47.救出準備2
慎重に外に出て、周りを探索したが、どうやら人里離れた森の中らしい。
地上からの目印に15メートルほどの高さまで土魔法を伸ばして棒を作り、先端に星のマークを付けものを坑道出口から、100メートルほど離れた場所に立てておき、ひとまず坑道内キャンプまで戻ることにした。
あまり森をうろうろして、発見されても困るし、キャンプ側で問題が起こることも心配だったからだ。
キャンプに戻るとカヌーとラダはケモミミランドの監視を続けていた。
地上の捜索を進めたいが、まだ、カルメラは屋敷に到着していないだろうから地上調査隊もできていないだろう。
あまりこちらで少人数の調査を広げてもリスクが高い気がした。
一旦今日の調査を打ち切って、休んでいると、夜になって、馬が走る音が聞こえてきた。
「パドラ~、お母さん来たわよ~」
何と母さんがもう着いた。
カルメラが、さっき、3時間ほど前に屋敷について、すぐに出発してくれたようだ。
食料もたくさん持ってきてくれて、ばあちゃんとサキと3人で豪華な夕飯を作ってくれた。
母さんには一晩一緒にキャンプで泊まってもらい、翌朝一緒に森の坑道出口から出て周りを見てもらった。
昨日立てた目印の周りに螺旋階段を設置、展望台にして、遠望も確認してもらった。
ばあちゃんと母さんで何やら話し合った結果、ここはラズラズの森の南端ではないかということだった。
「弱いけど、魔物が出るから、あまり人は近づかないわよ。村から王都への直線上になるけど、普通王都に行くときは一度ラッシュビルまで南下してから西進するからね。この森を突っ切るのはお父さんとお母さんくらいよ」
じいちゃん、ばあちゃんは街道を通らず、森を突っ切るらしい。元気だな。
「少し東に進めば村からラッシュビルに行く街道の中間地点にあたって、馬も走れるわよ。そこはカルザン領内だから、少しは安全だと思うわ」
この森の坑道出口から街道まで道を作って、馬車で走れるようにしてしまおう。
そうすれば坑道からでも地上からでもここまで獣人たちを連れてくれば、場所で村まで連れていけるからな。
街道まで6kmくらいということだから、今日一日で何とかなるだろう。
早速みんなに考えを伝えると、みんな賛成してくれたので、サンズにカヌーとラダを呼んできてもらい、皆で森を切り開いて道を作った。
母さんとサキが風魔法で枝や細い木々を切り落として、俺が水と土の混合魔法で地面を柔らかくしてから、土魔法で土を掘り起こして木々を倒すと、獣人たちが木々を除けて、最後にばあちゃんが水と火魔法でコンクリートみたいに地面をカチカチにしてくれた。
途中で魔物と戦いながら、適度に休憩を入れて街道までつなげることができた。
おそらくカルメラたち地上捜索隊はこの街道を通るはずなので、わかるように土魔法で目印と行き先案内板のようなものを作っておいた。
ケモミミランドの様子も気になったので、母と一緒に街道内のキャンプまで戻ってきた。
母には、明日朝から地上ルートで一度屋敷に戻ってもらうことにした。
準備が早ければそろそろ街道上でカルメラの地上捜索隊と遭遇できる可能性もあるし、救出後の逃走ルートの確認にもなるからだ。
翌朝、母を送り出した後、地上からケモミミランドを探してみることにした。
坑道の出口があるということは、山、谷などがあると考えられたので、そういう地形をカルザンとは逆方向に向かって歩きながら探した。
森を抜け、南西に4KMほど進んだところ、鬱蒼と木が茂った林のなかで、小さな山が3つほど連なった小さな渓谷を発見した。
山の周りを調べても、山の中心に向かう道も、山から外に向かう道も見当たらない
完全に人が入った形跡が見られないが、険しい山肌の草木を押しのけて、道なき道を進み山の頂まで登ったとき、眼下に楽園が現れた。




