ニイ
この世界を牛耳ってる...もといこの世界の頂点は魔王陛下でその魔王陛下は最強の生物だ。
あ、魔王陛下って言ってるけど魔王じゃないよ。
渾名と言う、魔王の様に怖い存在だと言う事だ。
その魔王陛下の住まわす本殿には後宮なんかも隣接しており、美女で溢れ返ってる。
連日アハハウフフまでは行かないけれど、精力が有り余る魔王陛下は毎日お盛んらしい。
下々のオバちゃんがキャーキャー言って盛り上がってるのを片耳聞いただけだけど、どうもアッチの方が凄過ぎるらしい。
だけど、魔王陛下には未だに正妃様は居ない。
だからか後宮の争い事が絶えなく、正妃の椅子の取り合いが凄まじい。
さっさと正妃様を決めれば良いのに、魔王陛下のお心は、どの御方も射止めてないらしい。
どんな世の中でも強い男に惹かれるのは雌としての本能なのか、モテモテだとオバチャンが頬を染め呟いてた。
そう魔王陛下は強い上に、その容姿はこの世のモノと思えない程とても美しいらしい。
まぁ、見た事も無い私だから例えようが無いけどね。
この世界では強いもの程美しく人外離れしてる。
例に漏れず幼馴染の二人も容姿は整ってる(性格は最悪だけど)
美しいモノには刺があると言う様に、美しいモノ程、その性質は残忍極まりないと、私は思う。
だから魔王陛下など冷酷で残酷残忍だと誰もが認識している。
血塗ろの逸話など数多くあるし、現在も粛正やら排除したり重刑もあったりする。
魔王陛下には数え切れない程の兄妹が居た。
魔王陛下が皇子だった頃、上には三人の兄が居た。
三番目の皇子だった魔王陛下だけど、王位継承権は低かった。
魔王陛下の母親が踊り子で、身分が低かったのが原因だけど、それはそれは壮絶な幼少期を過ごされた。
だけど容姿は頗る良かった。
踊り子の母親に似たのか繊細な作りのお顔は見る者を魅了して止まなく石に変えるなんて噂まで流れたなぁ
まぁ、それ程凄まじい美貌の持ち主だと言う事だ。
その魔王陛下が即位する事はまず無かった。
だけど、魔王陛下は兄弟を退け、手に掛け、頂点を手に入れた。
兄弟同士で血塗ろの闘いをしたのだ。
でも、私は今の魔王陛下になって良かったと思ってる。
殺し合いを推奨するとかじゃなく、当時のこの世界は闘いが絶えず常にギスギスしてた。
今の様な世の中じゃ無かったと聞く。私は産まれて無かったから分からないけれど、昔の人は語る。暗黒時代だったと。
誰もが疑心暗鬼。
腐りきった王宮が変わったのは魔王陛下が即位してから。
すると周りの態度も180度変わり、媚び諂う様になったと聞いた。
少し仲が良いメイド長...当時を知る貴重な人材からのお言葉だから間違いないと思う。
魔王陛下とは悲しく、寂しい生き物だと思う。
頂点を手に入れ、あんなに沢山の美女達を従えてるのに、その御心は誰も入り込めない。
それは大広間に飾られてる一枚の小さなタペストリーが物語る。
大事そうに飾られてるのは心が空っぽの王様の絵
誰が書いたかわからないけど、魔王陛下は時折寂しそうにそれを眺めてると言う噂だ。
まぁ噂は噂だから全てを鵜呑みにはしないけど。
私は早く魔王陛下の唯一無二の存在を見付けて欲しいと願う。
そして出来ればこの平和な世界の維持を希望する!!!
