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染 天落シャングリラ【墜落者 天絡 之女の悲劇】

『警告!!』

この話は作者の捻じ曲がった創造と感情と思想が入り混じって出来てしまった

いわば、欠点だらけのご都合主義で作り上げてしまった作品です。

あまりにもすごい内容にできあがり自分でもすごいひいています

絶対に次のような方が読むことをお勧めしたくはないので書いておきます。

 1・現実と想像の境目を理解できない人

 2・15歳未満の人

 3・殺人心情に深入りしてしまう人

 4・自分を見失ってる人

 5・あまりにも優しすぎる人

該当するような人にはあまり読んでほしくはないですが、この作品は自分的には書いていて好きになってしまった作品なので書いてしまいました。読む場合はけっこう過激な所があるので注意してください《特に会話が》。キャラの心情の深入りはお勧めしません。みな問題を抱えすぎてしまったキャラクターが描かれているためです。

それでも、読んでくれるという人は読んでもらえればとてもうれしいです!

どうぞ、「闇昇 藪危の悲劇」の世界観をお楽しみください。

さて、自分らの簡単な生き筋は説明したつもりである

自分たちのことについては皆さんも相当理解が広がってくれたことだと思う

だから、今回は少し話を町規模に広げさせていただきこの町の異常性を伝えようと思う

終焉の町【闇里死】…

自分らが暮らす自分らのために生まれた狂人の町…

ここでは、主にぞれぞれの4地区が一族によって分けられ管理されている

北は暗道【あんどう】

東は脅軌【きょうき】

西は鵜呑魅夜【うのみや】

南は荒餓鬼【あらがき】の管理下にある

それぞれとんでもない名と力を連ねる狂人どもだ

主に北の暗道は祭り事を

東の脅軌は商売を

西の鵜呑魅夜は町の均衡の管理を

南の荒餓鬼は全ての狂人の監視を担っている

この四族の管理によるこのハチャメチャな町の均衡は保たれている

この四族の一つでもかけようものなら

この町にある不可思議なモラルすら塵一つ残すことなく消されるだろう…

それほどにこの町には危険な人物たちが巣くっている

自分もそのひとりと考えていいだろう

ちなみに学校などはこの力のバランスに例外的な土地である

まぁ、残念ながらこれはこれからのことを考えた前フリであり事前に必要であったであろうストーリーやゲームマニュアルに記載されるべき説明文に過ぎない

よって、今回の話…天落シャングリラ【墜落者 天絡 之女の悲劇】にはまったく関係ないのである

それでは、そろそろ話を始めてもよい頃合いなので始めよう…

彼女の悲劇を…




人は地にその足が着いた頃から空を目指した

その両腕を広げ広がる大空にその両腕を羽ばたかせた

鳥に憧れ

大自然の風に舞う木の葉に憧れた

様々な人々が空に思いを寄せた…

教祖も学者も発明家も商人も農民も例外なくその気持ちを持っていた…

そして、人々はその気持ちを抑えることをやめ空へと向かった

空に届くまでの道のりは長きものだった

幾人の人々が翼を作っては崖へと飛び降りその命を絶ってきた

…しかし、これはそれとは違った少女の話

いや…まるっきり違った少女の話と言えるだろう

それは、空へと向かって飛ぶ人々がいる世界で

地へと向かうために飛んだ少女の話




「…えっと?だから何だってんだ?百禍【ももか】」

放課後の教室…

ここは始まりさえもしていなかった時間

悲鳴一つ響くことのない

元あるべき教室の姿がそこにあった

「ですから!【飛ぶ少女】ですよ!藪危先輩★」

窓側から三番目の席に座る自分の机の上に堂々と直立する瞳の大きな肌少し黒い

女性離れした背の高さを持つ少女 無道 百禍【むどう ももか】

…しかし、これはいったいどういった状況なんだ?

ここは自分の教室 弐年X組なわけだがそこは言うなら壱年生たる百禍にとっては先輩たちが勉強する教室なわけだ

それなのに、この【負荷結晶体】とくれば自分の机の上に立ちさも当然のように直立して自分の陣地を陣取っているとは何とも非常識すぎる状況だろうか?

と言っても、自分には百禍をこの机の上から叩き落とす勇気は微塵にもないのでなにもできないのだが

「ちょっと聞いてるんですか?藪危先輩★」

「…ん?」

背中にヤワラカイモノ?

「! 百禍!」

「えへへ♪藪危先輩が意地悪だから百禍も意地悪します♪」

机にいたはずの百禍は自分の後ろに回り込み

しっかり首を両手でロックしていた

ようは百禍に後ろから抱きつかれたのだ

「お前な!自分がこういうことが苦手なの知ってるだろう?」

「ウブですね♪先輩は♪百禍はそんな藪危先輩が好きです★」

振りほどこうにもほどけないので数秒で自分は諦めモードに入る

「…で?」

「?★」

「…さっき言ってた【飛ぶ少女】って何だ?」

何か大事な部分を聞きそびれてしまった感があったので尋ねた

「…★」

「…百禍?」

「…ギュ~です★」

「ギャー!」

和やかな光景をこのやりとりで想像した方は撤回していただきたい

自分は数秒後気絶すると数分間生死の境をさ迷った



「…母ちゃん!」

「…いったいどんな夢を見たら藪危先輩は顔も見たこともないお母さんが叫ぶ状況になるんですか★」

百禍が自分の反応にちょっとひいていた

「…いや、ついノリでな」

何か、悪夢を見た少年とかが叫びそうなセリフとして言って見たのだが

「ん?」

「? どうかしましたか」

自分は何故か窓側の前列六席の机の上の中心に寝かされていた

百禍は自分の顔の隣【机で作られたベットの窓側一番前の机の近く】に椅子を置き座っていた

「…何もしてないよな?百禍?」

「はい★」

と万遍の笑みで返されては追求したら後が怖い

…しかし、不思議な光景だ

あれほどのことがあったというのに百禍が自分の隣にいるという光景には驚きを隠せ切れない

苦導【くどう】に関してはいまだのその後の処理に追われているようだし

暗道と空非さんもその手のことに追われているようだ

…しかし、いろいろなことがあったものだ

もしかしたら、あの事件が始まりだったのではなく

彼女の事件が歯車の鍵だったのかもしれない…

ここ二ヶ月にあった事件は自分にいろいろな影響を与えた

「…でしてね♪藪危先輩★」

「…」

しかし、それまで何もなかったかのかと言われればなかったわけではない

「…」

自分を巻き込む事件がなくても

出会いがあった

この町で長く暮らす外から来た不思議な狂人の女性

町を渡り歩く呪われた名を持つ魔性の渡り人

この町を仕切る脅軌家の姫との不可思議なデート

一つの悲劇を挟ませてもらうならとある雨女の運命なる悲劇

こう深く考えて見ると自分の人生はあまりにも狂った方向に充実身あるものになってしまっているものだ

中学校のあの夏以来、おさまっていたように思われた自分の呪いは今では肥大化が進んでしまっているのだからため息が尽きやしない

「…★」

「…」

あれ?何だ?この状況?

数分前?いや、数十行くらい前に同じ空気が流れていなかったか?

