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夜空の月々  作者: 冬月紗里
~第一章~地獄の家の暮らし
1/3

お母さん

夜の空に輝く星や月。

私は特に月が好きだ。月は三日月、満月などといろんな形になる。静かで美しい。まるで私のお母さんみたいだ。綺麗なフルートの音色を響かせるお母さん。

私は、月のようなお母さんが大好きだった。

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「お母さん!お母さん!!何処にいるの??」

「ここだよー?」

「あっ!お母さんいたー!」

奏音(かのん)は元気ねー。ヴァイオリンのレッスン、辛くない?」

「うん!だって、私にはお母さんがいるもん!」

「……そう…奏音(かのん)、お母さんさんがいなくても、ヴァイオリン続けてね(*^^*)」

「??どういうこと?お母さん」

「ん?お母さんは、奏音(かのん)のヴァイオリンが好きってこと!」

「うん!!私、お母さんのために頑張る!」

「ん!頑張れ!!」


この時の私はお母さんの言っている意味が分からなかった。幼すぎたのだ。次の日の朝、お母さんは大事なフルートを家に残して、家を出ていった。

………あの、地獄の家に……私を残して。

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