第四話血塗られた瞳の奥に
「おいおい、ヒーロが2対1でやっていいのか? あっそうか、大人数で1人を痛めつけるのが好きなのがヒーローだったな!!」
「お前、もう喋らなくていいぞ」
ドォォン!!
巨大な音とともに黄色いイナズマが少し見えた。
「かぁっ!! 電気かっ!!」
正斗の体が痺れる。
「まだ立っていられるのか。タフなやつだな」
「へっ、、、お前らの事は知ってるからな、、、対策はできるぜ」
「なに? 知っているのか、、、?」
「知ってるも何もお前らの情報は筒抜けだろ!? ヒーロー ライジン。ものすごい速度の蹴りで相手を蹴り倒しその相手を電気で痺れさせる。その隣にいるのはヒーロー プロレス。必殺技は殺人首切りチョップだったっけか?」
「こいつ、、、下調べを!!」
「お前らだけじゃねぇよ。お前らを殺すためにお前ら全員を覚えた!! 役員も、幹部も、全員な!!」
「こいつ、、、頭がおかしいのか、、!?」
2人は目の前にいるのがただの人間だと頭ではわかりつつも、電気の痺れも効かず、狂気で歪んだ目をする正斗を人間だとは思えなかった。
「狂ってるように見えるか!? ちげーよ。人はみんな、元々狂ってんだよ」
正斗が横の壁につたっていた鉄パイプを引きちぎる。
「うん、使いやすそうだな、、、2人同時にこいよっ!! お前らまとめて殺してやるよ!!」
「くっ、、、行くしかないな、、、行くぞプロレス!!」
「わかってる!!」
正斗はしごく冷静だった。向かってくる2人を丁寧にさばきそして距離を取り一方的に攻撃をしている。
「こいつっ!! 2人で行ってるのになぜ攻撃があたらん!!」
「くそっ!! 必殺、首切り!!」
「おせぇな、、、」
プロレスがチョップを打とうと振りかざした手は気がつくとあり得ない方向に曲がっていた。
「えっ? 、、、うわぁぁぁぁ!! な、何をするんだ!!」
「何するんだってお前が俺を攻撃しようとするから正当防衛しただけだろ?」
「屁理屈を、言うなっ!!」
「おっと、お前の蹴りももう見切ったぞ」
「くそがっ!!」
「ていうかお前らは人を殺しても英雄扱いされるのになんで俺はダメなんだ?」
「俺たちは正義だっ!! だから悪を倒す!!」
「そっかそっか、、、じゃあ、、正義ってなんだ?」
そう質問をする正斗の目はどす黒く血塗られていたが、どこか寂しそうな色をしていた。
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