「…百禍?」

「…? どうかしましたか?藪危先輩★」

…セリフが棒読みだ

「あの…あれだ…百禍…」

「…★」

無言の圧力

「…すまん」

相変わらずどうも、自分は空気が読むが苦手なようだ



その日の帰りは遅くなってしまった…

何も居眠りをしていたわけではない

今日は粛逝委員会権の発動などとこじ付けられ粛逝委員会室でコーヒーをいただいていた

苦導【くどう】とはよくとはいかないまでも一応、こうして無駄な時間を一緒に過ごす仲ではある

苦導 戦掛【くどう せんか】…左目に眼帯体中に包帯に上着に学ランを着てなぜか赤いミニスカの悪魔みたいな女…てのがプロフィール

そんな、苦導が

『今日は久しぶりに二人でコーヒーを飲みたい』と言ってきた

こうなると、二人とも何言わずお互いの顔見合いながら二時間、苦導の入れたコーヒーを楽しむのが自分たちの楽しみ方である

昔は暗道と苦導の繋がりもなく自分と暗道の仲が悪かったためよく高1の頃何か教室で二人で飲んだものだ

「…♪」

「…」

こういうのも何だか、この時自分の顔を見て笑う苦導の顔がかわいい

まぁ、どうせ苦導のことだから、この後どんな罵声を言って自分を困らせようか考えて楽しんでいるのだろう

一口、苦導のお気に入りのティーカップに注がれたコーヒーをいただく

「…」

しかし、この味はどう出しているのだろうか?

自分も何度かコーヒーを入れて見るのだが

血毬【ちまり】さん【家の一応、家政婦】や苦導のようにおいしく入れることができない

「…」

「…♪」

そんな、悩みさえも見据えているかのように自分の瞳を覗き込み笑う苦導…

…そういえば

「…なぁ?苦導?」

「…何だ…藪危?貴様は吾との神聖なこのコーヒータイムのこの神聖な空気を乱さなければならないほどのよほどのことがあるのか?」

「…いや、何でもない」

自分は最終的によく分からずじまいになっていて【飛ぶ女】の噂に聞きたかったのだが…



まぁ、何だがかんだで何があるってわけでもない

しかも、気になるからと言って追求するのは他の人ならまだしも自分のような人間はやめて置いたほうがいいだろう

「…いい天気だな」

住宅地のマンション通り【学生たちにそう呼ばれている】に近づく

「…」

マンション通りと言う割には高いものもそれほど数があるわけではない

ただ、この町のマンションがここにほとんど集結しているから学生たちがそう呼んでいるに過ぎない

「…いい天気だ」

今日は満開の星空…

それを見上げる中

少し遠くの5階建てマンションの屋上に人影が見えた

人影は後一歩で飛び降り完了の所まできていた

「…まさかな」

思わずその場で立ち止まり

その影の行く末を魅入ってしまう

人影は段々地面に投げ出される形で傾いていく

「…!」

そして、投げ出された人影は言葉どおり落ちていった

自分は無意識の内に走り出していた

距離はまだ500mくらいはある

間に合わない…とわかっていながら自分の足は止まらなかった

『まったく…おせっかいものにもほどがある!』

とまた、苦導に笑われてしまうだろう

そう!これはおせっかいに過ぎなかった

「…はぁ?…あれ?」

なぜなら、彼女は

「…死体がない?」

【墜落者】なのだから



「…だるいな」

自分はあの後、このこと関わりあうのはやめた方がいいと言う自己判断により記憶を断ち切ってから

数日が経っていた

「…」

しかし、この数日の間にたくさんのことがあった

【首フェチニスト 首フェチン 首キリスの悲劇】

【狂気仕掛けのキラーマシーン 落咲 末菜の悲劇】

【ノン殺人スタイリスト 霧型 形無の悲劇】…

このわずか数日の間にこれほどの悲劇が続くのは異例である

笑えない…

「…」

そんなことを考えながら起きた【ノン殺人スタイリスト 霧型 形無の悲劇】から四日後の雨降りしきる金曜日の朝

僕はカーテンの締め切られた部屋で定まらない思考回路の中そんなことを考えていた

「…眠い」

ようはただ学校に行きたくないこの気持ちを紛らわしたかったに過ぎない



制服に着替え階段を下りると血毬さんがすでに朝食の用意をしていた

「もうすぐですから待ってくださいね♪藪危様♪」

「…了解」

席に着き朝食を食べる

「…」

今日も血毬さんの味噌汁はおいしい

「…」

「…どうですか❤藪危様♪」

「…おいしいですよ?」

と言ったら首をガッチリロックされ技をかけられる

「…どうしたんですか?血毬さん?」

…首が苦しい

「なぜそこで【?】が入るんですか❤」

「…」

自分は答えを述べる時間がない中、意識は彼方へと送られる

…何か、一話でも同じようなフリがなかったか?



傘をさしながら学校へと足を進める

あれから、これといった悲劇はなく日常は進んでいた

…いや、普通に日常を送る自分が異常なだけだろう

この町ではまた、どこかで狂ったように悲劇を繰り返しているのだから

「…」

何か、今日は考えれば考えれるほど憂鬱な一日だ

雨のせいだろうか?

この物語上で雨が降っているということは作者が大雨にうたれながら犬の散歩でもしていたということだろうか?

…その気持ちを物語の主役に押し付けるという理不尽なことをされているというなら

確かに自分の気持ちは憂鬱になるものだ

例のマンション通りを越え自分は学校へと向かう

「…」

コメントは控えよう

何があったからでは遅いからな

そんなこんな考えている内に学校に着く

そんな、自分はいたって普通につけられている学校の大時計に視線を向ける

「…」

なぜだろう?自分の目にはあの大時計の上に人が見えるのだが?

あれは幻覚か?

そうに違いないだろう

日本人離れした白い長髪に透き通るように白い瞳

そんな、人があんな所で【バスローブ】姿という何とも非常識この上ない格好で立っているはずがない

「…」

何だろうか?その女性はそこに立っているだけの光景なのに神秘性がある

ほっそりとした弱弱しい体、怖いくらいに綺麗に整った顔立ち

それは女神か何かを見ているのではないかと錯覚するほどの美しい光景だった

女性は足を進める

「あっ!」

まだ、足は踏み越えてはいない

なぜだろう?これは不思議な気持ちだ…

恋などでもなく好意でもない感情…

それだけはわかる


…そうだ

儚いのだ

まるで、ガラス細工の器を眺めているように

儚く弱弱しく

そして、

「…美しいんだ」

女性はこちらを見る

いや…見下ろすと言った方がいいだろうか?

とにかく、自分らは目が合う

女性は目が合うとこちらに笑いかけ一歩を踏み出した

たかが、一歩…

しかし、それは屋上から空中へと踏み出す一歩となる

「!」

飛んだ?

冒頭から可笑しな世界観を存分に振りまいてきたこの物語だが

ここまで、非常識な光景は展開されただろうか?

自分は走る女性の元へ

女性は足の方から落ちていく

その目は自分のほうへ…いや


      地を見ていた?


    …トン

静かに重力を無視するようにゆっくりと落ちるスピードを無視して地に立つ

「…」

「…」

「…えっ?」

状況理解が追いつかない…不時着した?

「…」

「…♪」

名を馳せるある狂人だろうか?

それとも、呪われた一族の関係者?

いや!それなら、自分が接触していないわけがない

しかし、これほどのことをやってのけるとは一体…彼女は

「また…会ったね♪」

…また?

一度、会っているということか?

断ち切られた記憶から自分は探りを入れる

そうすると

「…あの時の」

マンションから飛び降りた女…

「あ?思い出してくれた?それなら、よかった♪忘れられてたらどうしようかと思っちゃった♪」

「…」

と言うか

あの状況で自分のことを視覚に捕らえていたのか?

…それでは、まるっきり首吊魔じゃないか

しかし…

女性は自分のどうしようもなく間抜けな今の顔見てか

「キャハハハ♪」

と楽しそうに笑う

…そんな可笑しな顔ぶらさげてるつもりはないが

「かわいいね♪藪危くんは♪」

女性の基準とはよくわからん

なにが、良くてかわ?