私とは縁が無い人種で、一生お目見えする事も無いだろうけど。
その魔王陛下には一匹の聖獣様が寄り添って居る。
その事は誰もが知る事実だ。
言葉を喋る聖獣様。
見た事も無いけど、美しい毛並みだと思う。
モフモフ最高...。
唯一、魔王陛下に対抗出来るのが聖獣様で、この世界で唯一無二の存在で、私の様な底辺の人種からしたら雲の上の存在。
それが聖獣様。一度でいいから見てみたい!そのモフモフを!いや、モフモフとは限らないけど、願わくばモフモフであって欲しい。
何が言いたいかと言うと、聖獣様とまでは行かないけれど、私の夢は優しい旦那様に可愛い子供、そしてモフモフの毛並み!!!
小さな家で良いから何時か叶えたい夢だ。
小さな家庭菜園で野菜を育て、庭で子供とはしゃぐワンコ。
ああ最高ではないか!
先ずは旦那様をと思い、王都に帰ってからも婚活に勤しむ私だけど、どうしてだか上手くいかない。
恋のキューピットに頼み、セッティングして貰っても当日キャンセルされるとか、上手く出会っても断られる。
それならば市場で良さそうな好青年をピックアップして、お使いを頼まれるがてら仲良くなって...と言うのを試したけれど、最初は好感触だったが、三日も経たず逃げられる様になる。
パン屋のジルも防具屋のクリスも装飾屋のハットも駄目だった。
私は意気消沈して今日を過ごす。
今日は薬草職人のマットと約束してたのに何故か逃げられた。
深森で薬草集めデートしようと約束してたのに待てども待てどもマットは来なかった。
仕方がないから私は一人寂しく薬草でも集める。
寮のキッチンは狭いけれど自炊も出来るのだ。
薬草はお肉の香り付けに丁度いい。
私はブチブチと草を抜きながら独り言を呟く。
「何で来ないんだよ...」
「私が何した?何したっけ?何もしてないよね?てか、この草...抜けっ...ないっ!!!」
しぶとい草をグイグイ引っ張りながらフーフーと息を吐き出す
全戦連敗のこの状況。
一体どうしろと?私はただ結婚したいだけなんだけど。
呪われてるのか?
この世界にも呪いなんて物騒なモノが有るけど一度見てもらった方が良いのかも知れない。
なんて考えながら草を引っこ抜いた瞬間、後ろの茂みがガサッと音を鳴らす。
この場合、猛獣なんかが飛び出すけれど、此処は王都の深森。予め王都の精鋭部隊が一掃してて危ない事は一度も無い。
何度も薬草集めに来た事が有るけどそんな事一度も無かった。
だからおそらく草食動物だろう。
兎やリスに似た生き物だったら良いなぁ、など考えてた私の目に飛び込んで来たのは真っ白な毛並みをした小さな犬だった。
まさかのまさか、その子犬が魔王陛下の唯一無二の聖獣様だと誰が思う!?だから私は勘違いをした。
「ワンコ!?」
リスや兎じゃ無かったけれどその小さな生き物は凄く可愛くてモフモフのフワフワだった。
少し荒い息遣い。
真っ白な毛並みはとても綺麗で、グレンのシルバーの毛並みとは全然違い純白の白だった。
私の姿に子犬は吃驚したのか一歩後退る。
だけど上手く足が動かないのか、縺れ尻餅を着いた子犬はペタリと座り込む。
その後ろ足が真っ赤に色付いてる事に気が付き咄嗟に駆け寄る。
「血が出てる!」
子犬は慌てた様に逃げ出そうとするが足が痛かったのか転んでしまう。
私は極力優しく話し掛ける。
「大丈夫、大丈夫だよ?怖くないよ?何もしないよ?少し傷を見せてくれるだけで良いから、ほぉら、怖くない」
手をソッと近ずけ、頭を優しく撫でる。
「あ、そうだ!!!昼ごはんのお肉!!!」
私は昼食べようと思ってた肉を籠から咄嗟に取り出しソッと子犬に差し出す。
