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目覚め――そして――

初めまして、あきんどと申します。

この小説は練習作品かつ不定期更新となっております。

※作者は小説を全く書いたことがなく設定等に矛盾が生じることがあります。

俺はトラックにはねられて死んだ。



そう気が付いたのは、もう俺が転生してから10年も経ってしまった時だった。


どうやら俺は前世で交通事故に遭い死んでしまったらしい。


だがしかし、神様とかいう奴が現れてこう言ったのだ。


――お前を別の世界へ転生させてやろう! とな。


最初は何かの冗談かと思ったよ。だってそうだろ? 自分が死ぬ間際に、いきなりそんな事を言われても信じれるわけがないじゃないか。


でもまあ、異世界なんてものがあるなら行ってみたいとは思ったさ。

だから俺はその話に乗ったんだ。


それからは本当に大変だった。


赤ん坊から人生をやり直したわけだし、言葉を覚えなきゃいけなかったし……それにこの世界の常識ってもんを身に着けるのにも苦労した。幸いなことに俺の転生した体は物覚えが良かったらしく、ある程度は簡単に理解できたんだけどな。


それと魔法がある世界に生まれて嬉しかったな。


これでチート能力の一つもあれば完璧だと思ってたんだが、残念ながらそういうものは貰えなかった。


その代わりと言っては何だけど、スキルという特別な力を手に入れる事ができた。これは努力すればするほど強くなるというものらしい。


まぁそれでも、俺は普通の人間より少しだけ魔力が多いだけの平凡な男なんだが……。


そんなこんなで10年間を過ごしてきたわけだが、ある日突然両親が殺されてしまった。


そして何故か俺は、そいつらの奴隷として売られる事になってしまった。


正直言って、急すぎて頭が追い付かなかったが、奴隷商の会話から推測できた。


俺の村は大規模な野盗に襲撃されてしまったらしい。


奴隷商に連れられてきた場所は、薄暗い地下室のような場所だった。


そこで待っていたのは三人の男達で、全員が俺を見て下品な笑みを浮かべていた。


そこから先は地獄だったよ。

毎日のように殴られ蹴られ……食事すらまともに与えてもらえない日々が続いた。


そこからの生活はただ生きる為に必死になった。


それで生きていくうちに分かった事がある。それは、俺を買った連中がクズだが爵位を持った貴族だという事だ。


そんなある日の事だ。


いつも通り地下牢みたいな場所に放り込まれた後、一人の男が部屋に入って来た。


年齢は30代くらいだろうか?


背が高く整った顔立ちをしているが、目つきが悪くどこか不気味さを感じる男だった。


男は俺を見るとニヤリと笑い、こちらへと近づいてくる。


何をされるのか分からず恐怖を感じたが、逃げる事はできなかった。


鎖で繋がれているうえに両足は折れていて歩けず、逃げ出す事もできない状態だったからだ。


「ほぅ……まだ生きていたのか? 存外しぶといガキだな」そう呟いた男は、持っていたナイフを使って俺の腕にある刺青をなぞった。

その時感じたのは痛みではなく熱さで、自分の体が燃え上がるような感覚に襲われた。


「もうこいつは用済みだ、ついでに処理してしまうか…」


男の言葉は痛みによって上手く聞き取れなかったが、かろうじて『処理』という単語が聞き取れた。


だが、傷の痛みはそれどころではなく、まるで体の中に炎が入り込んできて暴れまわっているかのような感覚に襲われ、気が付けば全身が焼けるように熱い。


「うっ……ぐあっ……」


あまりの激痛に耐えきれず声を上げてしまう。


すると男は歪んだ笑顔で、吐き捨てるように言った。


「せめて断末魔ぐらいはいい声で鳴いてみろ」


そして男は腰に差していた剣を振りかぶり――


なるほど、どうやら俺は2度目の死を迎えるらしい。

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