「…自分のこと知ってるんですか?」

てか、すぐにつっこまなければならない所があった

「そりゃあ、藪危くんはいろんな意味で有名だから♪」

「ふぅ~ん…あなたはいろんな意味で有名そうですね…」

変態という意味で

「…あれ?何か私、今罵声された?」

しかし、この人…自分より少し背が高い

自分も少しは背が低いことを自負しているが

女性としては高すぎないか?

…いや、そうでもないか

百禍よりは背が低いようだし

まぁ、あれほど背の高い女性がもしこの町にわんさかいたらそれこそ非常識だし

何より自分の心が立ち直れないほどのダメージを受けるだろう

しかし、

「ん~?なんで、こっち向いてくれないのかな?」

ここまで目のやり場に困るような人は初めてだ

てか、何だ?バスローブ姿って!もうツッコミどころが満載すぎてどこを叩けばいいかわからん!

作者の特殊趣味なのか?とこの物語の作り手に言いたい所だ!

健全な高校男児としてはここは穏便にことを進めたい

というわけで

「…」

「あぁ~!ひど~い!私のこと無視した!」

ここはいなかったことに…そして、見なかったことにしておこう…

それが、多分、正しい選択だ

「ヨロシクね♪藪危くん♪私の名は天絡 之女♪あの変態な校長からもらった二つ名ってのは【墜落者】だよ♪」

「…」

あの校長が変態なのは否定しないが

まさか、この学校の生徒とは

「ちなみにクラスは2年X組❤」

…泣けてきた

同じクラスではなかったのは不幸中の幸いだが同じ学年に学校の屋上からバスローブ姿で飛び降りする少女がいるとは…

「ち・な・み・に❤」

「?」

「じゃ~ん♪」

「!? げっ!」

突然、バスローブを脱ぎ捨てるあからさまな変態

自分は目の前を手で覆い隠し目をつぶる

「大丈夫だよ♪」

「何が大丈夫なんだ!」

と見えない中

相手の気配をたどり頭を殴る

「この変態野郎が!まだ、狂凶【狂凶】校長の方がまとなだ!」

あの人を越えないまでもあの人と並ぶ変態だ!

てか、この小説をノクターンとかそこにいかせる気か!

「だって、大丈夫なんだもん…」

と弱弱しく返事をする変態

今から自分は彼女のことを変体と命名づけることにする

この物語始まって以来の…いや、自分の生きてきた中で一番の最悪なストーリー展開だな!

ネタ切れでもしてんのか?この作者は!

てか、こういう趣味なのか?そうなのか?

ならば、確かにプロフィール通りにどこまでも終わってるだけの人外な生物だな!

自分的には生物として認めたくない!

「だって、中にビキニ着てるもん…」

弱弱しく

「はぁ?」

変なこと言い出す変態

自分は少し目を開け確認する

「なっ!?」

そこにはほどよく引き締まった体にふくよかとはいかないまでも整った胸をし黒のビキニを着た

…変態がいた

俺は

「なっ!」

右手に拳を作り

振り上げ

「て!それでもただの変態だろうがぁ~!」

思いっきり振り下げる

彼女の脳天に

「キャ~!」

変態の悲鳴が上がる

てか、この状況どうなんだ?

どうするんだ?自分!

「ヒドイです!藪危くん♪この後はエロエロな展開が主流なのにこんなことするなんて!」

「誰もそんなシチュエーションをこの物語に望んじゃいねぇ~!今、世の中に渡ってるラブコメとかと同じにするな~!」

いまじゃあ、スポーツ漫画すら毒牙にかかってしまった時代だ!自分たちが止めなきゃ何になる!

「そんなこと言って先輩だっていっつも後輩とイチャイチャして変態チックなことしてるじゃないですか!」

「あれは!まだ、範疇てきにゆるされると思う!いや、思いたい!」

てか、百禍のあの行動を止めれば自分の命が危うい!

「そうですか?これくらいならバニーガールや紐ビキニとかよりはマシですよ♪」

「全国の純情な女子に謝れ!貴様の存在は間違いなく害悪だ!」

てか、お前の場合はこの大雨の中、ビキニという格好だぞ?

理解の範疇を越え過ぎだ!

「ていうか、言わせろ!自分は後輩と変態チックなことなんて一切してない!」

「首周りにキスさせといてですか?」

「…」

いや、されてるんだけどね?…

確かにそこを言われると…

てか、何で目の前にいる変態が自分をジト目で見てきてるんだ?

何なんだ?この状況?

「私からも言わせてください!今の女性読者なら大丈夫です!みんな私くらいの変態性は需要の範疇内です!」

「変態自覚あったのかぁ~!?てか、その需要って何だぁ!?」

もう意味不明だ!

「はぁ!はぁ!はぁ!」

自分が激しいツッコミで疲れる中

「へへ~ん♪」

と誇らしげに立つ変態

なんだ?今日の話は?

なぜ、こんな冒頭の所で変態についての話でこんなにも文字数を使ってるんだ?

「それは、必要枠な範囲だからです♪」

「…いや、心読むなよ」

何だ?この物語ではみな自分の心を読む特殊能力でもあるのか?

「…てか、このような会話が必要枠に含まれるのならこの物語での自分の役割は終わりかな?以外に早く立ったものだな…死亡フラグ」

「ちょっ!なんで、今の会話だけで死亡フラグ立つんですか!このくらいの会話はまだ、かわいいものですよ!藪危くんの偏見がひどいだけです!」

…何か、わからんが自分が怒られてる?

「しかも、藪危くんの周りに私みたいな人いるじゃん!心配する必要ないじゃん!ほら!後輩の百禍ちゃんだってレズだし同学年の暗道ちゃんだって吸血鬼コスプレっぽいし苦導ちゃんなんて眼帯キャラじゃん!」

「そんな目で!この物語のキャラクター見んなぁ~~~~~~~~~!!」

あまりにかけ離れた脳内構造の変態により俺の脳はパンク状態だった

鞄を振り上げ

「この!」

「えっ!?何!?」

思いっきり頭の上で振り下げる

「変態めがぁ~~~~!」

「きゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!」

「…」

「…」

やってしまった…

いや、

殺ってしまったかもしれない…

でも、しょうがないよな?

これ以上、物語を汚されるわけにはいかないし…

けど…なんだ?この状況?

目の前には着ていたバスローブを投げ捨て頭を鞄で殴られ気絶してる黒ビキニの同学年の少女…

雨は降り続き自分の肩と頭を冷やす…

…大丈夫だ

自分はただ、変態討伐したにすぎない

何も悪いことはしちゃいないさ♪

自分は忘れ去れた落ちてる傘を拾う

いつ、落としたんだっけ?

ツッコミどこの多い状況の中

いつ、傘を落としたのかもよく覚えていない

てか、この女はこんな格好で寒くないのか?