だけど子犬は食べようとしなかった。
私は肉を一口齧りニッコリ笑う。
「ほらぁ、美味しいよ?」
子犬はフンフンと匂いを嗅ぎ恐る恐ると口を開く。
うんうん、血を流したからたんとお食べと頷きながら、チラチラと此方を伺いみる子犬に笑いかける。
私の笑顔に害が無いと悟ったのか、子犬はハグハグと肉を食べていく。
私は今の内にと思い、子犬の足を見る。
丁度怪我に聞く薬草を沢山積んでおり、そのまま使っても効果があると私は薬草を子犬の足に貼り付けハンカチでキュッと縛る。
きっと近くで子犬の母犬が居る事だろう。
見た事も無い種類の犬だけど、この世界に犬に似た生き物は沢山いる。
私は子犬の頭を優しく撫でソッと立ち上がる。
「何があったか知らないけど、無事にお帰りね?」
残りの肉を箱ごと置いてその場を立ち去る。
そんな私の後ろ姿を子犬がジッと見つめてる事に気が付かない。
数日後、その子犬を城で見かける。
後宮の近くで見かけ、大量のポティを入れた籠を抱える私はドサッとその籠を落としてしまう。
料理長に叱られる!!!と急いで拾う私を子犬がポカンと見つめる。
その瞳はとても綺麗な赤い色をしていた。
私はポティを拾い集め、子犬に近寄る。
今度は逃げなかった子犬が見上げて来る。
それが嬉しくてニッコリ笑い、後ろ足に視線を移ししゃがりこむ。
「良かった、アレからどうなったか気になったけど、怪我もちゃんと治ったね」
ソッと頭を撫でると気持ちよさそうに目を細める子犬。
そのまま掌をペロリと舐められ舌を出す子犬は本当に可愛いかった。
「ごめんね、今日はお肉無いの」
すまなそうに謝る私に子犬は小さくキュンと鳴く。
その鳴き声すら愛らしい。
胸がキュンキュンするのをグッと耐え、今度から干し肉でもポケットに忍ばせとこうと思う私だった。
きっと以前あげた肉が美味しかったのだろう。
私に害がないと思ってくれたらそれで良かったけれど、こんなに愛らしい姿を見せられたら欲がムクムクと顔を出す。
小さな頭もフワフワだった。
出来れば身体も撫でてみたいなぁ、なんて考える。
良いかな?良いかな?とソッと手を伸ばす私を子犬は大人しく受け入れてくれた。
柔らかい毛並みは思った以上にサラサラのモフモフだった。
「お前はどこから来たの?」
周りを見渡し、なる程と思う。
後宮とは目と鼻の先。
きっと後宮の中の誰かの子犬なんだろう。
こんなに愛らしく、賢い子だ。
誰かに飼われてても不思議じゃない。
飼われてないなら私が飼いたい程だ!!!
「お前のご主人様はどこかなぁ?」
頭をフリフリしながら可愛らしい声でキャンと鳴く子犬。
「ふふふ、分かった分かった!遊んで欲しいのね?」
でも、残念だけど今はお仕事中だ。
私は子犬の頭をソッと撫で立ち上がる。
「ごめんね、お仕事中なの」
また会ったら、その時遊ぼうねと、笑い踵を返す。
すると寂しかったのか、遊んで欲しいのか袖を咥えクィクィと引っ張られる。
私は眉を下げヘラリと笑う。
「うーん、私ももっと一緒に居たいけど...」
そこまで言って周りをコソッと見渡し内緒話しをする様に子犬の耳に口を寄せる。
「あのね、給師長のオバァが怒ると鬼の様に怖くてね、こぉんな顔になるのよ?きっと鬼人族ね!!!角は見た事無いけどアレは鬼人族も逃げ出しちゃうわ!!!お昼抜かれちゃう!だから...お昼に此処に来るから!ね?」
丸いつぶらな瞳が可愛らしくキョトンと見上げてくる。ポンポンと頭を撫で籠をヨイショと抱え大急ぎで厨房に向かう。
子犬は名残惜しそうにその場に佇む。
