向かいだき
気温2度の寒い夜。風呂を沸かそうと操作パネルを見ると、奇妙なボタンが出現していた。
「向かいだき.......?」
代わりに、追いだきのボタンは消えている。しかし、男は昼間の雪ですっかり体が冷えてしまっていた。
「とりあえず押してみるか」
十分後、風呂を見に行くと無事温まっていた。体を洗い、浴槽に浸かる。
「なぁんだ、何もなかったじゃないか。やっぱり気のせいだったに違いない」
暫く温まっていられることに安堵した男はそのままうたた寝してしまった。
その後十分の間に風呂の温度は2度まで低下。男は風邪を引いた。