にゃんこのヒグマ
森の奥 緑の奥
大きな木の下広場へ
木漏れ日浴びながら
動物達が
集まり始めました
大小の影 凸凹の影
誰だか分かる特徴
誰も疑問は持ちません
ハイタッチにお喋り
賑やかドンチャカ
丸く円に座りました
今年の劇は
何にしましょう?
寝ぼけ眼の梟爺
いつもの出し物
話し合い
声の重なり 砂の粒
胡桃をかじってカリラリリ
あっという間にバラリバラ
ちっとも話が進みません
首を廻して 毛繕いして
おやつを食べたら
お歌を歌って
それを聞いたら眠くなる
揚羽蝶が飛んで
フワリハラリ
猫は見ていて
ムクリシュワリ
捕まえようと前足を
お空に向かって上げました
梟爺は
それに翼を出し
意見を求めてホーホー爺
何も無かった猫は
何処かを見ながら
欠伸して
何も聞こえないと丸くなる
お昼寝始めた動物達
誰かの寝言が聞こえてきた
誰かの真似ごと劇をしましょう
梟爺 それにしよう
みんなの同意を求めると
首を縦にコックリコンコン
最後に
それぞれの役割を決めます
梟爺 少し目を覚まし
好きなように言っていく
リスはウサギ
ウサギはオオカミ
オオカミはビーバー
ビーバーはフクロウ
フクロウはイタチ
イタチはクジャク
クジャクはネズミ
ネズミはキツネ
キツネはモモンガ
モモンガはシカ
シカはネコ
ネコはヒグマ
ヒグマはリス
配役は決まり
話し合いは終わり
昼の動物達は寝床へ帰る
夜の動物達は目が冴える
真似っこしながら笑い合う
月明かりに
ホーと鳴く梟爺
楽しみは包み置かれて
猫は羆を見ながら
顔をコシコシ洗った
盗み見しては
フワーッと口を開ける
納得した後
また丸くなって
月光浴を始めた