―冒険者ギルド―
サブタイ思いつかないです。若干説明回
しばらく歩いて街へ到着した後、門番に引き留められた。
「ずいぶんみすぼらしい恰好をしているが山賊にでも襲われたか?」と聞かれたので、正直に答える。
すると彼は驚いた表情をして、俺達を中に入れてくれた。
なんでも最近、近くの村が盗賊団に襲われたらしい。
それで生き残った人達がこの街に逃げ込み、助けを求めたそうだ。
その話を聞いた時、俺は何とも言えない気持ちになっていた。
だってそうだろう? 盗賊に殺されたのは俺の両親だし、逃げ延びて来た連中は俺の友達だったからだ。それを思うと胸が痛くなる。
俺が暗い顔をしている事に気づいたのだろうか、脳内に彼女の声が聞こえてくる。
『つらいだろうが今は自分の心配をしろ、お前は自分を証明するものすら持っていないんだぞ』
その通りなので切り替えて門番の人に聞いてみた。
「この街に身分証のようなものを作れるような所はありますか?あいにく今は身の上すら怪しい身なので早急に証明できるものが欲しいのですが…」
「それなら冒険者ギルドに行ってみるといい。ギルドカードがあれば問題ないだろう。あそこの受付嬢は温和で有名だからな、きっと優しく対応してくれるはずだ」
俺はお礼を言った後、早速向かうことにした。ちなみに刃が出た状態の剣を手に持ったままは目立つので鞘に入れてから腰に差しておく事にする。
そして街中を歩いていると、色々な事が分かってきた。
まず驚いたのが、建物などの造りが日本とは違う事だった。
レンガのような物で作られた家もあれば木造の家もあり、しかもそれらが無数にある。
それだけでも驚きなのに、他にも違う点があった。
それは獣人やエルフといった人種がいる事だった。
これは俺の想像していた異世界とは大きくかけ離れていたので、驚いた。
だけど考えてみれば当然の事だった、ここは剣と魔法の世界であり、ゲームや漫画に出てくるようなファンタジー世界そのものなのである。
そんな事を考えながらしばらく歩いていくと、目的地に着いた。
――ここが冒険者ギルド……。
看板にはそう書かれており、建物の前は意外と広く、十数人の冒険者達がいた。
何人か明らかに雰囲気が違うような人が居たが…。
俺は意を決して中に入る。
すると正面にはカウンターがあり、ちょうど人が並んでなく、女性が一人座っていた。
年齢は20代前半くらいだろうか? 青い髪を後ろで束ねており、眼鏡をかけた優しそうな人だった。そんな彼女は入ってきた俺を見て、笑顔を浮かべる。
「こんにちは! 今日はどのようなご用件でしょうか?」
「あの……実は身分証のようなものを作りたいんですが……お願いできますか?」
俺は自分がなぜこんな格好をしているかや、身分証が無い理由を話した。
彼女は大体理解したかのようにうなずき、そして微笑んでくれる。
「分かりました、ですが嘘ではないと確認のため、こちらの水晶に手をかざしながら先程の理由もう一度お話しください」言われるままに水晶に右手をかざすと、何かが体に流れ込んでくる感覚を覚える。
すると目の前にウィンドウが表示され、こう書かれていた。
―貴方は犯罪歴がありません― ―ステータスを確認してください― 俺は指示通りに自分の名前と年齢を入力して、確認ボタンを押した。
その後、表示された画面を彼女に見せると、彼女は納得したようにうなずいた。
どうやらこれで大丈夫らしい。
俺はほっと一安心した後、本題に入った。
ここで冒険者として登録したい旨を告げ、ついでに登録料も払う。
この金はあの男達の死体からくすねた金だが持ち主は死亡しているし報復代わりのものだと思ってほしい。
「はい、確かに受け取りました。では改めて説明しますね」
そう言いながら、彼女は書類を取り出して仕事モードになる。
「ようこそ冒険者ギルドへ、私はこのギルドの受付を務めております、ミリアナ・エルクと申します。以後よろしくお願いいたしますね」
ちなみにこの世界の文字については、頭に入ってくると同時に理解できたので問題なく読み書きができた。
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
「では最初に、この世界では基本的に魔物を倒して生計を立てる事になります。もちろんそれ以外でも可能ではありますが、そちらは危険を伴いますのであまりお勧めは致しません。また、依頼はあちらの掲示板に張り出されていますので、気に入ったものがあればお受け下さい。なお、報酬は倒した魔核や素材などで支払われますので、お忘れなきようお気を付けください。
次に、ランクについての説明に入ります。冒険者にはF~Sまで存在し、基本的には下から順にF、E、D、C、B、A、Sとなります。ただし例外としてA以上になると数字が1つずつ増えていきます。つまりはSSが最高ランクですね。」
なるほど、AとSの間にAAがあり、Sの次にSSがあるわけだ。
「ちなみにSSランクの方は今現在世界に5人しか存在しませんので実質Sが最高ランクですね」
「えっ? 5人だけなんですか?」
SSランクがたった5人と聞いて驚いた。
Sでさえも少ないと思っていたのにそれ以上となると、本当に極わずかしかいないようだ。
まぁでも考えてみればそれもそうかもしれないな……。
そもそもの話、魔法が使える人間がどれだけいるのか分からないからな。少なくとも俺の住んでいた村には魔法使いなんて居なかったし、その可能性は高いと思う。
「はい、その通りです。理由は色々あるのですが、その話はまたの機会にいたしましょう。他に質問はございますか?」
「いえ、特には……」
「そうですか、それでは最後にこちらのプレートをお渡しいたします。これは身分証にもなりますので、無くさないようにしてください。もし紛失した場合、再発行にお金がかかりますのでくれぐれも気を付けてください。それと依頼を受けた際はこのプレートを必ず提示してください。これがない場合はたとえ本人が認めていても受ける事は出来かねますので、予めご了承願います。以上で説明は終わりです。何か質問はありますか?」
「いえ、大丈夫です」「そうですか。では良い冒険者ライフを!」
こうして俺の冒険者登録が終わった。
主人公の名前どうしようかな……。