35.弟子
6年前、別荘で襲撃をうけ、弟子を人質に取られた時、10歳の弟子の命を助けることと引き換えにとある仕事をする取引を持ち掛けられた。
その時はどうしようもなくて、取引に乗っちゃったけど、その取引の直前に、私はある罪悪感に苛まれた。
その子を4年間育てて、一緒に暮らして、当然、すごく大事に思っていたけれど、私のことを母親のように慕うこの子を見た瞬間、ふと、この子の親から4年間を奪い取ったような気がしちゃったんだよね。
だから10歳の子を捨てて旅立った。
当然ちゃんと生活ができるように取引を持ち掛けたやつに頼んでおいたけどね。
で、その取引で私たちが受けた仕事というのは、獣人の調査から始まった。
最初は王国のラッシュ子爵領、次に連合国の獣人国以外の諸国、そして、最近数年間はスライドバレン辺境伯爵領で獣人の子を探しながら、領内の調査をしていた。
期間4年+最大2年延長のオプション付き契約だったが、結局オプションを執行されて6年も仕事した。
まあ何とか受けた仕事は終わらせた。
実際にはまだやることは残っているけどね・・・・・
3年前、この地域のある村で、パドラの母親に会って話すことができた。
その時、サキちゃんとパドラ母の2人でパドラの様子を見に行く準備をしてたけど、獣人国や盗賊団が帝国に侵攻を始めたため、結局、グランドブルグに向かうことができなくなって諦めた。
2人の旧知の女盗賊に様子を見に行ってほしいと頼んだだけで、パドラがどうなったのか聞いていなかった。
で、今回、ようやく任務修了したので、もう一度、パドラの故郷の村に行くと、この村を含む、ラッシュ子爵領と帝国のグランドブルグ侯爵領の一部地域の支配者が変わっていて、パドラの様子見を頼んだ女盗賊カルメラがパドラの生まれ故郷周辺の領主になっていたので、屋敷を訪問した。
そしたらパドラがいた。
奴隷として奉仕されていた。
さすがに怒りを覚えて、魔法でカルメラをぶっ飛ばそうとしたが、サキちゃんが言うには、サキちゃんもパドラも助けてくれた人物だというので、少し話を聞くことにした。
そして、カルメラから、パドラの事情と彼女の苦しい胸の内を聞き、私も師匠として弟子の更生に尽力することを誓ったのだった。
パドラに人に奉仕する喜びを覚えさせる。
その矯正方針に賛成した私は、早速パドラに奉仕をさせてみた。
脚からモモ、お尻、腰順番にマッサージをしてもらうとかなり気持ちいい。
修行して相当腕を磨いたようだ。
起き上がり、肩のマッサージをお願いする。
ここで、弟子に試練を与える。
ちょうど、パドラの位置から見えるように胸のボタンをはずし、パタパタと空気を入れた。
するとパドラ硬直し、痛みに悶え始めた。
ふふふっ。私の身体もまだまだ捨てたもんじゃないわね。
マッサージで体は気持ちよくなり、さらに気分もよくなった。
カルメラもパドラにマッサージの奉仕をさせた後、試練を与えているようだ。
ナレンダはパドラの母を探すと言って出て行ったので、今ここにはいない。
サキはパドラに再会した直後から大泣きして、何日もパドラから離れようとしなかったが、呪いが発動して悶絶させるので、少し距離を置いた。
また、サキはパドラにマッサージをさせなかった。
サキはパドラのことが好きだから、奴隷として奉仕させるのが嫌だそうだ。
好きな男に奴隷として奉仕させる愉しみがわからんようだとまだまだだね。
パドラ自身は誰にでも奉仕したい呪術にかかっているから、サキのこともマッサージして気持ちよくしてあげたいようで、頼み込んでやらせてもらおうとしたら、足に触る前から硬直して痛みに悶えだした。
私とカルメラはイラっとして、制裁を加えた。
離れていた6年間で、パドラがどれだけ強くなったか確認するため、パドラの生まれ故郷の教会に連れていき、鑑定をしてみた。
人外がいた。
<名前> パドラ
<年齢> 16
<生命> 900/900
<体力> 900/900
<魔力> 1,200/1,200
<腕力> 300
<敏捷> 300
<器用> 250
<耐久> 250
<思考> 380
<武技> 体術10
剣術10
<魔法> 土魔法10
水魔法10
風魔法10
火魔法10
生命魔法10
呪術2
<特殊> 健康体10
薬草知識10
私が今まで見た人間の中では最強の能力だ。
うわっ!魔力4桁って……初めて見た。
私の師匠でも700だったのよ……
身長も192cmもあるし、やっぱり健康体って特殊能力はとんでもないわね。
剣術と呪術は、私といたときには覚えてなかったので、その後、発現したんだよね。
がんばったね。
師匠として誇らしいけど、能力をここまで上げるのに相当な訓練が必要なはずなのに、カルメラがいうような変態さんになって、どうやって訓練したのかなあ。
まあ、変態さんなりにやりかたがあるんだろうね。




