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俺って土魔法の才能あるの!?  作者: シロシロ
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9.魔物

 転生前に神様から、俺は体内で石を作る才能があるので、異世界では、土魔法の才能があると言われていた。

 実際に鑑定の儀では土魔法の能力が発現したので、自信はあった。

 リーリン師匠に水魔法の応用で土魔法の基礎を教えてもらった時、師匠が俺の土魔法を見て感嘆の声を上げた。

「石を生成する速度が異常に速い。硬さ、形、大きさのコントロールもすごいわ!」

 前世で結石に苦しんだ俺には、師匠のお褒めの言葉も嫌味に聞こえ、素直に喜べなかった。

 とはいえ、土魔法は力のない俺の唯一の攻撃手段になると思われたので、できるだけ鋭く生成して素早く飛ばしたり、正確に対象にぶつけられるよう訓練をつづけた。

「土魔法は、相手の動きのけん制、目つぶしや罠にも使えるわ」

 少し水魔法を加えて泥にして足場を崩したり、風魔法で相手の顔に纏わせて目つぶしにしたりと応用できるので、師匠に水魔法と風魔法を習うことにした。

 こうして自分の使える属性に他の属性を少し加える練習を続けると他の属性を覚えられるようだ。

 師匠もそうして覚えたらしい。

「火と水を掛け合わせるとどんな魔法になるんですか?」

「お風呂にはいれるのよ」

 何か簡単に覚えられそうだった。


 俺は記憶を忘れる前に生命魔法を使えたらしいのだが、やってみると本当に簡単に成功させた。

「けがを治す魔法「ヒール」はまあ合格よ。次は毒を消す魔法「キュア」、体力を回復する「リポ」を練習しなさい」

 生命魔法は魔法名を唱えると効果が安定するが、魔法名を唱えず、魔力を流すと、自分のイメージ力によって効果が変わるので、これはこれで育てていきたい能力だった。

 人だけでなく植物にも魔法が効くので、毎朝、サキと一緒に走った後、畑の野菜に成長促進をイメージした魔法をかけるのが日課になった。

 魔法を使えば使うほど魔力が上がるようで、毎日何度も魔力枯渇状態になって眠り、また起きて魔法を使う日々が続いたが、魔法が使えるようになるのが楽しくて仕方なかった。

 特に土魔法にはまった。

 師匠にも褒められた石を生成するときの形や硬さや大きさを制御するってこと、要は造形するってことだ。

 ひたすら固く鋭く大きく武器になりそうなものを作ろうとしたら、20cmくらいの槍の刃のようなものができた。

 それを放つと木に簡単に刺さった。

 まだまだ威力が弱いが、まずは、これを早く、硬く造形して、正確に飛ばせるように訓練することにした。

 土魔法の造型は当然武器以外も作れる。

 猫や犬の人形を作ってサキにプレゼントしたら喜んでくれたので、サキをモデルにした猫耳戦闘メイドのフィギュア作成を目標に技術研究することにした。


 修行を1月ほど続けて再度鑑定をすると能力が大幅に上昇していた。


<名前> パドラ

<年齢> 6歳

<生命> 40/40

<体力> 35/35

<魔力> 45/45

<腕力> 8

<敏捷> 11

<器用> 8

<耐久> 10

<思考> 13

<武技> -

<魔法> 土魔法2、水魔法1、風魔法1、生命魔法2

<特殊> 健康体2


<名前> サキ

<年齢> 10歳

<生命> 45/45

<体力> 60/60

<魔力> 20/20

<腕力> 18

<敏捷> 22

<器用> 15

<耐久> 13

<思考> 10

<武技> 体術2

<魔法> -

<特殊> 隠密1


 俺は魔法の成長が早いが、能力値の上りはサキの方が圧倒的に速い。

「サキちゃんは成長期に入ったね。しばらく高成長が続くから、いっぱい練習して、いっぱい食べて、いっぱい寝るのよ」

 師匠は、母のようだ。


 師匠の別荘は、森に囲まれている。

 というよりも森の一部を切り開いて、建物と畑を作ったようなところだ。

 リーリン師匠は、リーリン師匠に魔法を教えてくれたお師匠様からこの別荘をもらったらしい。

 前面の畑の奥には食べれる果物もとれるようなちょっとした林があり、別荘の裏手と左右は、完全に森に囲まれていて、獣も魔物もいるらしい。


「ちょっとお肉がなくなっちゃったから、イノシシ取りに行くよ」

 師匠は裏の畑に取りに行くような感じで、言い出した。

 森をしばらく歩いていると、師匠は何かに気づいたようだ。

「サキちゃん、左から回り込んで、逃げないように威嚇してくれない?パドラは土魔法で仕留められるようカチカチの一発を準備して」

 何か気分がいい。

 現れたのは、体長2mはありそうな大きなイノシシで、額に2本、鹿のような角が生えていた。

「ダブルホーンボアだね。おいしいお肉だよ。角と角の間にズドンと打ち込めば、仕留められるよ。サキちゃん、ちょっと動きをけん制して止めてみて」

 サキは斜め横の木の上から勢いよく飛び出し、両足でイノシシの脇にけりをいれた。

 イノシシが一瞬バランスを崩し立ち止まったところを俺のストーンキャノンが額を貫通した。

 ストーンキャノンは、俺が最初に練習していた20cmほどの槍の刃のようなカチカチに固めた石に、貫通力を上げるために風魔法で回転をつけて、風の筒の中を射出するようなイメージで速度を上げて発射する俺オリジナルの覚えたての魔法だ。

 石はイノシシを貫通してそのまま木を数本なぎ倒していった。

 オーバーキルだな。回転数と弾丸の大きさを少し変えて、バリエーションを増やそう。

 まだまだ試行錯誤が続いているが、発射までに時間がかかるのが難点だ。

 今後も改善を続けていこう。


 倒した魔物は、その場で血抜き、解体を行って、肉を別荘まで運ぶ。

 抜いた血は師匠の火魔法で焼いた後、俺の土魔法で地中に埋めた。

「3人で食べるにはちょっと多すぎだね。明日街に角と一緒に持って行って、売ってこよう。2人の服も買っておかないといけないからね」


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