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こちらの章では、『リング』の続編、『らせん』に関して言及していきたいと思います。
『らせん』は『リング』の後日談となっており、『リング』を読んでいなければ話の流れが分かりづらいのではないかと思います。
しかし『リング』を読む以上、続編である『らせん』も是非見ていただきたいと思います。というのも、『らせん』のコンセプトは前作『リング』とは全く違うものになっているからです。
簡単にいえば、『リング』で呈示された「呪い」を、医学的な観点から紐解いていくサイエンス・フィクションになっています。これはどういうことかというと、前作を否定しようとする形になるんですね。結果、呪いの正体は謎の「ウィルス」であると突き止められてしまいます。
とはいえ、呪いの正体を突き止めて終わり、ではなくラストでは前作以上のゾクッととする仕掛けが待っております。この「仕掛け」というのがよくできていまして、『リング』という作品自体が仕掛けになっている、というべきでしょうか。本として出版されている『リング』、映画として上映されている『リング』が伏線となっております。
結局のところ貞子の力は科学ではどうしようもない、ということなんですね。
次章では最後の作品、『ループ』に」ついて解説したいと思います。