「…」

まぁ…年中無休でこの格好でいそうだし大丈夫か…

自分はさっきまでの記憶を闇に葬ること硬く決め校内へと入る



しかし、あれだ

今日の雨は少しひどい

おかげで、数分間あそこに立っているだけで制服が水を吸いきってる状態だ

教室に入り

誰もいない教室の中

今日の勉強の単位の担当は金髪ツインテールの美少女の削理 深炉先生

「…」

ブンブンと手元にある釘つきバットを振り回して近づいてくる

「…これが、今日の自分の死亡フラグだったか」

教室を駆け回る

三分ほどで捕まり

廊下は一時、血の海で染まった



「…」

深炉先生の

『狂凶校長のストックしてる制服を貰って来なさい』の一言により

自分は校長しつへと向かっていた

「はぁ~」

憂鬱だ

あの人と会うのは苦手だし

あの人も自分が苦手であろう

とは、言ってもそんなこと言っていては自分はこの存分に水を吸った学制服で勉強を受けなきゃならない

そんなことになれば次の日には絶対に風邪をひくことになるだろう

「…まったく、ついてない」

一人ごとを言うように校長室へと向かう

「…」

着いた

引き返したい…

自分は他の教室の扉を少し違った少し重い扉を開け校長室へと入る

「…やぁ♪…なんだお前か♪期待して損の数倍は損だね♪」

と意味のわからんことを言われる

虚四方 狂凶【むなしがた きょうきょう】…校長なのに服は自分の学校の学ランを着顎鬚が少し伸びた青年【見た目は】歳は20と若くあらゆる意味で校長としてダメだろう?っていう人だ

「…」

ちなみにここで話してはいけない

それはこの校長室の…狂凶校長の決めたルールがあるからである

まず、その一つとして

男子生徒は発言権を認められるまで話をしてはならない

というものがある

ちなみにこの禁を破れば快く死者の仲間入りが果たせるってものだ

…笑えない

しかも、許可が下りるまでは椅子にすら座れない

座ろうものなら狂凶校長により【達人殺人術】の餌食になる

「…」

「…♪」

凶器を扱うことに長けた達人一族、虚四方…

ここいる校長は

その虚四方一族の唯一の生き残りにして

一族を壊滅へと追いやった男…

生徒たちの間ではこの校長は【最凶】を呼ばれる

…実際、この町単位で指折りに入る実力者だろう

この学校の伝統として校長は強いものがなるというしきたりがある

ようは、前校長はこの狂凶校長に倒されたのだ

「…まぁ、いいか♪君は数少ないこの私が作った学生服を着てくれる生徒だし…発言権を認め座る権利も認めるよ♪」

「…ありがたいです」

ちなみにそれ以来、この校長を殺そうとするものはいない

自分は来客用に置かれたソファの上に座る

【かわいい女の子が来客者なら歓迎なのにな♪】

と本音をぼやくこの校長

「…」

この校長は部類の女好きだ

ひどい時は学生にも手を出したと噂される

…もう、辞めちまえばいいのに

「う~ん?何か言ったかい?悪運運送車?」

「いや!なんでもないです!」

何を読み取った!?

ちなみにこの人は人のことを自分のつけたあだ名でしか呼ばない

「相変わらず悪運送車は負荷結晶体と仲がいいらしいね♪いや~あんな事件があったのによく仲良くできるもんだ♪」

…それは皮肉か?

「…そうでもないですよ…振り回されてるだけです」

「この前にデートで彼女のコスプレに興奮してたくせに?」

「何であなたがデートのことについて知ってるんですか!?」

思わず叫ぶ自分

「それは、校長直伝の特殊能力【地獄耳】ってことで♪」

「直伝って!前校長にはないも教わってないはず!」

「教わってないよ♪」

「直伝じゃねぇ~!」

何だ?今日は自分にツッコミ死にさせろという命でも出てるのか?

前回も何だかんだで突っ込みどこ万歳な殺し屋兄弟が出てきたが

あれはその場の空気で耐え切ったってのに!

元から言っちゃあ何だが…【死】に未来があろうがなかろうがどうでもいいだろうがぁ~!



…すまない…自分はあまりにひどい展開の運び方に疲れを感じ

自暴自棄になっていたようだ…

もっと落ち着いてことを進めようと思う…

…しかし、あそこまで奇抜なファッションセンスを見せてきたヤツは始めた

…うん?頭の片隅で何かが通り抜けたような

…何か思い出してはならないようなものだった気がするので闇葬ることにする

「…相変わらず、都合の良い脳の作りになってるようだね♪悪運運送車の脳みそは♪」

「…そりゃあどうも」

とあしらうように答える

「あれ?冷めちゃった?」とかよくわからんことを言ってくるこの変態校長

「まぁ…どうでもいいけど♪また、厄介ものに巻き込まれたようだね♪君は♪」

と高そうな机の上に両足を置く狂凶校長

「…やっぱり、そういう類の人物なんです彼女は」

あの変態は

「まぁ♪誤って殺されないことだね♪」

「…」

…それほどの類の人物には見えなかったが

「見た目で人は判断できないよ♪へらへら笑ってるヤツほど何を考えてのるかわからない♪ってのは、やっぱ定番だし人と人♪他人は他人♪見た目ってのは人を判断するにはあまりにも薄いものしか見えないものさ♪」

「…」

まぁ…それは、そうか…

数々の狂人と会ってきた僕から言わせてもそれは間違いないこと…

いや…それは確実なこととも言える

「噂って怖いもんだよ♪悪運運送車♪君が思ってよりも邪悪でタチが悪いもんさ♪そういうモノたちはこぞって何かを持っているものさ♪特にこの町の連中の噂を持つモノは♪」

「…」

「ちなみに一番熱いのは君の噂さ♪悪運運送車くん♪この前も何だか殺し屋と揉め事を起こしたようだしね♪」

「…」

そう、霧型 形無…彼は間接的とはいえ

「君が殺したからね♪」

「…」

「君の呪われた因果は死を呼ぶ因果♪裏で囁かれるわ祟り神♪」

「…」

祟り神…か…それほど、生易しいものでもない気がするが…

少し多いとは言え

ここ二週間でそれに巻き込まれ死んだ人数は一ヶ月も過ぎない内に四人だ

はっきり言って、そこらの殺人鬼には負けないほどのペースの速い殺しだ

「今宵、交わるわ町中で囁かれる怪奇現象【飛ぶ少女】♪」

「…」

「果たして、どちらの噂が勝利するのかな♪私としてはその戦いを楽しみにしているんだが♪」

「…自分の殺しは楽しいとはかけ離れたものですよ」

「そりゃあそうだ♪悪運運送車がもたらす【死】にはまとも何もあったもんじゃあないさ♪」

…この人は!

癇に障る人だ

「まぁ、精々後悔しないように生きるんだね♪あっ!?これは愚問か♪君の人生はいつだって後悔に名を刻んだような価値観しかないからね♪」

「…」

大きなお世話だ!

「まぁ♪…それでも、後悔しないようにね♪」

「…了解です」

「それで、制服は…これで、いいな」

狂凶校長は机の引き出しからスペアの制服を取り出自分の顔に投げつけてくる

「…」

自分は無言でそのパスを受け取る

「…」

サイズを見ると寸分違わず自分の体に合った制服だ

「さぁ♪出ていきな♪私はここで君の答えを見守ろうじゃないか♪」

「…何も今回の舞台がここ…とは限らないんじゃないですか?」

マンション通りの対決…てのもありそうなシチュエーションだ

「いやぁ~…今回ばかりは舞台はここさぁ♪思う存分、溺れてきなさい♪」

「…水が関わってきそうな要素がどこにもありませんでしたが?」

とつっこんでおく

「おっ!?少しは調子が戻ったかな♪やっぱり君みたいな主役にはツッコミ役がお似合いだと思うけどね♪」

「自分は以外につっこまれるほうが多い人間だと思いますけどね…」

…たく、ペースを常に握られるからこの人は苦手だ

はっきり言って変態レベルで世の中にくわしい

なんでも、彼曰く女性は人目見ただけでスリーサイズがわかるらしく見ての通り

その対象が男性であってもあまり問題がない

時々、嫌がらせでXYサイズの制服を投げつけてくるという行為に及んでくることがあるが…

「よし!発言権取り消しだ♪出ていきな♪」

「…」

自分は何も言わずに礼だけをして校長室を去る

「…ハァ」

どっと疲れた

「…」

とりあえず自分は使われていないであろう

体育館の更衣室へと向かう

そこには

「…お!」

「…よ」

バスケでシュートの練習をしている首吊魔がいた

ちなみに首吊魔が投げたシュートはリングに弾かれていた

糸を扱うときはあんなに繊細な手つきなのに…

手つきの良さとシュートの上手さは関係ないようだ

…彼こそ我が仲良しグループ【不可思議】のメンバーの一人首吊魔 吊香【くびつりま つりか】だ

ヘリウムガスの吸ったような声と巨体…そして、着崩された制服が特徴

「…何だ?今日は遅刻して削理先生に怒られて外にでも投げ出されたのか?」

「あの人なら体裁とか気にしなそうだからな…てか、そこまでやったら法律で訴えられるんじゃねぇか?」

「…まぁ、この町ではそんなの無関係だがな」

「…そりゃあそうか」

残念ながら…

「…で?実際どうしたんだ?」

「…言いたくないだが」

思い出したくない

「…トラウマか?…血毬さんあたりか?」

「まぁ、確かにそのあたりにトラウマはあるけど、今回は違った意味の言いたくない…だな」

「…相当なことだと推測する…もしかして、この前、あの男と話して出てきた名前の殺し屋か?…手が早いな」

…この前、話して出てきた殺し屋?