結局、給師長には怒られた。
私はあの後フーフー言いながらポティを運び午後の仕事を片付けた。
そして弁当片手に子犬を探した。
可愛い子は直ぐに見つかった。
小さな尻尾が実に可愛らしい。
「ポティを運ぶだけで一体何時間掛かるんですの?だって!!!」
眼鏡を上げる仕草を真似しながらツンッと言い放つと隣から可愛らしい鳴き声が帰って来る。
「まぁ、お昼までは抜かれなかったけどね!ふふふ、美味しい?」
「キャン!!!」
「ああ、可愛い!!!お前は良い子ねぇ!」
昼ごはんは何時も食堂で食べるけど、外で食べるご飯も悪くないと思う私は今日以降こうして外で食べる事になる。
雨の日は中庭にある東屋、晴れの日は風が心地よい中庭でゴザを引いて食べる食事はまた別格だった。
子犬は毎日現れた。
私の居る場所が分かるのか、数分もしない内にその顔を見せるのだ。
そして嬉しそうに尻尾を振り顔中舐めて来るのだ。
日々子犬に癒される私は勝手に名前も決めてしまう。
こうなって来ると止まらず、休みの日にまで会いに行ってしまうのだった。
子犬は日に日に構ってと言う様になった。
凄く慣れてくれたのは嬉しいけれど、飼い主に悪いなと思いながら、私は今日もモフモフを堪能する。
お腹まで見せてくれる様になった子犬は元気いっぱいだ。
足の怪我もスッカリ良くなり、嬉しそうにジャンプする。
そんな姿に、ああ、どうしようと思う。
こんなに可愛い子犬と触れ合い、他の子犬など飼えるだろうか?
私の夢は優しい旦那様と可愛い子供とモフモフの子犬だったけれど、絶対比べる。
うん、絶対比較する。
悪いと思うけど目の前の子犬があまりにも可愛すぎて、どうしようも出来ない。
こうして私の日常は過ぎて行く。
昼は子犬と触れ合い、色んな話しを子犬相手にして、偶に幼馴染二人に嫌がらせされたり呼び出されたりしながら私の日常は変わらない。
ああ、幼馴染二人だけど、やっぱり二人ともとても優秀だったのか、ノーマは王宮の文官に雇用され、グレンは近衛兵に抜擢された。
王宮で偶に会う度に嫌がらせされるとか悪夢の何物でもない!!!
更に最近では休みの日に呼び出される事も屡々。
子犬に癒されながらもなんとか頑張る私は本当に偉い!!!(自分で褒めないと誰も褒めてくれない!)
今日も折角の休みの日なのに、グレンによって潰された。
子犬と触れ合う至福の時を邪魔しにグレンが何処からとも無く現れたのだ。
子犬にお肉をあげて、顔中舐められてた時に凄い勢いでグレンが私の二の腕を掴んできたのだ。
立ち上がらせられ、ちょっと来いと引っ張られる私は痛いって何度も言った。
引っ張らないでとも言った。
だけどグレン聞いちゃいなかった。
「お前、アレはなんだ?」
「え?シロォの事?」
可愛いでしょ?と笑うと思案顔のグレン。
「アレは犬なのか?いや、それにしては...でも...」
ブツブツと何やら呟きながらチラリと私を見つめたグレンが取り敢えず来いと再び二の腕を引っ張る。
おい!!!乙女の二の腕を本人の許可無く触るな!ソコは死活問題なんだぞ!とは言えないけれど、痛いと騒げば手の力を緩めてくれた。
おい、だからと言って何で手首?
二の腕から手首に持ち替えただけだろ!!!
逃げるとでも思ってるのかグレンの手は決して離れなかった。
そして何がしたかったかと言うと、城下を散々歩かせたグレンはそのまま何をするでも無く、私を解放した。
アンタの体力と私のひ弱な体力を一緒にするな!!!と言いたい!
こっちは明日も朝から仕事なんだぞ!しかも大事な休日をただ城下町を歩いただけで終わったとはどう言う事だ!!!
