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第七話お前は人間か?

「んー……次は誰を狙おうか………」


 東京都の地下で、正斗は次に狙うヒーローを考えていた。


「やっぱり特任狙うか………」


 正斗は自分の存在を世間に知らしめるために、より知名度の高いヒーローを殺したかった。特任ヒーローは絶大な人気を誇り、メディアへの露出も多いため充分な宣伝効果になる。


「特任だったらまずは誰行こうか……」


 特任ヒーローは全員で8人。

 ボクシング元全世界の覇者、今年73歳のグランシルバー

 古くから由緒正しい血筋を持つ最後の侍、スラッシュ

 並外れた動体視力を持ち世間では可愛いと言う声も多いキューリット

 ヒーロー検定で前代未聞の数値を叩き出したガッツ

 忍者に憧れ、忍者の技を磨き、忍者として生きているハンゾウ

 植物を操る能力を生まれた時から持ち、植物の女神と呼ばれるアース

 体がサイボーグでめったに姿を現すことがないロック

 体が病弱だがヒーロー最強の呼び声が高いキング

 この8人が特任ヒーローだ。


「やっぱ狙うならキューリットかな……」


 そんな事を呟きながら正斗は頭をボリボリとかいている。


「うーん……めんどくせーなぁ……」


 正斗がそんな事を言いながらぼーっとしていると横の壁が勢いよく破壊される。


「っ!! なんだ?」


 すぐに戦闘態勢に入り正斗は構える。壊された穴から出てきたのは……


「お前がヒーロー殺しか……?」


 おもむろに見える体の構造、そしてこちらに向ける腕、間違いない、特任のロックだ。


「お、そっちから来てくれたのか!! ラッキーラッキー。探す手間省けたわ」


 正人が横に置いていたメリケンサックをつけて構える。


「それには同意だ。すぐに見つかってよかった。だが見た限り殺すのに時間はかからなさそうだ」


 見え見えの挑発、だが正斗は受けてやらんとばかりにロックに突っ込んでいく。


「単純だな。終わりだ」


ファイアブロウ!!


 ロックの拳から炎が吹き出し、ものすごい勢いで正斗顔目掛けて殴りかかる。だが元々攻撃されるつもりで動いている正斗は軽くかわす。


「単純なのはお前だろーが!!」


 正斗は攻撃を避けた流れでロックにカウンターを打ち込むが、ロックの顔は硬く、攻撃が通じない。


「かってぇ!!!」


 なんとでもないようにロックは正斗を睨みつけもう一度正斗の横腹目掛けて攻撃を放つ。


「あっぶね!!」


 咄嗟のところで後ろにバク転で避ける。


「ふう。お前肩すぎだろ」


 殴った正斗の手の方がヒリヒリしてダメージを受けているように見える。


「お前が俺に勝つことはない。諦めて死ね」


 ロックは腕を構えピュンと細い光線を正斗の向かって放つ。


「うおっと!!」


 危機一髪のところで正斗は攻撃を交わす。


「面倒だな」


「面倒で…………悪かった……なっ!!!」


 正斗は床に転がっている壁の破片を足で蹴り上げ、それをロックに向かって思いっきり蹴り飛ばす。


「そんなものは効かない」


 ロックの腕から盾のようなものが現れロックはそれで身を守る。ロックは盾から顔を出し正斗の事を視認しようとするが正斗の姿が見当たらない。


「どこだ!?」


「ここだよ」


 ロックの真横に回り込んだ正斗からの強烈な回し蹴りが横腹に入る。


「くっ!!」


 体制がふらつき倒れそうになるロックに追い討ちの攻撃を仕掛けようとする。


「じゃあなヒーロー」


 攻撃を仕掛けようとしたその時、ロックの肩から小さな針のようなものが飛び出て正斗に刺さる。


「ぐぅぅぅ!!」


 正斗は驚いてロックから距離を取るが体が痺れたように動かない。


「神経毒だ。ゾウでも3秒で動けなくなる」


 肩をパンパンとはらいながらロックはスクリと立ち上がる。


「くそがっ!!」


「じゃあなクズが」


 そう言ってさっきよりも太く勢いのある光線が正斗に向かって放たれる。


ドォォン!!


 ものすごい破壊音と共に部屋がガラガラと崩れ始める。


「俺だ。ああ。終わったぞ」


 後ろを振り向き帰ろうとするロックの左腕が音を立ててちぎれる。


「!?」


「一本目ぇ………」


 ロックが慌てて振り返るとロックの腕を持って笑って立っている正斗の姿があった。攻撃を避け、ロックの腕をえぐりとったのだ。


「ゾウでも動けない毒だぞ?」


 ロックの腕を投げ捨てながら正斗は話す。


「さあな。知らねえよ。俺がゾウより強えんじゃねえのか?」


 頭に瓦礫がぶつかったのか頭から血を流して立っている正斗の姿に少しロックは恐怖を覚えた。


「お前は......人間か?」


 ロックは恐る恐る正斗に尋ねる。


「俺か? 俺はな………救世主さ」


 そう言いながら正斗はニタリと微笑んだ。


お読みいただきありがとうございます。評価が高ければまた投稿します。

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