「死群 鋭除ならもうすでに参話出てきてたけど?」

「…な!?俺の登場はまったく必要なく終わってしまったのか?」

マジで少しへこんでいた

「いや、実際自分も活躍してないな…」

「…? それじゃあ、何があったんだ?」

「まぁ、それは二人の男の秘密ってことで…」

少し気になるようだが納得してくれた

まぁ、それはそうだろう

あの霧型と名を連ねる殺し屋なのだから

「…」

あの後、血毬さんに死群 鋭除の情報を聞き出して見たのだが…内容はとんでもないものだった…



「そうですね…軽く彼は三桁の仕事を受けて三桁の殺人をしてみせるような男…てのは聞きますね♪」

「…いや、そこまで殺すと殺戮では?」

「しかも、手際が良くて仕事が速いことが有名でしてあの若さでここまでの殺しができる事から【殺し屋の期待のホープ】とまで囁かれています♪」

「…何か嫌だな…そのふたつ名」

「確か藪危様は祟り神でしたよね?すごいですよ♪この前の事件で藪危様のお株が大上がりです♪」

「…祟り神って呼ばれるだけでも嫌なのにな」

「あれ?悪運運送車はいいんですか?」

「断然いいと思うけど?祟り神って囁かれるよりはな」

何故か、ここで真剣な表情になる血毬さん

「…時々、藪危様のセンスがわからなくなることがあります…やはり、ここはツッコミの応用形であるスルーを使うべきなんでしょうか?」

「そんな、可笑しいこと言ったか!?」

「…すいません。血毬のゆとり教育がひどくて」

「そんなことないよ!?てか!自分はそんなかわいそうな子じゃない!むしろ、かわいそうなのはあんただ!」

「鋭いツッコミ❤」

「今の会話に❤いらないよね!?」

意味わからなくテンションが高いのはこの人ならいつものことだが

「まぁ、私に分かるところはそんな所です…今なら、藪危様の方が知ってるんじゃないんですか?」

「…一度会った相手を分かるほど自分は優れてない」

「あら?そうですか?いつも、一度しか会ってない相手を相手に心と心との心理戦を幾度なく繰り返してきた藪危様が言うと説得力が微塵にもありませんが?」

「…そうでもないですよ」

自分はただ流され逆らわず従い諦め続けただけ…

「…とても他人から見たら自分の殺しは人類最大の惨殺方法だと思いますよ?」

「そうですか?私は中々、かわい気があると思いますよ♪」

…そりゃあ、あんたに限ってだ



てな、感じだった

まぁ、後半の路線の外れっぷりにはページ稼ぎであることは否めない

「…それで?」

「うん?」

「…実際の所は?」

「…」

アレを思い出さなきゃいけないのか?

「…飛び降り自殺女性の現場に遭群してこうなった」

かなりハブいて言った

「…? 飛び降り?それは可笑しな死に方を理想とするヤツだな」

自分には首吊りとあまり変わらん気がするが…

「…そしたら、服って濡れるものか?」

「…いや、いろいろあったんだが…聞くな!」

「…? まぁ、そこまでお前が言うなら」

ものすごく不満気だがどうしようもない

あれは思い出したいとか出したくないとかの類ではない

消えてほしいに部類されるものだ!

「「…」」

いつくか、シュートを打ちことごとくリングに跳ね返された首吊魔はバスケットボールを自分の隣に置きその上に座る

「…で?」

「で?とは?」

「…その女はどこへ向かって飛んだんだ?」

どこへ向かって?

「…空…には見えなかったな…見る限り」

「…」

首吊魔は自分の顔を覗き込む

「…多分、アレは…【地】だな」

「【地】?」

「あぁ…多分、彼女は地に向かって落ちてったんだ…」

「…それは残念この上ないな」

立ち上がる首吊魔

「…【飛ぶ少女】が【地】向かって落ちていく…か」

「? 何か知ってるのか彼女のこと?」

「…いや、噂で聞いたに過ぎない」

「…」

「…俺から言わせれば人が飛び降りる理由には【飛ぶ】…【自由を得る】…というものの類しか考えつくことができない」

「…」

「…その類の人間とは俺は殺しあう気になれない…この前のあいつもそうだが…【死】の理想について履き違える輩が多すぎる…ああいう類に人間と関わるのは今回ばかり勘弁だ」

…まぁ、確かにあれは【理想】とはかけ離れた意味に目指された【死】だろう…

「…しかし、もしお前が力を貸してほしいと言うなら俺は有無を言わずに協力するが」

…心配性だな…首吊魔は

「…いや、大丈夫だ。あの程度の変態は自分一人が相手にすればどうにかなる類だ」

「…そうか」

俺は立ち上がり更衣室へと向かう

「…藪危」

「? 何だ?」

「…削理先生がぼやいてたぞ…四月からサボり癖がついてきてるって…テストでもしようかとか」

「それはヤバイな!」

早急に対策を考えねば!

まずは教室に待たせているから早く着替えて教室に向かわなければ!

「…藪危」

「…何だ?」

「…この前のお返しだ…【死ぬ】なよ?」

「…誰にもの言ってるだ?首吊魔」

気にする必要もない

「…自分は悪運運送車だ♪」

届ける立場の人間であって自分は運ばれるような人間ではない

「…あぁ、そうだな」

自分が更衣室で着替えて出た頃には

首吊魔は体育館にいなく

「…」

首吊魔が使っていたリングは粉々になり周りに破片がちらばっていた

「…」

…いや、八つ当たりかよ!



教室で説教をくらい授業を終える頃にはすでに昼休み

「…」

教室を出て横を見ると

大きな瞳から光を失ったような目で百禍を自分を見ていた

「…」

「…藪危先輩★」

「…」

「…何でも、今朝は楽しそうなことしてたそうですね★」

…目がわらわない

「…何でも乳くり合ってたとか★」

よくわからんが

「それは誤解だぁ~~~!!」

どう捻じ曲がればそうなる!?

「…苦導先輩が言ってました★」

戦掛~!

「…あのな…百禍?」

「よく分かりました♪…先輩が女に節操のないクズだって★」

何も理解されてねぇ~!

