建国神話のあらすじ
英雄となった青年は、自身のように迫害を受ける黒髪の人々のため、国を創ることにした。
少女と共に旅に出た青年はまず仲間を集めた。
一人は小柄であるほうが優秀とされる一族に生まれながら青年よりも背が高く出来損ないと言われてきた人間の女性。
一人は生来の巨体にそぐわぬ優しい心を持ちながら『一つ目の怪物』と蔑まれた亜人族の巨人。
一人は醜悪な外見ゆえに濡れ衣を着せられて以来兜で顔を隠すようになった獣人族の武人。
仲間たちは誰もが世間から爪弾きにされた者で、だからこそ生まれながらの不遇に立ち向かう青年に惹かれた。
青年は、次に土地を探した。
その途中で宿敵である亡国の王子と死闘を繰り広げ、魔の手に堕ちていた王子の故郷を共に奪還し、宿敵の関係を超えた盟友となった。
いつしか青年の周りには青年を支持する者で溢れ、ついに理想の土地を見つけた青年はそこに国を興した。
青年は王に、少女は王妃に、仲間たちは家臣になった。
魔族に似ているからと忌避される黒髪の人々が平和に暮らせる場所は、こうして創り出された。
しかし、青年の戦いはまだ終わらない。
各地で異常なほどの数の魔族が現れるようになり、世界は再び混乱に陥ったのだ。