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俺って土魔法の才能あるの!?  作者: シロシロ
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16.リーリンの家




 私は、黒ローブの襲撃者の正体が、ライコスとノラ達だとすぐに気づいたが、サキちゃんを人質に取られて、なすすべもなく顎を砕かれ、気を失ってしまった。


 次に回復させられて意識を戻したときにパドラと目があった。

 そこでピーンときた、回復魔法を使った無限拷問。

 奴がやろうとしていることは4年前の復讐だ。

 最初にこれを奴らに使ったのは私だから。


 次の攻撃が来る前に脊髄に凍結魔法をかけて痛みを止めたけど、殴られたのはまた顎で、再度気を失ってしまった。

 パドラが回復魔法で顎を治してくれたようだが、正直心配だった。

 だって顎だよ。ちゃんと直さないと顔の形がおかしくなるから、朦朧としたパドラがちゃんと直せているか不安だった。

 もし変な顔になっていたら、あいつに責任を取らせよう。


 痛めつける対象が顎から足に移ったので、パドラの魔法で凍結魔法による神経麻痺を回復させないように注意しつつ、剣で傷つけられる度に、痛みを訴える迫真の演技をつづけた。

 ふとパドラの顔を見るとそろそろ精神的にも体力的にも限界のようだったので、生命魔法と水魔法の混合魔法で眠らせた。

 うまくごまかせたようで、奴らはパドラが魔力切れで倒れたと勘違いしたようだ。

 今度、パドラにも魔法を使ったことを隠す方法を教えておこう。


 私は目立たないように自分の傷を回復魔法で回復しつつ、周りの状況を確認した。

 ナレンダは右手負傷。サキちゃんは両足負傷で気を失ったままみたい。パドラも気絶と。

 ごめんね、パドラ、愛する師匠が拷問されるのってやっぱりつらいよね。

 ナレンダの解放と、サキちゃんとパドラが人質にならないように救出することが、反撃の条件だ。

 ナレンダと一緒に暮らして4年たった。

 その間、パドラとサキちゃんを指導するだけじゃなく、私たちはお互いの戦闘技術の良いところを取り込んで、技を磨いてきた。

 私がナレンダから学んだのは、相手の意表を突くような魔法を繰り返して、戦局を有利に持っていく方法だ

 ナレンダはこれを土魔法だけでやっているが、私は火、水、風を使える。


 まずは、ナレンダとサキちゃんを抑えている黒ローブの背中の端に小さな火をともした。

 それと同時に、痛みに耐えられず倒れこむ演技をしながら、私の周りに火と水魔法で水蒸気を発生させて、視界を少し悪くしておく。

 軽く私の手の動きなどがごまかせる程度の霧で十分だ。

 やがてナレンダを抑えている黒ローブが火に気づいてあわて始めたところで、膝裏を狙ってアイスニードルを打ち込んだ。

 アイススピアより小さくて威力は弱いがわかりにく。

 足に力が入らず、座り込んだところで火が回り慌てて地面を転げまわる。

 サキちゃんの隣の男も同じように火に囲まれていた。

 私を押さえつける役の男が火を消そうと水魔法を唱え始めたので、放出の瞬間に火魔法をぶつけると、更に霧が発生して周りが見にくくなった。


 そこでライコスが動く。

 ライコスは偃月刀を振り回しているが、実は剣がそれほど得意ではない魔法使いだ。

 特に風魔法を得意としていると4年前の襲撃データには書いてあった。

 予想通り、風魔法で霧を吹き飛ばそうとしてきたので、ファイアストームを火の勢い多めで唱える。

 今回は襲撃を許した時点で、家はあきらめた。

 すでに森には火がついていたし、家に燃え広がるのも時間の問題だった。

 だから、4人で逃げるために犠牲にした。

 ごめん、師匠。

 私のファイアストームにライコスの風魔法が合わさり、瞬く間に家に火が燃え広がった。

 普通、風魔法に対抗して火魔法を使うことなんてない。

 だって、こうなることが分かり切っているから。

 そのおかげで、ライコスが一瞬気を取られたので、頭を狙ってアイスニードルを放つ。

 反応して、避けようとしたところにナレンダの掌底がライコスの後頭部に炸裂して、ライコスの意識を刈り取った。

 ナレンダが素早く土魔法でライコスを固定する間に私は彼女の右腕に回復魔法をかける。

 再生はまだできないが、少なくとも出血を抑えることはできた。

 サキちゃんは少し離れたところにいるし、監視役はローブの火が全身に回って倒れている。

 パドラが人質のような位置にあるが、ようやく、ノラに対して2対1が作れた。

 どう追い込むか思案を始めたところで、突然、ノラがパドラの腹に剣を突き刺した。

 そうだった…こいつはおかしい奴だった。

 妄執にとらわれた眼光の鋭い目でこちらを眺めながら、パドラの腹に刺した剣を何度も突き刺している。

 そのたびに腹から血が流れ出るが、パドラは魔法で眠らせているので反応しない。

 ナレンダと目配せするが、どうにも彼女も妙案がないようだ。

 いっそのこと最大火力魔法をノラにぶっぱなし、生命魔法頼みでパドラを回復させるかなどと焦って考え始めたとき、その男は静かに声をかけてきた。

「取引をしませんか?」


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