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ホーラ・ダイアリー  作者: 推北美咲
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過去の世界

少女は母親と二人暮らしで他の家族は既に他界している。

家系の事情で時を越えられる能力を持つ。そんな彼女たちが代々仕事にしてきたのは手紙配達屋。

条件として、今はもういない死人にのみ過去に手紙を送ることを許し、届けるのが仕事内容。


だから彼女の家系は感情が表に出づらい。差出人と受取人に感情移入をしてしまうのはいけないことだというのが家のルールである。

私は繋ぐ、人の感情を。

何十年何百年の時を何度も何度も越えて-今日も私は誰かのために手紙を届ける。






「今日の分、すべて配達し終わりましたので今から帰ります。」


「うん、今日もお疲れ様。夜ご飯はビーフシチューよ、遅くなる前に急いで帰りなさい。」


「はい、お母さん」



今日の日付は10364年7月26日。私は今、その日から過去へ来ている。

だから正式には2421年の12月31日なのだ。


少し溜め息をつくと白い息が出てくる。



「手、冷たい。この年の12月はこんなにきれいな雪が降るのね。」



今はもう見ることが出来ない白い雪。少し感動して泣きそうになってしまう。



「いけない、早く帰らないと。お母さんが待ってる。」



ビーフシチューの暖かさを想像しながら時空の狭間へと足を踏み入れた。



地球はおよそ7000年前、地球温暖化防止のために熱を出す家電製品のいくつかを水素を利用した製品へと改良し、多くの家庭では水素を利用した製品を持つのがほとんどであった。

その100年後には熱を出す家電製品は完全に製造中止となり、地球温暖化は免れた。


それがすべての始まりであった。


今まで暖まっていた地球はいきなり熱がなくなったことにより、急激に冷え始めた。



これが最初の地球寒冷化だ。



地球が被害を受けたのはそれだけでなくそのおよそ500年後に隕石が衝突し、人類の半分は衝撃や二次災害により死亡した。


残された人間が見たのは見るに耐えない死体の数々と神であった。



神は人間にこう言った。



「我々は地球がいずれこうなることを知っていた。

そのうえで私たちは歴史を変えてしまわないよう、あえて見ぬふりをしてしまった。

しかしこのままではそなたたちが死に、人類は本当の意味で滅んでしまうだろう。

そのために我々で話し合った結果、そなたたちの中で選ばれたもののみ神の力の半分を授けよう。

簡単に言ってしまえば、魔法をあたえるようなものだ。」



人間はその言葉に頷いた。それと同時に掟をつくった。


1,魔法使い(ウィッチーズ)は魔法を持たぬ者に対し、魔力を使用してはならない。

2,人間はウィッチーズに対し、無駄な制裁を与えてはならない。

3,お互いに争うようなことがあれば神は状況により、制裁を下す。



まだ掟はあるが、主にこの3つが世界共通三大憲法である。



寒冷化した今、人間は地上か地下かどちらかを選ばなくてはならなくなった。


もう地上と呼ばれるところに住むものはいない。ウィッチーズも人間も地下での生活を共存している。

寒冷化が始まった頃から今にかけて、小さな紛争はたびたびあるが大きな争いが起こったことは一度もない。

なにせ神からの罰など想像するのも恐ろしいと、世界三大憲法の不文律を理解しているようだった。



しかし、私が恐ろしいと感じているのはそれだけではい。

これは私の出来るだけを書き留めた日記である。



後書きで少しずつ設定を書こうと思います!今後とも「ホーラ・ダイアリー」をよろしくおねがいします。


・10364年で地球は今、氷河期よりも冷たい寒冷化が問題となっている。

・世界三大憲法は変えることができない。

 もし、変える場合は人間の代表者とウィッチーズの代表者が話し合い、その上で神に申請書を出す。



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