だけど、その日はそれだけじゃなかった。
「ねぇ、ちょっと来てくれない?」
優しく聞いてるのに有無を言わせないその表情。
深夜も深まる頃、突如現れたノーマに私は拉致されたのだった。
お風呂に入り、さぁ寝るぞと、ベットに入った瞬間コンコンとドアがノックされた。
こんな時間に誰だと、ドアを開けたのが間違いだった。
ガシッと二の腕を掴み持たれ、またかよ!とウンザリする私を他所にノーマはズンズン進む。
連れて来られた所は何時もの食堂。
ノーマは何か切羽詰まった雰囲気でチラリ私を見つめる。
「ねぇ、どこ行ってたの?」
突然そう聞かれ、ポカンとノーマを見つめる。
何処ってと考える私にノーマは不機嫌に言い放つ。
「グレンと...」
言いにくそうに、いや、言いたくなさそうに舌打つノーマがギロリ睨みつけて来る。
一体私が何をしたってんだ!!!と嫌な顔をする。
「デートに行ったって本当?」
嫌そうにソッポを向いたノーマがボソッと呟いた言葉を理解するのに数秒かかった。
「え?誰と誰がデート?」
「このグズ!!!お前とグレンがだよ」
舌打ちしながら綺麗な顔を歪めたノーマに私は驚愕する。
私とグレンがデート!?
有り得ない!と手を振る。
もしかして城下町を連れ回された事を言ってるのか?
っとに、何処の誰だ!!!ノーマに嘘を吹き込んだの!!!
「お前が...手を繋いで仲良くデートしてたって聞いて...」
アレは断じてデートじゃ無い...。
まぁ、二の腕は掴まれたけど...手は繋いでない......まぁ、手首は握られたけど。
ああ、手を繋いでる様に見えたんだね。
「僕はお前が...決めてしまったかと」
ボソボソと歯切れの悪いノーマの言葉は半分も聞き取れなかった。
「デートじゃないよ?」
アレは何だろう?何か言いたい事でもあったのか?私にも分からないけれど、アレは断じてデート何かじゃない!
デートと言うのは甘ーくて、うふふな展開がある至福の一時なんだぞ!私とグレンの間にそんなモノ存在する訳ない!!!
言い切る私にノーマが少し不貞腐れた様に呟く。
「なら良い...お前はグズだから僕が見張ってないと危ないだろ?」
「大袈裟な!!!幾ら鈍臭いからって心配し過ぎ」
何時も意地悪ばかりするノーマとグレンだけど、心配も人の倍するし、結構過保護だ。
そう意地悪ばかりじゃない二人は意外と優しい所もあったりする。
幼い頃、自分達は当たり前の様に虐めて来るくせ、他の子供が私を虐めたりすると烈火のごとく怒り出すのだった。
それこそ手が付けられない程の怒り具合で私を虐めた本人達より私の心がいたたまれなかった。
お二人さん、過剰って言葉を知ってるかい?
ふふふと笑う私を見つめ、ノーマは頭をグシャグシャにして来る。
「あーも!!!折角捌いたのに!!!」
「はんっ、地味なお前が整えた所で大して変わり映えない」
そう言いながらノーマは私の二の腕を引っ張る。
「ほら、さっさと帰れば?」
私を部屋に押しやりそんな事を言うノーマはフンっとソッポを向くのだった。
私はため息を吐き出しノーマに一言声を掛ける。
「ノーマも最近寒くなって来たから早く帰りなね」
「僕はお前に心配される程ヤワじゃないんだけど?まぁ、僕が体壊したらそれこそお前に看病させるから良いけどね」
「はいはい、分かったから」
苦笑いする私はドアを閉める。
閉まる瞬間、ノーマにおやすみと微笑むと照れながらおやすみと帰ってきた。
まぁ、幼馴染二人とも、悪い奴では無い。
うん、悪い奴ではないんだけどなぁ...
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