「…」

ヤバイ!…冷や汗掻いてきた

「…どうしましたか?藪危先輩★」

自分は百禍に背を向け

クラウチングスタートを切る準備をする

「…★」

「…」

一かバチの賭けに

自分は出た



「何だ♪藪危先輩♪誤解でしたら誤解って言ってくださいよ★」

「…言ってた」

なのに吊るし上がられた

「そうですか♪グランドにいた痴女を倒してたんですね★」

「…」

…まぁ、間違ってはいない

「それは、大変でしたね★」

「…まぁな」

「殺しておきますか★」

「結論早!てか、そんな気軽に殺すな!」

何でこの町の住人は見境なく殺しに走ることができるのか

よくわからない

「冗談ですよ♪藪危先輩★」

「…百禍が言うと本気で冗談にならない」

ここで『よし!』って言ったら多分、数分で彼女は亡骸としてこの町の闇へと葬られるのだろう

ちなみに、自分たちは教室にも戻り自分は自分の愛席である窓側から三番目の席に百禍はその前の席の椅子を向かうようにして座っている

「わたしは藪危先輩のことが心配なだけです★」

「…自分は百禍の将来が本気で心配だ」

「暗道先輩が恋人で♪藪危先輩が愛人❤…キャ★」

「…まずは、精神科を勧めたほうがいいか?」

百禍の身のためにも

「大丈夫ですよ♪わたしはあの自殺願望者とは違いますから♪」

「…」

「それよりも、藪危先輩はこの後はわたしたちと学校の近くのケーキカフェでお食事しませんか★」

「…遠慮します」

財布が数秒で空っぽになる

「…わたし“たち”?」

「苦導先輩を仲間はずれにする気ですか★」

…まぁ、そう言われればそうか

「…なぁ、百禍」

「何ですか…藪危先輩★」

聞いておく必要がありそうだから聞いておこうと思う

「…【飛ぶ少女】についてくわしく教えてくれないか?」

自分と相対するであろう変態

「…何のための振りですか?いい加減にしないと苦導先輩に藪危先輩が年下の女子高生をナンパしているって暴露しちゃいますよ

★」

「…いや、今朝のことは戦掛に気づかれてるだろ?」

「未来形の話をしています★」

「…いや、そんな展開はあの変態とは未来永劫にないから」

自分にはあんな変態を相手にする特殊趣味は備わっていない

「ふぅ~ん…そうですか…★」

少しおもしろげなさそうに呟き

うれしそうに笑う

「そうですもんね♪藪危先輩はわたし一筋ですもんね★」

「…恥ずかしいことを大っぴらに言うな!」

絶対、自分の顔は今、蛸のように茹で上がっているはず

「とても、気分がいいですから♪特別に藪危先輩にいま噂の【飛ぶ少女】について★」

…【飛ぶ少女】

少女ではなく変態であることは間違いないが

「今、この町でホットな話題の噂なんですけどね★」

はしゃぎながら話す百禍

こちらは早く核心をついてこの物語を終わらせてしまいたいくらいに憂鬱な気分なのだが

「で…」

すかさずに【少女】の所でツッコミを入れようとした所で

「? …いきなり、話に割り込みを入れちゃうんですか★」

首ロック

「…聞き間違いだろ?」

苦しい嘘

いろんな意味で

「…そうですね…彼女が遠くから見ると少女に見えるからじゃないですか★」

「…」

出たよ…一方的なテレパシー的要素

相変わらず俺のプライバシーをそっちのけだ

てか、その口調だとあの変態を知ってるような言い回しだ

…いや…多分、百禍は知ってるんだろう

「かなり噂として広がっていますがこの町の【怪談】として広がりつつありますよ★」

「…【怪談】?」

首のロックが解除される

「お化けなんかが主に語られるアレですよ★」

「…いや、その類はけっこう好きだけど?」

アレがそこまでになってるって言うのか?

「舐めてはいけませんよ♪藪危先輩♪あれでも、彼女は二桁程度には人を道連れにしてるんですから…★」

「殺すのではなく道連れ?」

「えぇ…♪彼女の殺しは殺すというよりは道連れです★」

「…」

それは意味不明だな…

「で結局、簡単にことを話すとどう言う事なんだ?」

これ以上に引っ張りすぎるのも問題であろう

不可解であっていいが

この物語が不快であっていいわけがない…

…いや、不快であるべきなのか?

「もう…藪危先輩ったら相変わらず人類全体に嫌われるような性格していますね♪」

「…ありがとよ」

全然、嬉しくはないが…

「後輩とのこの甘い一時を楽しまずにどうするんですか★」

「…いや、そんな展開を一ミリも望んでないから」

軽く流す

すると

「ほんとですか~★」

と一瞬で自分の目の前に移動し鼻と鼻の距離が2cmない所まで顔を近づけてくる

「…」

「…★」

綺麗な大きな瞳が自分の両目に見える

二つの瞳は中には自分が映っているのが見えるくらいにきれいだ

…ホントにタチが悪い

自分はその状況に耐え切れずに目を逸らす

「ニシシ♪」

「…」

多分、自分の顔は真っ赤なのだろう

百禍の顔が耳元に近づいてくるのが感じ取れる

百禍は自分の耳元に顔を近づけると甘く囁く

「何も長ったらしい噂でもなければ怖がるようなことのない怪談です★」

「…そうか」

「ただ、白き落ちる少女を見たものは一月後に同じように一緒に落ちて死んじゃいます♪と言った類の笑える噂なんですよ♪ねぇ?うけるでしょ?藪危先輩★」

「…その話のどこにうけるような要素があったのかが一ミリ単位ですらわからないがな」

しかも、一月後に同じような末路を辿るなど気味悪いにもほどがある怪談だ

と、いうことは近いうちに自分はあの変態と一緒に落ちる末路なのか

しかし、やはり百禍もこの町の一員ではある

こんな話をうけるものと例えるとは大概の人には理解できない範疇に入るだろう

「…さて」

立ち上がる自分

その仕草に少しばかりは疑問を抱く百禍

「どうかしましたか?」

確かにそうだろう

自分の通すスタンスなら

本来ならここは待ち構えるといった類が主流だ

…ようは何もしないでことが始まるのを待つと言った運命に対してどうしようともしない最高なヘタレの考えだ

…まぁ、実際にどうこうしようとはあまり考えには至っていないのだが

「あの変態が一月後に自分を同じような境地に連れて行こうってゆうなら」

そのような自体はあまり想像もしたくもないが

「こちらから仕掛けたほうが数倍マシだろ?」

まぁ、気分が悪いわけでもないし

この方が気分的にも自分らしい感じがする…

今回ばかりはでしゃばらせてもらおう

「やられっぱなしも好きってわけではないからな」

「へぇ~♪そうなんですか★」

他人事のように言う百禍

「他人事じゃないぞ。百禍には少しばかり手伝ってもらうし」

「大丈夫です♪どうしてもダメな時はわたしが殺っちゃいますから♪」

「…いや、そんなことにはしたくはないが」

…どうだろうか?

「今回はあの死群 鋭除みたいに話すだけで何もなくことを運びたいわけだが…」

「そうもいかないんじゃないんですか?物語は進んでしまいましたから♪そう簡単に終わらせてくれはしてくれないかと思いますよ♪」

「…一応、何の話をしているんだ?百禍は?」

どうも、この物語の人物たちは物語の毒的なものに侵されている気がする

自分もその一人のわけだが…【一応自覚はしているさ】

「今回の相手はまがりにも噂を広める殺人鬼…いえ、そう呼ぶにはふさわしくないでしょう…彼女は殺人鬼と呼ぶよりは倫理の冒涜者とでも呼んだほうがいいでしょう」

「…」

倫理の冒涜者…倫理を汚すもの…

「わたしには彼女はそのような行為を犯すだけの狂人にしか見えませんでした…」

百禍も椅子に座った時にスカートついた埃を払い立ち上がる

「…ここからは藪危先輩の出番ですね★」

「…あぁ」

そうだ…ここからは自分の戦いだ

「まずは情報収集か…百禍」

「君が好きだ…て言ったらやってもいいですよ★」

「…意地悪しないでくれ」

「アハ♪了解です★」

元気よく机の上を飛び越え教室前方の扉へと飛ぶ

「…」

果たしてここから教室の扉はどれくらいあるのだろうか?

