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俺って土魔法の才能あるの!?  作者: シロシロ
21/57

21.戦闘訓練




 昼間から黒鳥館に遊びに来た。

 デリバリービジネス立ち上げから2カ月がたち、昼のデリバリーもスタートした。

 最近、カレンちゃんたちは親と一緒に住む家から直接食堂に来ることが多くなって、黒鳥館に来ることはほとんどなくなった。

 だから、今、待機室にいるのは7歳以下の幼児ばかりだ。

 昼間だからもともと出勤者が少ない。


 そんな待機室を外から見ている怪しい中年を見つけた。

 犯罪者だ。

 素早く土魔法で礫を作って狙撃する。風魔法補助なしの低威力の攻撃だ。

「痛い!」

 犯罪者が悲鳴を上げた。

「動くな!幼女誘拐未遂で逮捕する」

 後ろに回り、ほうきの柄を首に当てる。

 30歳くらいの赤毛のおっさんだったが、こちらが子供だとわかると、ため息をつきながら許しを請うた。

「すまない。おじさんが悪かった。ちょっと娘に会いたくて見に来ただけだ」

 ここは娼婦の子供しかいないはずだからそんな話は信じていないという顔をすると説明してくれた。


 おっさんの名前はレーバルといいこの街があるグランドブルグ侯爵領の騎士団の団員だった。

 6年間、隣国との国境警備の任で、グランドブルグの街を離れていたが、今年任務交替で街に帰ってきたらしい。

 6年前、グランブルグを離れる最後の思い出にと、この娼館で気に入った娼婦と楽しい夜を過ごしたが、どうやらその娼婦が妊娠して出産したと聞き、自分の子供ではないかと見に来たらしい。

「時期も合うし、カトリーヌに直接子供に合わせてほしいとお願いしたけど合わせてくれなかったんだ……」


 こいつは娼婦のことを知らなさすぎる。

 ちょっと説教が必要だな。

「あんたが今やっている行動は、皆を不幸にする行動だ。娼婦なんだから、子供の父親がだれかなんて、絶対にわからない。それでもあんたが彼女に未練があるなら、あんたは、まず先にカトリーヌを見受けして、一緒についてきた子供を抱きしめて、たとえ誰の子供かわからなくても自分の子として大切に育てると彼女に誓うんだ」

 俺の言葉を聞いて、しばらく思案顔をしていたレーバルは、わかったとつぶやいて娼館から出て行った。

 数日後、娼館から一人の女性が見受けされ、いつも待機室で遊んでいた赤毛の女の子がいなくなった。


 ちょっといい話で終わったと思ったんだが、続きがあった。

 数日後、そのレーバルが孤児院の俺の部屋を訪ねてきた。

「何かお礼をさせてくれ」

 10歳児にされた説教をまじめに聞き、さらに礼を言いに来るとは……大物かもしれない。

 聞けば騎士団の6年に及ぶ遠征中に手柄を立てて出世し、今は、8軍ある軍団の内、第4軍団の軍団長をしているらしい。

 年齢は思ったより高く38歳だそうだ。

 今まで冒険者との訓練や、盗賊と戦ってばかりだったから、軍隊がどれだけの実力があるのかわからない。

 いい機会だから、戦闘訓練をしてほしいとお願いした。


 翌日、早速、街の東にある軍の駐屯地に行ってみた。

 領主軍8軍の内、2軍は国境警備、2軍は領地南部の駐屯地、残り4軍の内、1軍がグランドブルグの都市内の駐屯地に滞在し、2軍が郊外の東西の駐屯地にいるらしい。

 1軍は、予備役として、事件がなければ休暇だ。

 今月はレーバルの第4軍が、街の中に駐屯しているそうだ。


 日本の小学校の校庭4つ分ほどの広さに、100名ほどの隊員が訓練をしていた。

 午前中が訓練で、午後からパトロールをしたり、報告や研究を行ったりしているらしい。

「まずは、お前の実力を見せてくれ」

 木の棒を持ってレーバルが構えたので、久しぶりに本気で戦ってみることにした。

 始めの合図とともに大きく踏み込んで距離を詰め、右の掌底を相手のガードする腕に打ちながら、相手の右足かかとを土魔法でロックすると同時に左足の下に泥沼を作成し、バランスを崩す。

 掌底を繰り返すと見せかけて、下げた手のひらから、多弾ストーンバレット放つと同時に、ロックした右足の甲に向けてアイスピックを発射した。

 ここまで連続攻撃でいったん後ろに下がり様子を見ることにした。

 レーバルは右足を軸に体を回転させて右足のロックと左足の泥沼を回避すると同時に、ストーンバレッドとアイスピックを木の棒で難なくはじき返していた。

「いやー、すごい連続攻撃じゃないか?でも残念ながら、軽い。まだ10歳だから仕方がないが、もう少し、正攻法の剣術や体裁きを学んだ方がいいだろう。その方が今の技も生きてくるさ」

 簡単に攻撃を防がれたことは、少し悔しかったが、ナレンダ拳法を否定するどころかもっと生かせると言ってくれた。

 これまで2人の師匠が教えてくれたことをもっと生かせるようにするために、俺は第4軍団長レーバルに戦闘を教えてもらうことにした。



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