57.戦後処理
敵はラッシュ領とスライドバレン領の国境にある砦に籠って、体制を整えようとしていた。
俺たちの屋敷がある地域での戦闘、本土決戦に間に合わなかったカルザン軍主力もその翌日には集結し、獣人軍と冒険者軍と共に8軍で南下して、敵が籠る砦を取り囲んでいた。
敵の残存兵力は4軍相当だが、相当数のけが人が含まれるようだ。
ドラゴンの瞬殺見た後に、カルメラ、ばあちゃんの大規模殲滅魔法を食らっているので、精神的にもかなり追い詰められているだろう。
そもそも今回の戦争は、スライドバレン辺境伯がケモミミを取り返そうと挑んできたものだが、ケモミミを拉致したのはスラテリア神聖国だとしても、それを承知で購入して、自らの欲望のために利用していたのだから、奪われても文句は言えないはずだ。
突然攻め込んできたから、わかっていないのだが、スライドバレンの兵士たちにどういう理由で出兵させているのだろうか?
このまま一気に攻めてもいいが、こちらにも相当数の被害がでるので、どうしようか悩んでいたところに、王都からじいちゃん、ばあちゃんの友達が来た。
王様だった。
「お前が、シドとライラの孫か。今回はいろいろ助かった。礼をいう」
いきなり礼を言われた。
俺は跪き頭を垂れて聞いている。
俺後ろには家族と仲間が聞いている。
「スライドバレン辺境伯爵家とラッシュ子爵家は取り潰すので、当人たちは当然処分される。気が収まらないかもしれないが、辺境伯軍を壊滅されると国の防衛に大きな障害が出るので、このあたりで矛を収めてほしいのだ」
家族、仲間とケモミミたちの平和が守られるなら、殲滅しなくてもいい。
ただし、ライコスとノラはスライドバレン伯爵とラッシュ子爵のとどめを刺したがっているので、これについては後でお願いしよう。
「周辺国ともいろいろ約束をしたり、協力関係を持ったりしているようだが、詳細を教えてくれ」
帝国との協定、パドラ軍、獣人国との協力関係について話をした。
ついでにスラテリア神聖国が今後も脅威になる可能性を伝えた。
「うむ。帝国への旧帝国領の返還は認めよう。あんな土地は王国として抱えていても役に立たんからな。パドラ軍は、お前が望むなら、私兵として、わが国に編入することは可能なので、グランドブルグ側と交渉する許可を与える。王国として戦力が増えるのはありがたい。それに、獣人国との友好関係を構築するのも王国の利になるので、獣人国の姫を娶ることを許そう」
それを聞いたサキが嬉しそうな顔をしているのが、ちらっと見えた。
なんか偉そうに許可を与えると言ってるが、外交に関わることは王家の専権事項のようなので、勝手に外国と約束とかしてはいけないようだ。
領主になればある程度認めてくれることもあるらしいが。
「で、お前に命令、いや、頼みがある。伯爵に任命するから、帝国に旧帝国支配地域を返却した後の現在のお前支配地域とラッシュ子爵領、スライドバレン辺境伯領を納める領主をやってくれ。兵力は、お前の持つ既存の軍隊、ラッシュ・スライドバレンの残存部隊の保有を許可する。交渉結果次第ではパドラ軍の保有も許可する」
いきなり大きな話になった。
「新たな貴族を領主として、任命し、納めるまでは時間がかかるが、この地域に力の空白を作るわけにはいかん。現にこの地域で軍事力を有し、実質的に支配者として一部地域でも統治しているお主にしか頼めんのだ。幸い、お主はわしの古き友人の孫という意味で信頼もおける。」
どうせ今でも国作って総帥やってるから少し領地が増えても問題ない気がする。
仲間と家族がやってくれるから、俺は何もやってない。
まあ、受けてもいいだろう。
ただし、辺境伯ではなく、やはり総帥がいい。
いつかは、片手をあげて、ジーク・〇〇〇やりたかった。
「正式な任命の儀は後日王都でやるから出席するように。仮ではあるが、この戦争を納めなければいかんので、今から辺境伯としての権限を与える。さっさと砦の兵を解散させて、スライドバレン辺境伯と、ラッシュ子爵を捕まえてこい。生死は問わん」
2日後には、2人の元貴族をライコスとノラがやった。
年が明けて、王都に呼び出されて、辺境伯就任の儀が執り行われた。
俺は、17歳になった。
ありがとうございます。
初めての投稿でしたが第1部はここまででいったん終了させていただきます。
たくさんのブックマークしていただきありがとうございました。
皆さんのブックマークと評価を励みにして、
初投稿でしたが何とか書き切ることができました。
最後は日間ランキングにも載せていただけました。
続話『俺って異世界召喚されたのにいきなり逃亡生活なんてついてないよね?』
8/29連載開始しました。
続話もよろしくお願いいたします。




