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神憑  作者: 光風霽月
4/17

日常と友と非日常と

…深夜二時、公園。

はぁ〜、私としたことが、先週ジ〇ンプが合併号なの忘れてた…。

代わりに赤○ジャ○プ買ったからいいけど…。

と、水飲み場に誰かいる。

あれは…。

「水野君?」

「あれ?鏑木さん?」

「どうしたの?こんな時間に…」

って、そういえば、夏休みにここですごい量の水を飲んでたなー。

「うん、水の補充にね」

「水の補充?」

「俺が戦う時、水を使ってるでしょ?」

確かに、どっから出てるんだっていうくらいの量を使ってる。

「あれは龍神の中に蓄えられたものを使ってるんだ」

「蓄えるって、龍神は実体が無いんでしょ?」

「無いと言えば無いね」

「簡単に言えば、幽霊みたいなものでしょ?」

「近からず遠からずってとこだね」

「…じゃあなんなの?」

「うーんとね、龍神というか、思念神はこの世界と位相がずれたとこにいる存在なんだ」

「え?」

「つまり、龍神はこの世界に直接干渉できないだけで、実体はちゃんとあるんだ」

「へ?」

「例えば俺達の世界を世界Aとすると龍神達が存在するのは世界B、この二つはもの凄く近い所にあるんだけど行き来することができない、けど、これを行き来することができる橋になれる存在がいる、それが神憑、まあつまり思念神は実体はあるけど干渉出来ない存在、だけど神憑という橋によって干渉できるわけ。あっ、ついでだけど思念魔が世界に干渉出来るのはなにかしらの媒介を…」

…正直私にとって、位相って言葉が出た時点で意味不明なわけで、ファンタジーな話は好きだけど、こういう話は私の頭では理解出来ないわけで、つまりは…。

「ちなみに、蓄えられる水の量は龍神の体積ぶ…って、大丈夫!?鏑木さん!?」

「ほぇ〜?」

今の私の状態。

話が頭の許容範囲を越え、頭が一時的にパーになった状態。


その後三十分ほど、私の頭が回復する→水野君が分かりやすく説明する→私の頭がパーになる、のループを繰り返し、水野君が結論として出した説明が。

「…四次元ポケットを思い浮かべてくれたら良いです…(本当はかなり違うらしい)」

「ふぁい!!」

…その後帰路につき家で熟睡した。




『ピリリリリッ!!!!』

けたたましい目覚まし時計の音で目を覚ます。

私は眠い目をこすり目覚まし時計のスイッチをオフにする。

現在、午前七時三十分。

この時間、両親は共働きでしかも二人とも出勤時間が早く、七時二十分には家を出てしまう。

弟の優樹は中学生で野球部所属。

この時間にはすでに朝練に行っている。

つまり、今家にいるのは私一人。

とりあえず私は着替える事にした。

ハンガーに掛けてあるワイシャツと制服をとり手早く着替える。

鞄を取ってリビングに行き、母さんが作っておいてくれた朝御飯を食べ、顔を洗って歯を磨き、玄関の鏡の前でおかしいところがないかチェックしてから家をでる。

以上、鏑木華のいつもの朝でした。




…通学路。

「ふわぁ〜ぁ」

自然とあくびがでる。

当たり前か、結局昨日は三時間くらいしか眠れなかったもんな〜。

人間、八時間は寝ないといけないってなんかで言ってたし…。

「華!おはよう」

「うん、おはよう柚留…」

「どうしたの?凄く眠そうだよ?あっ、また深夜にコンビニ行ったの?やめなよ〜、危ないよ女の子が〜」

「だって〜、私は夜中にジャ〇プを買って読むのが好きなの…」

「おっはよう!!華&柚留ちゃん!!」

「高枝…」

「お、おはよう…」

「んだよ、もっとこう『おはようたかぴー☆』とかできねーの?」

「いや、できないよ」

高枝亮(たかえだりょう)

