はーどぼいるど
こんな姿をきみは見られたくない
ひんやりとした暗い場所から、オレ達は舞台の上に引きずり出された。
ギラギラとした光がオレたちの体を蝕んでくる。
周りには人、人、人の山。
女たちが遠巻きにオレ達のことを値踏みしてやがる。
欲望にまみれた目でオレたちを見るな。
オレたちはお前らなどには屈しはしない。
それを黙殺すると、売人のやつがオレたち、ひとりひとりにニヤリと笑いながら、屈辱の証を付け始めた。
なんだと。こんなことをされたら、オレたちは……。
案の定、取り囲む女たちの目が喜色に輝いている。
海千山千の奴らはこのために集まっていたのだ。
売人の動向を伺いながら、タイミングを図ってやがる。
奴らの心理が手に取るように分かる。
下卑た考えだ。
オレたちの尊厳を踏みにじりやがる。
憤っても女たちには伝わらない。
売人と女たちの間に、息詰まるような時間が流れる。
やがて諦めたように、売人は証に文字を書いた。
その瞬間、わっと殺到する奴ら。
次々にオレたちを漁っていきやがった。
ちくしょう。ちくしょう。
次々と女どものものにされる仲間たちを思い、オレは涙を流す。
だが、浸らせてはくれなかった。最後に残ったオレを奴らの一人が買いやがったんだ。
オレももう奴らのものだ……。
「いらっしゃいませー。50%引きです。3番で支払いをお願いしま~す」
オレ達の名前はハードボイルド(固ゆで卵)、今、主婦に買われたところだ。
落ち着きのある大人向けです……。
最初に謝ります。ごめんなさい。
作ってみました。
あまり長いとバレてしまうかなーと思いつつ挑戦。
短い作品も長い作品も作ってて面白いところは有ります。
好きでやっているのです。好きなことをしてみます。
下記、好きな人向け。
「そこじゃない。そこじゃないんだ!」
猫のトイレの叫び。
「あなただけを見れない女でごめんなさい」
風見鶏のゆううつ。
では。またどこかで。