こんな時間にあなたに甘えたくて書いた作文のようなもの
AM0:36
しん、と静かな部屋。
開け放った窓から、時折車が道路を通る音が入ってくる。
近頃はだいぶ暑くなったけれど、まだ夏の虫の声には早すぎる。
壁にかかった時計は音がしないタイプの電波時計で、冷蔵庫のモーター音がやたらと耳につく。
もっと、モダンアートのような、白と黒を基調にしたシンプルで片付いた部屋であれば格好もついたのだろうけれど。
残念ながらわたしの部屋は色が散乱している。昔憧れた、バリ島を想起させるインテリアには失敗した。丸みのあるテーブルと、どこまでも尖った四角いテレビラックは同じ『茶色』であっても相性が良くない。
白とクリーム色のカラーボックスが更に全てを台無しにしてくれている。
やはり、センスというものかもしくは統一性のある家具を一度に購入できる経済力が無ければいろいろと難しいのだ。
いや、せめて、わたしが人並みにあれこれとインテリアに工夫を凝らし、整理整頓を心がけ、掃除をこまめにできる性分であったならよかったのかもしれない。
今日も疲れた。
こんな時はあの人の体温や香りを感じたいと思うのだけれど、あの人はもう夢の中で、明日のスケジュールや己の日々の言動を考えると寝室には入りにくかった。
朝になれば自分はいつも通り、眠気と時間に追われてしまうのだろう。
夜になっても日常に追われるわたしに、心の余裕はない。こうやって落ち着いた心持ちになれるのは、そして甘えてみたくなるのは、どうしたってあなたが夢の世界に旅立った後になってしまう。
今日も疲れた。
朝を迎えた時の自分のために、おとなしくわたしは自分の布団に向かうとしようか。