級友、クラスに一人はいるお調子者、顔はまあまあ良いがこの性格であまりもてない。

「華は冷たいな〜、ま、その点柚留ちゃんは…」

「できません(キッパリ)」

「なんだよ〜、二人そろってノリ悪いぞ、泣くぞ」

「あっと、もうこんな時間、柚留、急ご」

「うん、そうだね」

「えっ無視?本当に泣くぞ」

「走ろっか柚留」

「うん、そうだね」

「いや二人とも、それはないだ…」

私達は雑音を無視し、学校に直行した。

「雑音は酷いだろ〜!!」




…2―B教室。

「ふぅ、まだ先生来てないみたいだね」

「うん、間に合ったね」

「本当、よかったね〜」

私達の後ろから高枝が話しかけてきた。

「あれ?高枝、いたの?」

「…酷い、酷いすぎるぞ、その言葉で俺の心は張り裂ける寸ぜ……」

「邪魔だ、どけ、阿呆」

「ぐはっ!!」

その言葉とともに、後ろから高枝の背中に前蹴りが入る。

おー転がる、転がる。

「おはよう、平君」

「…おはよう」

平迅(たいらじん)

クールで鋭い性格と美形顔で、水野君と女子の人気を二分する男。

「なにすんだよ〜、迅」

背中をおさえながら、高枝が立ち上がる。

「お前が俺の進行の邪魔になるから蹴ったまでだ」

「いや、蹴るより他になんかあんだろ?どいてくださいとか…」

「すまんな、思い当たらなかった」

「こ、こいつ〜」

と、平君と高枝のやりとりを見ていると水野君が来た。

「おはよう、みんな」

「あっ水野君、おはよう」

「お、おはよう…」

柚留、赤くなってる、…純だなぁ。

「ちょっ、水野、聞いてくれよ〜、迅がさ〜」

そう言いながら高枝が水野君に歩み寄る。

「なに、どうしたの?」

「聞かなくていい、くだらないことだ」

平君が間髪入れず言った。

「なっ、お前な〜」

「ははっ、迅がくだらないって言うなら聞かなくていいね」

「っておい、水野〜」

そうこうしていると担任の先生が入ってきた。

「お前ら、入り口に固まってたら通れんだろうが」

『キンコーンカンコーン』

「ほら、チャイムが鳴ったぞ、席につけ」

私達はそれぞれの席につく。

「じゃあ今日は32ページからだ」

小津春子(おづはるこ)

2―B担任、教科は数学、男勝りな性格、独身。





「よし、じゃあこの問題を水野、これを平、で最後のを高枝、やってみろ」

三人はそれぞれ、自分が指定された問題の前に立ち、チョークを持ち解き始める。

「できました、先生」

「ん、お、さすが水野、完璧だな」

速い!やっぱ凄いな〜、水野君は。

「終わったぞ」

平君も終わった、って答えだけ!?暗算!?

「平、答えが合ってるのはいいが、途中の数式もちゃんと書け、他の奴が理解できんだろうが」

「……」

平君は再びチョークを持ち数式を加える。

「ん、完璧だな、戻っていいぞ」

「先生!!出来ました!!」

何!?高枝も!?

