ある計画
最後に速斗君を見てから、
1か月と少し経ったある日。
僕はアルトリアの幹部会に出席していた。
ある程度戦況を報告し合った後、
ボスが口を開いた。
「帝国大和に、私の存在が知られました」
「え?」
「おいおい…」
「大丈夫なのか…?」
皆驚いて、口々に不安の声を零す。
ボスはそれが鎮まるのを待ち、
またゆっくりと話を再開した。
「恐れる事はありません。
私の正体を知った所で、
私達アルトリアのする事は変わらない。
皆さんは引き続き戦況を維持して下さい。
では、これで幹部会を終了致します。
ハルとアルトは残って頂けますか?」
ボスが話し終わると、
僕とアルト以外の幹部達は
会議室を出て行った。
「…で、どうしたんですか?」
最後の1人が部屋を出た後、
アルトが話を切り出す。
「何かあったのぉ〜?」
「…どうやら帝国大和が
動き出したようです」
「…動き出した?」
「具体的な情報はまだ
手に入れられてないのですが、
何やら" ある計画 "を
始動しようとしているようです」
「ある計画ぅ?」
「えぇ。内容は不明ですが、
警戒しておくに越した事はないでしょう」
「了解」
「はぁ〜い♪」
「この件は、くれぐれも内密に
お願いしますね」
そして僕らは会議室を去った。
ボスとの話が終わってから僕らは、
僕の部屋で話していた。
「…ある計画、か」
「何だろうねぇ〜」
「何か、嫌な予感がするな」
「そう、だねぇ…」
嫌な予感、か。
月の光が部屋に差し込む。
その光はまるで、
僕らの行く末を表しているかのように
不気味だった。