もしかしたら、世界記録とか簡単に塗り替えてしまう距離だったりしないよな?

「それでは藪危先輩★」

振り返る笑うと言う

「言ってきます★」

「…あぁ」

教室を出て行くその姿を軽く見送る

…さて、

自分はケータイを取り出す

連絡をとる人物など一人しかいない

手馴れた動きでリダイヤル欄から彼女の番号を見つけ電話をかける

自分はケータイを耳元へと近づけその人物を待つ

やがて、繋がる

「…苦導か?」

『…戦掛と呼べといったであろう…そして、吾を呼び出してもその呼び出しのいい文句は変わることを知らないのか?その言い出しには聞き飽きて貴様ごとキリストの十字架に立ててやりたい気持ちだ♪』

「…特殊な趣味をしてるんだな…戦掛は」

『…いつもそんなふうに真面目に受け取られるとそれはそれで吾でも対応に困るが』

ため息が向こう側聞こえる

…何か悪いことをしたか?

「それで、お願いがあるんだが」

『乙女の悩みで解決すべき事件などこの世に存在すると貴様はそう言いたいのか?藪危?』

「いや、そこまで言った気はしないけど…」

『吾は思うのだが貴様以上に常識はずれの話の進め方をする主人公はいないんじゃないか?』

「…それは、貶してるのか?心配してくれてるのか?」

『どっちもだ♪』

「…そりゃあ、どうも」

戦掛節は絶好調らしい

『それで何の相談だ?浮気のうまくやり方でも伝授してほしいってことか?』

「だれもそんな展開は望んでないしそんな展開はない!」

思わず教卓の上に立ち左手でその上を叩いた

『ふふふ♪荒れてるようだな♪藪危先輩は♪』

「だいだい、百禍を差し金に嫌がらせをするのはやめてくれ!マジで殺されますから!」

『そうか?貴様には走馬灯をみたい的な特殊な趣味があるとばかり思っていたが♪』

「そんな趣味はない!むしろ、見飽きたといった方がいいほどだ!」

これまでも散々見てきた

『…そうだな…その中には吾はいたか?』

「?」

ここにきて妙なことを言う戦掛

「…中学のときみたのに出てきた気がするが」

うろ覚えである

「…そうか…吾も貴様の走馬灯の中に参加してるんだな!そうか」

「…?」

この頃、妙な行動が苦導に増えている気がする

特にあの血飛沫【ちしぶき】の事件からだ

血飛沫…かつて、自分が始めて恋を抱いた人物…

…語るにはくだらないような恋物語

『…そうだ…吾が一番早く出会っているのだ』

小声でしゃべるその声は届かない

「…」

ただ…その言葉は切なげだった…



この後、ことの説明をし戦掛には【飛ぶ少女】の情報と【天絡 之女】の調査を依頼した

帰り道の校門

「…」

予想外と言えばいいのだろうか?

予想すべきだった言うのだろうか?

そこには

「こんばんはですね♪藪危くん♪今朝ぶりですね♪」

近づいてくるその人物は

「やはり、私たちは運命で繋がってるんですね♪」

変態が待ち構えていた

…あのような暴力を振るわれたに関わらずに天絡 之女は自分の前に立っていた

自分は彼女を見ないようにし

晴れた星空を見上げる

「…晴れたのか」

自分は静かに足を進めると後ろから聞こえる蝉の鳴き声は夏の近づきを知らせていた…



「ふっ!そうか!藪危くんは私にそんな行動をとっちゃう人なんだ♪いいよ♪それなら、私には私の考えがあるもん♪」

例のマンション通りを一人で歩く自分

さっきからコオロギの大合唱がうるさいのだが何とか静かになった

確かに彼女のことについて調査するなら本人に聞くのが一番だが

それはできない…

この体が拒絶反応をしてしまうからだ

体が危機を知らせるのだから仕方がない

これは自分のせいでもなんでもない

彼女のせいでもない…

これは、儚き自分らの定めなのだ

自分は気づかなかった

静かになった帰り道の屋上で

「とう♪」

という怪しき言葉響き

そして、その人物は頭からすごい速度で落下し

自分の頭へと向かっているころに

気づく間もなく

「気づけぇ~~~~!」

と頭の上で叫び頭から衝突する彼女の声が響く頃には

「ギャ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!」

自分の情けない声が響き渡っていた

…この頃


  自分の人生


    こんなことばっかりだ…


意識が薄れる中

自分はそんなことを思った




とある放課後…

それは自分が【俺】でもなく【自分】ですらなかった

ある放課後

自身は苦導に告げる

「いいのか?」

自身はとんでもない計画を実行に動こうとしていた

ただ思うがままに…

感情のままに…

怒りの思うがままに…

自身は動こうとしていた

この憤りをぶつけるために

「何がだ?藪危?」

不思議そうにそう言う苦導

「この事は自身の欲望を満たすに過ぎない問題だぞ?」

ただでさえ、大事なのだ…多大なる被害は避けられないし

「お前はこの町を敵に回しかねないんだぞ?苦導?」

教室でティーポットにお湯を注ぎながら『あぁ…そんなことか…』と呟く

「…ふざけているのか?自身が相手にする相手を忘れてしまうほど自身は君を壊した覚えはないが」

「藪危に殺されるだって?そんな事実は吾の中で成立することは一生ないだろうね♪」

「…では何が成立するんだ?」

「…愛だよ」

苦導の顔が迫る

少しばかりか頬が赤い

「吾が貴様から受ける全ての行為は愛でしかないんだ…吾はそれを受けるために生きてきたと言ってもいい…それが、殺される結果になろうとも…吾は貴様のその愛を受けられるのなら離れはしない…絶対な♪」

「…後悔するぞ?…一生を越えて来世を含めてな」

「それはない…吾の後悔はいつだって一つだ…


        もっと早く貴様に会いたかった…


 それだけだ♪」

「…」

そうだ…

苦導はいつだってそうだ

あの日から自分のそばから離れることはなかった

あれは一種の恋に似ていたがそれとは少し違っている…

彼女の場合はそう…崇拝に近い…

自分と言う存在を崇拝し狂信している…

それが今の苦導…

それの心をいつだって利用し好きなままに自分を変えてきた…

それが自分…

こうも、入り組んだ自分の日常はまた

闇へと落ちていく…

落ちていく…

彼女…

天絡 之女が落ち続けているように

自分も落ちていく…

そこのない闇へと…

闇昇の深き呪いへと



長い夢を見ていた気がする

あたりは真っ暗になり街灯は灯りだしていた

自分は妙に心地よい感覚を後頭部に感じながら眼を開ける

「気がつきましたか♪」

そこには白い髪の垂れ下がった変態の顔があった

天絡 之女…

まるで、血飛沫のような白き髪を持った女

決定的に違うのはその瞳

血飛沫は何故か何似合わずに美しい青い瞳

この人物…天絡 之女は白い瞳…

「…」

しかし、その瞳の奥に映る景色は確かに彼女に似ていた…

「…最悪だ」

公園のベンチで変態の膝の上で膝枕をさせられているという最悪な状況

「?…最高の状況の間違いですか?こんなこと世の男性の諸君がされれば頬を赤らめて恥ずかし恥ずかしです♪」

「…相手が中に水着着用でバスローブを着ていない場合による…そんなもんだろう?」

「いえ!そこは萌えポイントです!」

と膝枕状態でドヤ顔をする変態

「…やっぱ、君は変態だな」

「ひどいです!いや…それは一種のツンデレでやつですか?粘ればデレる♪ってシロモノですか♪」

「…君の頭な一種の病気だな…ガン類の…」

「私は威厳があるってことですか♪」

「どうやって生きてきたらそんなに頭の脳内細胞が死んでしまうんだ?」

「さっきから私のこと…」

…やっとか

「もしかして藪危くんって私のこと好き系?」

「どうやったらそうなるんだぁ~~~~~~~~~!?」

今日一日は人生の中で一番叫んでいる日な気がする

「冗談ですよ♪冗談♪」

「…死ねばいいと思います」

本気で

「困ったものですね…私はどうやって藪危のツンツンをデレデレへのルートへの攻略への道を辿ればいいんだろう?」

「そんなルートは存在しない!」

さっきから話が噛み合わないことばかりだ

ツンだのデレだのいったい何のことを言ってるんだ?