「お、高枝、珍しいじゃ…」

先生は黒板を見て言葉を止める。

「…なにも書いてないじゃないか」

「やだな〜、先生、答えは書いてありますよ、僕の心の中に…」

『パーン!!』

高枝のひたいに、チョークが飛ぶ。当たった瞬間チョークがこなごなになる。

「その心の中にあるのを黒板に書け」

ピクリとも動かない高枝。

至近距離でその威力は怖い、とゆうかチョークがこなごなって…。




『キンコーンカンコーン』

「よし、今日はここまで」

ふぅーやっと一時間目が終わった…。

先生が教室を出て行…くと思ったら。

「おっと忘れてた、明日、今日のとこの小テストやるからな」

『え〜っ!!』

「なんでですか!?」

「なんでって………、気まぐれ?」

「たくっ、そんなんだから先生結婚出来な…」

『パーン!!』

その言葉を発した生徒にチョークが飛びこなごなになる、生徒は意識を失う、ちなみに高枝。

「んじゃ、頑張って勉強するよーに」





…放課後。

あー、やっと終わった。

しかし、テストどうしようかな、自慢じゃないが理数系は大嫌いだ。

あー本当、どうしよう。

「やっぱりさー、今の教育制度はおかしいわけよ」

「うん、確かにちょっとそうだね」

ん、高枝が水野君になんか話してる。

「いまだに日本は学歴社会やめねーし、いじめは増える一方だし、教師もおかしーの増えてるし、だからよー…」

高枝がなんか真面目に話してる。

ちょっと感心…。

「数学教えてください」

「なんの脈絡もなく言うね」

…本当だよ。

感心して損したよ。

「お願いだよ〜、ただでさえ成績ぎりぎりなんだよ〜、こんな突然のテストで成績下げたくね〜んだよ〜、友達だろ〜」

「いや、そんなに言わなくても教えるから」

「本当か!?」

「うん、あ、でも何処でやる?」

「お前んち」

「え、別にいいけどなんで?」

「いや、特に理由は無いよ」

「え、うん、まあいいや」

と、ふいに高枝と目が合う。

「華も来る?」

「…え、あ、な、なんで?」

「確かお前、俺と数学、どっこいどっこいだろ?水野に教えてもらった方がいいんじゃねえか?

いいよな、水野?」

「うん、鏑木さんがいいなら」

「…じゃあ柚留も連れて来ていい?柚留もあんま得意じゃないんだ」

「いいよ、あっ迅も来る?」

と、本を読んでいた平君に話しかける。

「なんでだ?」

「人数多いと楽しいから」

「…俺は団体行動は好かない」

「…そっか、残念だな、せっかくとらやの羊羮をごちそうしようと…」

「行かせてもらおうか」




…平君、甘党?




「うん、じゃあ家に来るのは四人だね」

「俺と華と柚留ちゃんと迅、うん、四人だな」

「それじゃあ……!!!!」

突然、水野君の表情が変わる。

「…ごめん、先、家行ってて、来たことあるから場所分かるよね?」

「ん、ああ、別にいいけど、どうした?」

「ちょっと急な用事を思い出したから…後でね」

そう言うと急いで教室をでる水野君。

「なんだ、あいつ」


……たぶんまた、あれだろうな……。







…校舎裏。

「…いた」

水野の前に立つのは十を越える鬼の群れ。

「鬼か、こんな都会に出るなんて珍しいな」

水野は水の剣(槍)を出す。

「…人が来る前に終わりにする」

水野は鬼の群れに突っ込む。

まず、先頭にいた鬼の頭に突きを入れる。

突かれた鬼はすぐさま塵になる。

そこに数体の鬼が襲いかかってくる。

水野は、数歩下がり鬼の攻撃をよける、が、襲ってきた鬼の後ろからニ体の鬼が飛びかかってくる。

飛びかかってきた鬼は手に持つ金棒を、水野めがけて振り下ろす。

水野はそれを剣の腹で受け、流す。

体勢をくずす鬼ニ体。

そこに間髪入れず、水野は一体には頭に、一体には胸に瞬速の突きを入れる。

しかし、胸に入れた方はそのまま金棒を振って来る。

水野は、剣の腹でそれを受け止める。

(くっ、頭に入れないとだめなのか…?)

再び、鬼が数体、襲いかかる。

水野はすぐさま金棒を押し返し、胸に入れた鬼の頭に突きを入れ、襲いかかってきた数体には、突きの弾幕を張ってしのぐ。

すると、後ろから一体の鬼が金棒を振り上げている。

(しまった!!)

