22.仲間たち
レーバルの指導が始まったのが、10歳の終わりだった。
11歳になってからは、黒鳥デリバリーと孤児院で戦闘に興味がある奴も訓練に加わるようになった。
12歳になって、とうとう成長期が始まった。
サキよりも少し遅いスタートだったが、長く成長期が続くことを期待しよう。
そして、13歳の誕生日を迎えた。
<名前> パドラ
<年齢> 13
<生命> 400/400
<体力> 430/430
<魔力> 530/530
<腕力> 120
<敏捷> 130
<器用> 100
<耐久> 100
<思考> 160
<武技> 体術10
剣術10
<魔法> 土魔法10
水魔法10
風魔法10
火魔法10
生命魔法10
<特殊> 健康体10
薬草知識8
能力値は14歳の時のサキ、それとリーリン師匠、ナレンダ師匠ともいい勝負になっている。
魔力値はリーリン師匠を越えた。
身長も急激に伸び、170cmになった。
約2年に渡り軍の訓練を受けてきて、戦い方が大きく変わった。
剣を中心に相手をくずして、魔法でとどめを刺すスタイルを確立した。
魔法については始動が早く殺傷力があるものを数種類練習し続けている。
ナレンダ拳法も捨ててはいないが、正攻法で強くなった分、小技は効果的なところだけで使うスタイルになった。
ビジネスも順調で俺も院長もちょっとした財産を形成できていた。
黒鳥デリバリーのマルクたちは成人して、黒鳥デリバリーの正社員として働いている。
タクトをはじめとした孤児院出身者も成人した多くが食堂に就職し、まじめに働いていた。
彼らはデリバリー商品を食堂メニュー全般に広げたり、サテライトステーションを用意して、デリバリー可能地域を広げたりして、順調にビジネスを拡大させて、俺と院長の懐を温かくしてくれた。
また、一緒に軍の戦闘訓練に参加してきたので、武技や魔法を使いこなすものも増え、ちょっとした武装勢力と言ってもいいぐらい強くなっていた。
食堂、デリバリーに関連する種々トラブルについては、自力救済が可能になってきた。
さすがに黒鳥館では、軍人や傭兵が関連するトラブルも多いので、全部は難しいけどね。
そして最も問題なのは、カレン、セラフィ、エノアの3美女だ。
カレン、セラフィは13歳、エノアは14歳だ。
サキも美しかったが、3人は美しいだけでなく、その言動に不思議な妖艶さを持っている。
幼いころから彼女たちの妖艶さの片鱗を体験してきたので、そのすごさは実感しているが、まるで呼吸をするように男を手玉に取る……いや、男の心を掴む。
この街には彼女たちの毒牙にかかり、忠誠を誓い、財産を投げ出してまで尽くそうとする人間が次から次へと出てくる。
そのうち国でも乗っ取るのではないだろうか……まさに傾国だ。
今後、夏までの約半年間は、今のまま、訓練とビジネス拡大を目標に活動するつもりだが、半年後、レーバルの部隊が南部砦に移動するタイミングで、どうしようか考えている。
母や妹に会うべきか悩んでいる。
エレンやマルクたちには俺の生い立ち含めて話をしており、彼らからはどういう決断をしても応援する、グランドブルグのビジネスは任せておけと言われている。
仲間はいいものだ。
このところ、娼館で警備の仕事も引き受けている。
俺よりもはるかに強いプロも雇っているのだが、そこまで出る必要がない、ちょっとしたもめごとなどは、俺や黒鳥デリバリーのメンバーの方が適任なことも多い。
「変な薬を飲まされるらしいのよ」
カレンちゃんママから相談されたのは、店の女の子数人から訴えられている薬物疑惑についてだった。
カレンちゃんママは今年30歳になったそうだ。
見た目はどう見ても20歳前半で、母を見ればカレンちゃんの容姿の良さを十分納得させられるほどの美しさだが、それが人々の記憶に残らないほど強力な武器、そう、爆乳をお持ちだ。
今も目の前で少し姿勢を変えるたびに形を変えるその物体から目が離せないでいる
隣にいるカレンちゃんが、冷たい視線で俺を見てくる。
「私だってすぐ大きくなるんだから」
少しすねた顔で胸を押さえながら言ってくる……かわいい。
カレンちゃんママの話では、被害を訴えた3人の女性に共通するお客さんは1人で、全身筋肉でおおわれたような厳つい戦士風の男だそうだ。
「だいたい記憶をなくすそうなの。乱暴されたり、金品を盗まれたりするわけじゃないのに、行為中の記憶がないんですって。目を覚ますとありがとうと言って帰っていくらしいわ」
うーん。それって気持ち良すぎて……
プロの彼女たちにとって、特に気を許したお客相手以外では、薬でも使われない限りそれはないらしい。
カレンちゃんママに上目遣いでお願いされた。
「その客が今日また来るのよ。パドラ君、カレンちゃんと二人で部屋を監視して、薬を使ってないか確認してくれないかしら?」
喜んで!




