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響く海 (旧題;見知らぬ兄と1ヶ月)  作者: 揚羽もちよ
18/49

中枢にて

部屋から出た三人は50m程歩いてからやっとため息をつく。


「ああ……本当に亡くなってもコレか……」

「まあね、お父様にとっては天敵というか仇敵というか……多分世界で一番嫌いなヒトだし」


次男の呆れた声に長女がこたえる。


「一番のお気に入りが盗られたと思ってるからな……まあ俺としてはアイツが出てってホッとしてるけど」


長男の軽い一言に下二人は軽蔑の眼差しを送る。


「後継者争いしなくて済んだとか兄さんもねちっこいね」

「うるさい。アイツがいる間どれだけ長男のくせにって陰口叩かれたか。お前らも含めてな」

「それは私もなんだけどな……」

「私は下だから特に」

「……」

「……」


この三人も仕事中はしっかりしているがプライベートでは子供の頃のまま軽口を言い合う仲である。

長男クロヴィス、次男ルキウス、三男テセウス、長女ミリーナ、次女エイダ……の順で生まれた。

三男テセウスは独立し、次女エイダは子会社の社長の妻となり今は子育てに奮闘していて不在である。

母は何年も前に亡くなり、父ゴードンはまだまだ元気そうである。


「昔はあそこまでじゃなかったんだけどな。歳かな」

「ちょっと、聞こえたらどうするのよ」

「面と向かって言われなきゃ自覚はおありだから……」


多分。と長男は付け足す。

元三男嫁が関わってこなければここまで酷くはない。もちろんいつでも怖いが。

大きな子どもがいるのに未だに怒れる父親の前では子羊のように震える三人はゲンナリとして実家を後にしようとする。

三男夫婦さえ。と思ったことが無いわけではないが、さすがに孫まで酷く邪険に扱おうとする父親にはウンザリしていた。


(犬猿の仲の男の娘に惚れるテセウスもテセウスだが)


長年の諍いの火種を持ってきた三男にも、兄妹はウンザリしていた。

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