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お母さん
夜の空に輝く星や月。
私は特に月が好きだ。月は三日月、満月などといろんな形になる。静かで美しい。まるで私のお母さんみたいだ。綺麗なフルートの音色を響かせるお母さん。
私は、月のようなお母さんが大好きだった。
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「お母さん!お母さん!!何処にいるの??」
「ここだよー?」
「あっ!お母さんいたー!」
「奏音は元気ねー。ヴァイオリンのレッスン、辛くない?」
「うん!だって、私にはお母さんがいるもん!」
「……そう…奏音、お母さんさんがいなくても、ヴァイオリン続けてね(*^^*)」
「??どういうこと?お母さん」
「ん?お母さんは、奏音のヴァイオリンが好きってこと!」
「うん!!私、お母さんのために頑張る!」
「ん!頑張れ!!」
この時の私はお母さんの言っている意味が分からなかった。幼すぎたのだ。次の日の朝、お母さんは大事なフルートを家に残して、家を出ていった。
………あの、地獄の家に……私を残して。