32.心残りが無いように
街に戻るとすぐ孤児院に行き、レーバルさん、バーンズさん、マーラさんに話をして、獣人国に人質としていくことの許可をもらった。
この街に残っても戦争になる可能性が高いので、人質としてであっても獣人国に行った方がむしろ安全かもしれない。
仲間たちにこの話をした時には、皆びっくりしていたが、往復で2週間、何かトラブルで遅くなっても1か月くらいだろうかと話をした。
準備があるからと足早に分かれて、俺は家に帰ってきた。
そう、俺にはやることがあった。
以前、バーンズさんにお願いして、滞っていた件、もし万が一、何かがあっても心残りが無いように済ませてから人質になりたかった。
さっき、孤児院で打ち合わせが終わった後、こっそりバーンズさんにお願いし、今晩、黒鳥館に来るように言われたのだ。
念のため、家でシャワーに入ってから、向かうことにした。
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私はバーンズ。黒鳥館の支配人だ。
街の恩人であり、また今度も街を守るために自ら人質になろうという若者から、初めてのお相手を紹介してほしいと頼まれており、誰に相手をさせるか熟慮を重ねている。
この娼館で働く女なら、彼のことを知らないものはいないだろう。
娼婦の子供たちも何人か彼のもとで働いているからだ。
彼自身も健康美にあふれた外見なので、たとえ彼のことをよく知らない女性でも皆喜んで初めての相手をするだろう。
ただし、彼は今傷ついている。
その原因を少し聞いただけだが、傷はかなり深いと思えた。
彼は優しいプロを希望している。
若くてきれいな女ではだめなのだ。
彼を傷つけた張本人のカレン、セラフィ、エノアの母親はまだ現役の娼婦だ。
どう見ても20代前半でとても14、5歳の娘がいるようには見えない。
彼女たちに責任を取って彼の傷をいやしてもらうのはどうだろうか……
傷をえぐることになりかねないな……
その時、扉をたたく音がした。
「バーンズ、入るよ」
先日からこの館に滞在している女だ。
ちょうど獣人軍が町の近くまで来たときに街に来て、街から出れなくなったからそのままここに滞在している。
もともとここの娼婦で、俺もボーイ時代にはすごく世話になった人だから追い出すこともできない。
「黒鳥姉さん、いかがされました?」
黒鳥姉さん事、カルメラさんは、超人気娼婦で、店の経営や知名度向上にも多大な貢献があったため、彼女が引退するときにこの娼館の名前も彼女にあやかって黒鳥館に改めた。
ただ、当時から俺よりも年上だったはずだが、どう見ても30代の容姿をしている。
魔女め……
「ちょっと暇だね。私も久々にひな壇にあがって客をとってもいいかい?」
これまで、「正直、誠実」をモットーにお客様に喜んでもらえる店を目指してきた。
ここでそれを曲げることはできない。
「ありがたいお話ですが、最近は景気も悪く、客足も多くないので、申し訳ありませんが、新人娼婦に機会をお与えください」
「そうかい。仕方がないね。じゃ、客以外でお相手してくれる子を紹介してくれないか」
一瞬彼のことが浮かんだが、この人に任せると取り返しのつかないところまで、傷が広がる気がして、やめておいた。
「ありがとうございます。職員たちに聞いてみます。」
そんなに期待もしていないような感じで「頼んだよ~」と言ってカルメラは出て行った。
時間がない。
やはり、母親3人に責任を取らせよう。
支配人室に3人の女を集めた
カレンの母、バイオレット、セラフィの母、スカーレット、エノアの母、マーガレットだ。
源氏名が似ているのは、そういう流行の時期にこの館にやってきたからだ。
3人の娘たちの所業と、少年の苦悩を説明した。
3人の母は娘たちの罪に懺悔し、娘たちの代わりに少年を癒すことを誓ってくれた。
少し、舌なめずりしたような気がしたが……
今晩の進め方についても入念に打ち合わせを行った。
少年はいつも全裸で縛られ、目隠しをされた状態で、いたずらされている。
それがトラウマになっているので、今日も少年を全裸で縛り上げ、目隠しをしてから、これまでと全く違う天国を味わってもらい、すべての記憶を上書きしようということになった。
3人で一晩中、上書きし続ける計画だ。
くれぐれもやりすぎないようにと念を押して、作戦会議は終了した。
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予定よりも少し早いが黒鳥館についてしまった。
こっそり裏口から入って支配人室に行くと黙ってうなずき、特別なお客しか入れないVIPルームに通してくれた。
しばらく、緊張してソファで待っていると、黒いベールをかぶった女性が3人入ってきた。
顔を隠していても女性が誰かはすぐにわかった。
なるほどこういう趣向か……ありがとう支配人
3人とも布はスケスケで下着もつけていないから、ほとんど裸だ。
「いらっしゃいませ。今日は優しく天国に連れて行って差し上げます」
早速、あらゆるところに何やら柔らかな刺激を受けながら、瞬く間に服を脱がされ、縛られ、目隠しされた姿で、ベッドに転がされた。
ずっと何やら気持ちのいいもので全身刺激され続け、もう我慢ができなくなっていた。
「ごめんなさい。少し待っててね。すぐ戻ってくるから」
突然言われて、3人の女性が居なくなった。
まさか放置!?少し不安がよぎるが優しい3人だから大丈夫だろう。
しばらくするとドアを開く音がした。
「ママ、もうがまんできないよ~はやく~」
おねだりすると、こちらに近づいてくる足音がした。
不意に乳首をつままれる
「うっふーっ」
思わず変な声が出てしまったが、先ほどまでとは違ってちょっとハードでドキドキした。
「困ったねえ」
知らない声にドキッとした瞬間、強力な力で握られた。
「ぎゃっ」
と思わず叫んだ瞬間、口の中に何かを入れられて飲み込まされると、俺は記憶を失った。
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まさに天国への階段を全力疾走させているところで、後ろのドアを支配人がそっとあけ手招きをした。
マーガレットが話を聞きに行くとどうやら娘たち3人が気づいて乗り込んできたらしい。
わが娘ながら感が鋭いことだ。
ここに突入されて暴れられても大変なので、すこし、待ってねと言って、3人で娘たちのところに行った。
「娘の彼氏に手を出すなんてどういうつもり!?」
娘たちの目に私たちはそう映っているのだろう。
まあ、間違ってはいないけど。
「あなたたちは彼を傷つけすぎたのよ。ここで傷を癒さないと彼は男として立ち直れなくなるわ。どうして彼をあんなに傷つけたの?やらせないでただひたすらもて遊ぶなんて……」
「何よ。大人になるまでやっちゃダメって、ママがいったんでしょ!?」
残りの娘2人もうんうんと首を縦に振っている。
あらやだ、意外にまじめね……ママの言いつけを守っていただけなんて。
そこで少し娘がかわいくなった。
「わかったわ、私たちが彼の傷を治した後、あなたたちを呼ぶから、楽しい思い出を彼の記憶に上書きしましょう」
結局みんなでやることになったけどまあ傷を治すという意味では傷つけた本人の方がいいかもね。
娘たちは私たちも一緒ということに少しブー垂れていたけど妥協して最後はうなづいた。
急いで、VIPルームにもどると、パドラが消えていた。