鬼が振り下ろす刹那、鋭いなにかが鬼の頭に突き刺さる。

それは、一見すると見えない、しかし、触れれば斬れる、真空の刃。

「たくっ、人が屋上で昼寝してんのに…」

上空から、ふわりと降り立つ、黒髪、ビン底眼鏡の男。

「優、もう昼過ぎたよ」

かぁっと赤くなる風見優。

「手前ぇは揚げ足とるな!!」

「ははっ、悪い悪い」

「しっかし、なんで鬼がここにいんだよ」

「さぁ?」

「まあいい、ささっと片付けるぞ?」

眼鏡をはずして言う。

「ああ…」

「「……解放……」」

水野の上に龍、風見の上に白き鳥が現れ、その体を龍は突撃槍に、鳥は大剣に姿を変える。

「破あああぁぁぁ!!!!」

水野は、縦に並んでる鬼ニ体に突撃、頭を串刺しにする。

「うぅらあぁー!!!!」

風見は、正面にいた三体の鬼を大剣で薙ぎ払う。

「どうだ!!」

しかし、その鬼達は、ふらふらと立ち上がる。

「なっ!?」

「こいつら、たぶん頭に入れないとやれないよ」

「そういうのは先に言え!!」

「いや、知ってるもんかと」

と、そこに二人に一体ずつ襲いかかる。

水野は的確に頭に突きを入れ、風見は頭から真っ二つにする。

「これで文句ねえだろ」

「うん、見事見事、…!!」

「ん、どうし…!!」

二人の目線の先には、一体の鬼に残った鬼がむらがり、同化していく姿。

「ありかよ、んなの…」

同化した鬼の数に比例して巨大化する鬼。

「…変異体か?」

「…たぶんね」

その大きさは、さっきまでの鬼のおよそ十倍、金棒もそれに比例した大きさを誇っている。

鬼は野球選手よろしくのフルスイングを風見に当てる。

風見は剣の腹で受け止めるが、威力に負けて吹き飛び、壁にぶつかる。

「ぐはっ!!」

「優っ!!」

鬼はフルスイングした金棒をそのまま振り上げ、水野に下ろす。

「くっ!!」

水野は槍の穂先を金棒に刺し、水を下方に噴射し、押し返そうとするが、鬼は全体重を乗せ押し潰そうとする。

「…出力、全開!!」

噴射する水は勢いを増し、鬼の力と同等になる。

(くっ、負けるか!?)

「戒ー!!そのままでいろ!!」

「!?、優!!」

風見は大剣に風を集約する。

「…風切(かぜきり)!!!!」

風見は剣を横に払う。

その瞬間、大剣大の真空の刃が鬼に向かって飛ぶ。

刃は鬼の胴に当たり、鬼の体を真っ二つにする。

しかし、すぐさまくっつき始める。

「なんだそりゃ!!」

「やっぱり頭にやんないとだめみたいだね」

くっつき終ると、金棒を二人に振り下ろす。

二人は別れてよける。

「ちっ、戒!!今度は俺が止める、その隙に頭に攻撃しやがれ!!」

「…いいの?」

「何がだよ!!」

「いや、このごろ、優がとどめさしてないな〜と思って」

「それがどうした!?」

「いや、いいんならいいけど…」

「…やるぞ!!」

風見は距離を取り、再び剣に風を集約させる。

風は渦を巻き、竜巻へと昇華する。

「…大旋(おおつむじ)

竜巻は鬼を捕え、動きを封じる。

「今だ!!戒!!」

「ああ!!」

言うと同時に水野の腕に同化した龍の角が液体状になる。

「水龍刃!!!!」

液体化した角を一直線に高圧噴射する。

「…行くぞ!!」

鬼に突撃する水野。

「切り裂けえぇぇ!!!!!!」

高圧噴射した角が鬼の頭部に触れる。

「破あああぁぁぁ!!!!」






…塵になってゆく鬼を見据える二人。

「ふぅー、終わったね、優」

「…つーか、決めのあれ…」

「え?水龍刃の事?」

「あれさ、なんで出した?」

「う〜ん、気まぐれかな?」

「つーか、パクリだろ」

「なんの?」

「…風切とかの」

「いや、別物でしょ?風切は真空で、水龍刃はウォーターカッターだし」

「いーや、パクリだ」




…数メートル離れたビルの屋上、その上に立つ男。

黒き翼を背中にはやし、烏面をつけた男。

(…心配するほどでもなかったか)

