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俺って土魔法の才能あるの!?  作者: シロシロ
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12.森の異変


 予定通り1月ほどでナレンダ師匠が返ってきた。

 荷物はそれほど多くはなかったが、身長よりも大きな槍を持っていた。

 体術の方が得意だが、槍術も使えるようだ。


 リーリン師匠とナレンダ師匠が話し合い、午前はリーリン師匠、午後はナレンダ師匠が担当し、能力値が偏らないよう成果を見ながら訓練を見直していく方針で決まったようだ。

 また、実戦にも慣れるため週1回は森に入って魔物を倒す日を設けることにした。

 ナレンダ師匠は意外に料理も上手で、リーリン師匠とサキと3人交代して、時には一緒に料理を作っていたが、俺はナレンダ師匠が作る料理の中で大好物を見つけた。

 それはカレー風味のから揚げだった。

 この世界にカレー粉があり、から揚げもあるのだ。

 いつか世界を旅して、カレーライスとしょうゆ味のから揚げを探してみたい。


 ナレンダ師匠と一緒に住むようになってから、3カ月ほど修行を続けたら、俺とサキはそれぞれ7歳と11歳になった。

 この国では1月1日に皆一斉に歳をとる。

 今日までの修行でかなり強くなったと思う。


<名前> パドラ

<年齢> 7歳

<生命> 65/65

<体力> 70/70

<魔力> 80/80

<腕力> 12

<敏捷> 14

<器用> 10

<耐久> 12

<思考> 22

<武技> -

<魔法> 土魔法4、水魔法2、風魔法2、生命魔法3

<特殊> 健康体3


<名前> サキ

<年齢> 11歳

<生命> 60/60

<体力> 100/100

<魔力> 30/30

<腕力> 25

<敏捷> 31

<器用> 21

<耐久> 24

<思考> 18


<武技> 体術4

<魔法> 風魔法1

<特殊> 隠密2


 サキが風魔法を覚えた。

 最初は土魔法を覚えようと意識していたようだが、魔物との実戦を何度かこなしているうちに自然と覚えていたようだ。

 空気や風の動きから魔物の気配を感じようとしているからではないかとリーリン師匠は言っていた。

 ついでに隠密も上がっていたが、サキは身軽に動いて、魔物の資格から攻撃するスタイルだから隠密が上がるとより強くなる。

 成長期が続いて能力値は相変わらず爆上がりだ。

 敏捷値はすでにリーリン師匠を越えたと言っていたが、リーリン師匠の能力値こそ思いっきり偏っていそうだ。


 1月1日は鑑定だけして、訓練は休みになった。

 このところ、定期的な森での実戦で肉のストックも多く、野菜も生命魔法のおかげで冬でも育つので、食べ物にも困らない。

 何も問題がなさそうに思えるが、リーリン師匠が困った顔をしていた。

「あちゃー、薬草がなくなってら。もうすぐ納税しなきゃいけないのに忘れてた」

 領主に対して年1回税金を納める必要があるが、今年は冒険者活動をほとんどしていなかったので、物品納入を選択していたらしい。

 一番効率がいいのが薬草なんだそうだ。

 今から貨幣納入に切り替えても大丈夫なようだが、訓練にもなるからと今日から森に入って薬草採取をすることにした。


 森には何か所か薬草が群生している場所があり、そこを順番回ることになった。

 いつも狩りをする方向とは逆だった。

「こっちの方にはあまりお肉がおいしい魔物はいないんだ。どちらかというと爬虫類とかに近い魔物ばかり出るんだよ」

 あまり食材にはならないようだ。その代わり素材の売却額は高いものも多く、お金を稼ぐことはできるらしい。


 最初の群生地では、異変が起きていた。

 薬草が引っこ抜かれ、残ったものもほとんど枯れてしまっていた。

 何やら魔物が食い散らかした感じだ。

「あれま。やられちゃったな。パドラ、土魔法で掘り返して土の入替しといて。あとで薬草の種か株を持ってきて植えるからそん時は生命魔法おねがい」

「わかりました。でも師匠は何で土魔法を覚えないんですか?普通に使えてもおかしくないと思うのですが」

 今まで気になったことをこの際だから聞いてみた。

「うふふっ。私のようないい女には、土まみれなんて似合わないでしょ?」

 と冗談を真顔で言ってきたので、スルーすることにした。


 次の群生地に向かう途中、魔物に襲われた。

 バッタのような外見をしているが、触覚の代わりに角があった。

「ホーングラスホッパーよ。火に弱いから私がやっつけるよ。ファイア!」

 いきなり魔物の顔に炎をぶつけて炎上させた。

 慌てて逃げ惑う敵に対して、ナレンダ師匠が槍を一閃して片づけた。

 やっぱり二人は強いな。今の魔物は俺とサキだったらたぶん倒しきれなかっただろう。

 火力もスピードもまだまだ足りない。


 次の群生地に着くと、そこも食い荒らされた後であった。

「うーん。まずいわね。パドラ、とりあえず同じようにお願い。端っこにまだ薬草がいくつか残っているから、土を入れ替えたら、その薬草の種や株を植えて、育てましょう」

 早速、土魔法で土を動かすと、地面が大きく盛り上がり、魔物が姿を現した。

「アーススネーク!何でこんなところに。ちょっと厄介だよ。土魔法は聞かないから、火と水で対応するよ。ナレンダ槍でけん制頼める?」

「わかった。できるだけこちらにヘイトを集めよう」

 ナレンダ師匠も、リーリン師匠も戦い方がわかっているのだろう。落ち着いて対処を始める。

 ナレンダ師匠の槍さばきは見事で、いなしたリ、突いたりしながら、アーススネークに攻撃を続けさせないでいる。

「この子土の中にもぐってたから、寒がりみたいね。やっぱり作戦変更、水と風で攻撃するよ。ダイヤモンドダスト!」

 アーススネークの体全体を包み込むように細かな氷の粒が発生し、急速に周りの温度を下げ始める。

 アーススネークは寒さで動きがままならないようで、必死に地面にもぐろうとするが、ナレンダが槍で邪魔をする。

「サキちゃん、ナイフでアーススネークの頭からしっぽまでの皮に切り込みを入れてみて。死んだときに皮がはがしやすくなるから。パドラは風と水魔法で温度低下を促進させて」

 しばらくするとアーススネークは力尽きて、ゆっくりと崩れ落ちた。

 ナレンダが槍を一閃して首を落とし、とどめを刺した。

「アーススネークの皮、肉、内臓、牙どれも高く売れるから、ちょっと大変だけど持って帰ろう。パドラはこの薬草の群生地を回復させるために、薬草の種をまいて、しっかり生命魔法掛けて育てておいて。しばらく毎日群生地見に来るから、アーススネークの素材も何回かに分けて持ち運ぼう」


 その後、何日かかけて、他の薬草の群生地を見回り、荒らされていたら、土魔法と生命魔法をしっかりかけて群生地を維持するようにした。

 薬草群生地の見回り、薬草の管理はは、俺の仕事として任されるようになり、薬草の調合も教えてもらって生命魔法と薬草知識と両方が使えるようになった。

 成長して強くなってからは、俺とサキの二人だけで群生地を回ることができるようになった。


 そして、リーリン師匠の別荘で生活して、4回目の誕生日を迎え、俺は10歳、サキは14歳になった。



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