小さな太陽
伊織視点です。
◆◇◆◇
幼なじみで親友で、俺の大好きな人が死んだ。
昨日帰ってこなかったため、彼の両親が探した結果、道端で倒れているのを発見したらしい。
彼の両親が病院に来て教えてくれた。
「最期に親友の伊織くんに会えて良かったと思うわ」
彼の母親が泣きながら言った。
「我が子を失ったんだ... 相手にはそれ相応の罰を受けさせるから、君も安心するといい」
彼の父親は目が腫れている。昨日たくさん泣いたんだろう。
ショックで言葉が出ない。
震える喉から無理やり出した言葉は「そうですか」という消えそうな声だけだった。
「伊織くんの体調も心配だからもう帰ろう」
そう彼の両親が会話をしている。
「あの子と仲良くしてくれてありがとう」
彼の母親が去り際に言った。
小さい頃から明るくて太陽みたいな人だった。
そんな君が大好きだった。
なのに、もう会えないなんて...
信じたくない、またいつものように笑いかけて欲しい。
涙が止まらなかった。
胸が苦しい。
◆◇◆◇
あれから徐々に体調が悪くなっていった。
彼の両親も何度もお見舞いに来てくれた。
彼が死んでしまったショックで持病が悪化したらしい。
食事も喉を通らない。俺に食べる気がないのか、食べても吐き出してしまう。
もうどうでもよかった。
自身の両親には申し訳なく思っているけれどもう疲れたんだ。ごめんなさい。
家族に囲まれながら俺は意識を手放した。
彼にもう一度会いたい。
伊織、、、重め。