準備万端
「じゃあまず競売についたら侯爵を探して、そしたら次に品物、侯爵が何を欲しがっているのか明確にしてきて欲しいわ」
「お任せ下さい」
「じゃあこれを渡しておくわね」
リリーに大量の金貨の入った麻袋を渡す。
「できるなら侯爵が欲しがるものを競り落としてきて」
「ご期待に添えるよう尽力致します」
あとは私がリリーの休暇申請をしないと。
休暇を出すには雇い主である父の許可がないといけない。
父のいる執務室へ向かった。
◆◇◆◇
ドアを軽くノックする。
「ナディアです、お話があります」
「ナディアか、入りなさい」
入室の許可が出たので中へと進む。
「失礼致します」
「話とは何だ?」
「リリーに5日ほど休暇を与えたいのです」
「おぉ、そうか、それは構わないがナディアはそれで良いのか?」
「えぇ」
「では、その間の代わりの侍女を用意しよう」
「ありがとうございます、それとお父様、情報部隊の方々の貸し出しもありがとうございました」
「良い、可愛い我が娘のお願いだからな、聞かない訳にもいかない」
やれやれと言ったように父が苦笑する。
相変わらず娘に甘いお父様です。そのことがとても嬉しいのには変わりないですが。
「それでは、失礼致しました」
難なく休暇の許可を貰うことが出来ました...!競売は2日後。リリーの無事を祈りましょう。