォン・クライストにベタ惚れだったので、聖真澄というヒロインの名前はなかなか思い出せなくても、レオンはフルネームで覚えている。今だと、フォンが付いてるなんて、お貴族様なんだろうな、という知識も付いた。
時折、レオンが解説役みたいなことをしていたが、確か、森下洋子が実名で登場して、その時も真澄に対して、批評めいたことを話していたことは覚えている。
私の印象に過ぎないが、バレエ漫画としては、山岸凉子の『アラベスク』等はよく名前が挙がるが、こちらはさほど話題にならない印象。もう少し名前の挙がる作品だとは思っている。
塩森恵子
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
繊細で綺麗な絵柄と、文学的なストーリーが印象に残る、私が好きな漫画家だった。
『希林館通り』が連載作品では一番印象的だった。NHKあたりでドラマ化しても面白そう、とか思ったこともあるが、配役などでファンからはクレームが付くだろうな。
短編では、『冬には枯れた花を飾り』の、病気の少女。『言問橋純情』の、年が近いのに、叔母と甥の関係と言う二人の人間模様の切ない感じが良かった。読んでいた年齢を考えると、結構生意気な少年だったんだな。私は。
塩森恵子で検索すると、『激安物件(幽霊付き)空室あります』と言う作品が上位にくるが、今もご活躍されているよう。絵柄は、当時とはだいぶ違うけれど。
柿崎普美
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
柿崎普美といえば、私は何といっても『白球を叩け! 』。何故かって、中学の時に、私は卓球部だったから。ビール瓶で手首鍛えたり、投げ上げサーブも真似した。試合で使ってサービスエースを取ったときは嬉しかったが、その試合はストレート負けだった。
今ではペンホルダーの選手なんてあんまり見ないし、得点も21点制でなくなってしまったので、今の読者から見ると違和感も多いかもしれない。
心臓病のヒロイン、鮎沢久美子がライバルたちと戦い成長していく王道のスポーツ漫画だが、鮎沢久美子で検索すると、この漫画は何故かヒットしない。
『白球を叩け! 』は映画化されてもいるが、これは原作の若桜木虔の小説が元になっている。私のいた田舎では上映されていた記憶は無い。また、当時は、変に卓球が暗いとか馬鹿にされていた。タモリがその元凶、と昨今言われるが、タモリはネアカとネクラという言葉を流行らせたという印象で、B&Bと言う漫才コンビが一番ネタにして馬鹿にしていた記憶がある。
『白球を叩け!』以降は、ホラーやSF、ファンタジーが多い。印象に残っているのは、『吸血樹』という、学校に謎めいた転校生がやってくる、という、少年ドラマテイストな作品。ヒロインが、その転校生の名を「阿久津君!」と呼ぶシーンが多かった印象があり、阿久津という人物が登場する小説や漫画、アニメをみていると、条件反射的にこの作品を思い出すことがあった。
柿崎普美の作品の傾向からすると、『白球を叩け!』が異色なのかもしれないが、スポーツものや普通の学園物ももう少し見たかった気もする。
情報収集のため、次回は続けて投稿しますが、その次は週末か、来週前半になります。