「あら、あなた…もしかして『漆黒』さん?」

男の後ろから、話しかける、金に近い茶の髪を持つ、華麗なる女性。

「…誰だ?」

「私の名前は雨宮蕾(あまみやらい)、よろしく」

「…『瞬雷』か、何のようだ?」

「私の通り名を知ってくださってたの?」

「有名なのは一通りな、しかし、貴様は東北の奴では?」

「ええ、親の事情で先日、こちらに引っ越して来ましたの」

「…どうでもいいが、その気持ち悪い口調は止めろ」

「何のことでしょう?」

「……あの鬼達は確か東北地区にしか出ないはずだが?」

「はい、実は協会の東北支部がやられまして、防衛ラインも壊れてしまい…」

「ほう、それで抜け出たものが、流れに流れてここに、か、しかし支部が潰されるとは…」

「ええ、どうやらあちらも本腰をあげてきてるようで…」

「そうか…」

男は翼を広げ、その場を飛び立つ。

女はひらひらと手を振った後、二人に目線をやる。

女は微笑んだ後、その姿を消す。









あかつき荘前。

「遅い、遅いぞ」

高枝がイライラしてる。

学校を出てから約二十分、確かに遅い。

「…どうしたのかな、水野君…」

柚留はちょっとうつむきながら言う。

「ふっ、こうなったら俺の神業で、先に家に入ってやる」

そう言いながら、どこから出したのか、その両手にはピッキングツールが。

「や、やめなよ、高枝君」

「そうだよ、高枝、てゆうかそれ犯罪…」

「ふっ…、分かってないな、犯罪ってのはバレなきゃ犯罪じゃないんだよ」

いや、犯罪は犯罪だろ、つーかこいつ、結構悪?

と、考えている内に高枝が水野君の部屋の扉の前に。

「さあ、レッツラ…」

『カーンッ!!』

「ゴフッ!!」

高枝が行動を起こそうとしたとき彼の頭にスチール缶がめり込む。

「…馬鹿が」

缶が投げられた方向を見ると、平君がジュースを何本か抱えて立っていた。

「平君…」

「ほれっ」

平君は私と柚留に缶をほうり投げる。

「ど、どうも」

「ありがと」

「礼はいらん、あいつの金だ」

そう言い、気絶している高枝を指差す。

「どういうこと?」

「なに、あいつは隙だらけだからな、財布をスるのが楽、と言うだけだ」

「へ、へぇー…」

平君も結構悪?

「と、来たようだな」

「え?」

遠くから走ってくる人影が見える。

「おーい」

…水野君だ。

「ごめん、待たせたみたいだね」

「まったくだ」

…水野君、服が少し汚れてる、もしかして、やっぱりまた…。

「すぐに家開けるから」

彼の笑顔は、何も無かったような笑顔で…。

「あ、あの、水野君、服が…」

柚留が心配そうに話しかける。

「あ、これ?そこで転んじゃって」

「いえ、ちょっと上着の肩あたりが破れています」

そう言い、水野君の肩口を指す。

確かに破れている。

「あ、本当だ」

水野君もたった今気付いたようだ。

「よかったら私、直しますよ」

柚留は、自分のバックから裁縫セットを出す。

…鈴村柚留、手芸部所属。

「え、いいの、じゃあありがたく」

水野君は上着を柚留に渡す。

「いいないいな、柚留ちゃん、俺のも直してよ」

いつのまにか復活してた高枝。

「え、何処も破れてないよ」

「ふっ、直して欲しいのは、この傷だらけの俺のハー…」

平君はしなやかなハイキックを、高枝の頭に当てる。

「トボォ!!」

再び、気絶する高枝。

「たくっ、阿呆が」

「ははっ、じゃあまあ、勉強しますか」



…その後、水野君は私達に勉強を教え、

高枝は平君の癇にさわり、気絶させられ、

平君は高枝を気絶さした後、羊羮をおいしそうに頬張り、

柚留は勉強と裁縫を赤くなりながらし、

私は途中で頭がパーになってたりして大変で…。



…でもなにかをするときは、やっぱり友達とやると楽しくて…






続く

念のためですが、主役は水野です。華はあくまで話し手です。さて、新キャラ多数登場、でも重要な奴は雨宮と黒い人だけです。

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