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第八話 絶望のドアを叩く音

「お前はやはり危険だ……ここで殺す!!」


「おいおい……ヒーローがそんな言葉遣いは……っグホォ!!!!!」


 正斗がもぎ取ったロックの腕から炎が噴射し、正斗に向かって襲いかかる。予期しなかった攻撃が正斗の顔に当たり数メートルほど吹き飛び壁にぶつかる。壁には小さなくぼみができ、正斗からは骨がミシミシと軋む音が聞こえる。


「ガ……ハァッッ!!」


 正斗を攻撃した腕はロックの元へと戻り何もなかったかのようにちぎれた肩の部分と連結をする。


「もう動こうとはするな。ここでお前は終わりだ」


 腕の連結した部分を手でカチャカチャといじりながらロックはゆっくりと正斗に近づき、正斗の首を持ってぐっと高くあげる。


「グ……クソ……がっ!!」


「なぜヒーローを狙う、なぜヒーローを殺す? お前は何がしたいんだ?」


 首を掴むロックの腕を必死に正斗が解こうとするがロックの腕が動く気配はなく、ただロックの質問が淡々とその場に流れていく。


「言葉もわからなくなったのか?」


「はっ……くたばれクソが………」


 ーーなんで父さんを狙うんだ!! なんで母さんを狙うんだ!! 


 ロックの言葉を聞いて、正斗が思い返すのはまだ幼い頃の胸糞悪い記憶……それは家族の終わり、そして正斗の始まりの記憶でもあったーー


====================================


ーー13年前


「ねえ父さん!! 俺も大きくなったら父さんみたいな人になりたい!! 悪者なんて全員捕まえてやるんだ!!」


「はははっ。それは楽しみだなぁ」


「この街が平和になるわねぇ」


 そこには、決して裕福とは言えないが、仲睦まじく笑い合って将来の夢を語りながら食卓を囲む家族の姿があった。


「正斗がなるなら俺たちも一緒にやるよ!!」


「正斗だけだったら心配だしなー」


 優しい父、優しい母、大好きな兄弟。全てが揃っていた。全てがここにあった。


「じゃあお前たちがヒーローとして有名になったら俺はそのお父さんって事になるんだな」


「そうねぇ。有名になったら新しい家に引っ越しましょう」


「俺が新しい家建てる!!」


「正斗だけじゃ無理だろ。俺たち3人で、だ!!」


 兄弟達もこの家が裕福ではないことに気づいていた。父と母を見て、兄弟は将来2人のために、2人を助ける事を決めていた。親思いの優しい子供、それが昔の正斗だった。

 父は警察。ヒーローという職業があるこのご時世、警察はあまり頼られてはおらず、給料も大した額は出ない。だが父はこの仕事に誇りを持って、そんな父を兄弟は誇りに思っていた。

 そしてその日全てがーー


ピーンポーン


「俺が出るよ!!」


 インターホンが鳴り、それに正斗が走って玄関まで行きドアを開ける。


「はーい」


ガチャ………


 ドアを開けた前には、


「ヒーロー本部の者だ」


 ヒーローの仮面を被った悪役が立っていた。


 その日全てがーーーーーーーーーーーーー

ーー崩壊した。


キャラ図鑑No.6、7

蓮斗、叶斗

共に享年8歳

好きなものは家族とヒーロー

嫌いなものは悪者

家族思いで正斗にもとても優しかった双子の兄。蓮斗は運動神経が良く、叶斗は頭が良かった。

お読みいただきありがとうございます。不定期です。

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