しかし、人生の経験上、嫌味を言われているのは間違いないだろう…

てか

「そのしゃべり方何なんだ?」

「今時の若者言葉です♪」

「そんな時代が来てるのなら世の中も末期だな」

「ダメですよ!そんなことを言ちゃあ!藪危くんは世界中を敵に回すつもりですか!」

「…そんな規模のでかい話なのか?」

よくわからん…

「てか、そんな外の情報をどうやって手に入れてんだ?」

「…え?」

「この闇里死【あんざとし】は閉鎖空間に近い町だろう?そんな、外からの情報は遮断しているしな」

もし、そんな情報をこの町で得ようとすれば荒餓鬼の一族あたりが飛んでくるだろう…

「それは禁則○×ってことで♪」

「…貴様、何か今、大きな流れに喧嘩を売らなかったか?」

何か引っかかりそうで怖いのだが…

「これを言えば何とかなるって上の人から言われました♪」

「誰だよ…その【上の人】ってやつ…」

「それも♪「ストップ!」」

これ以上、この物語を荒らし回られてはたまったものじゃない

「これで君との会話は終わりだ!」

自分は頭を膝から外し腰を上げる

「えぇ~!」と言う変態

「これから私たちの甘い展開は?」

「一切ない!」

自分はベンチの上に立ち上がり

断言し

ベンチから飛ぶ…

ほんの一メートルほどの飛行

しかし、それは

彼女と違い…落ちるためではなく飛ぶための一メートル…

自分は振り返らない

「…藪危くんは私のことを調査してるらしいですね♪」

「…現在進行形でな」

「無駄ですよ」

断言される

しかし、自分は振り返らない

「私は藪危くんとは違います…たかが噂話の存在でしかありません…生きていればそれだけで忘れ去られていくような儚い都市伝説に過ぎないんですよ…」

「…そんな都市伝説ならかわいかったんだけどな」

実際は違う

ここに立つ彼女は人を殺す噂であり

人を巻き込むタチの悪い噂だ

「けど、噂は噂に過ぎません…」

「…」

自分は歩き出す公園の外へと向けて足を進め

「…噂に暴かれるべき真実などは元から存在しないんですよ?知ってましたか?藪危くん?それは、そう…ファンタジーのゲームに魔法があることの理由を分析するような…それくらいに無駄なことです…」

「…」

公園の外を出たところで振り返ると

彼女はいない

「…噂の少女…【飛ぶ少女】…か」

自分は独り言のように呟き

公園を後にする



「…で、これだけ自分たちが動いて情報ほぼ0ってどうだ?」

自分は教室窓側から三番目の机に顔を乗せて

愚痴を零す悪運運送車

「…そう言われましても相手が噂ですから…空気を相手取るようなものですよ★」

と少し意味不明なことを言い俺の前に立っている百禍

「…吾は策略や終わらせを専門にするのであって調査は得意とする分野ではないと前にも言ったことがあるはずだが?」

そう言い、自分の隣に立つ戦掛

「あぁ…そう言えば言ってたな」

まぁ、あの時は気が立っていたからな…

そんな依頼も戦掛にしたっけ

「わたしについてもそんな所です★」

と万遍の笑みで答える百禍だが

やはり、何か知っているようにも見える

しかし、ここで問いただしても答えは聞き出せないのだろう…

番組の後すぐ!ならぬ

悲劇の後すぐ!的に教えてくれそうな雰囲気をかもし出している

「…まぁ、ぶつけ本番か」

そんな所だろう…

自分の人生の場合

物事がうまくいった試しがない

いつも、腐りきったような因果が自分と周りを巻き込んで終わらせていってしまうからだ

さて、

「…今回は交渉の余地がある相手…てことでいいのかな?」

「それはムリだろうな」

戦掛が自信たっぷりに答える

「…根拠は?」

「その女については知らんがその噂は曰くつきなものがあってな」

曰く?

「その女を見たものは三週間後に飛び降りって死ぬと言ったものだ」

「…それはもう【怪談】の域に達しているのでは?」

「いや…今はまだ【噂】の類だな」

…それは厄介なものだ

「ようは、今回の自分は人を殺す噂と対決しろと?」

「しない方法もあるかもしれませんが、藪危先輩の場合は何やっても不可能では?」

「…」

反論できない…

「…一応その解呪らしき方法があるがやって見るのか?いや♪貴様の場合は状況を悪化させて見るのか?と言うほうが正しいか♪」

とめちゃくちゃ楽しそうな顔で言う戦掛

他人の不幸を楽しみすぎだろう!?

「…まぁ、間違っちゃいないな」

…しかし、まぁ

「これほど、自分たちがでしゃばってこの成果とは情けないな…」

「それは貴様と同意だな…」

「けど♪けど♪わたしはおもしろいことに気がつきましたよ♪藪危先輩★」

「…おもしろいこと?」

「ほら、彼女に校長が与えたって言う二つ名のことですよ★」

「…確か、墜落者【ついらくしゃ】だったか?墜落者【ついらくしゃ】の天絡 之女」

二つ名について聞き出したのは百禍だ

はっきり言うと自分と戦掛はあの校長が苦手で自分から会うなどと言うことは天と地がひっくり返ってもありえない

「よく考えてみてくださいよ♪少しおもしろいことに気がつきますよ♪」

「…?」

少しばかり思考を深める自分と戦掛

先に「あぁ…」と声をあげたのはやはり戦掛

数秒で答えにたどり着いたようだ

「…そういうことか」

「…どういうことだ?」

答えが出せきれずにうずうずした自分はつい戦掛に答えを求めた

「相変わらず、スポンジ脳異常に貴様の頭は風の通る隙間が多いようだな♪藪危♪」

「…ほっとけ」

「何も難しいことではない…しかし、気づくとおもしろいものだぞ♪笑みが止まらない♪本人が気づいていないのなら極上の笑い種だ♪」

「…」

やはり、思考は自分の領分ではない…

「わたしたちに置き換えて考えればわかるかもですよ♪」

「自分たち?」

狂人

異人

変人

狂信

狂乱

虐殺

殺戮

惨殺

絶望…

「…あぁ」

それらしきワードを並べてやっと気づく

「♪遅すぎる解だな♪その程度の貴様が吾と殺り合ったなど誰が予想できようか♪」

「…相変わらず楽しそうな罵声ありがとう」

しかし、そんなことか…

いや、確かにそんなことだ

「中々おもしろい答えじゃないですか★」

と事実に先に行き着き自分の悩む姿を楽しんでいた百禍が言う

「そうだな…おもしろくはあるが楽しくはないかな?」

そうか…そういう意味もあるのか

「墜落者【ついらくしゃ】ならぬ…

確かに堕ちきっている


          堕落者【だらくしゃ】か



三週間とはあっという間だ…

それを言うなら一週間も一年もあまり変わらない気もしなくはないが

動物は時間を感じないと言うが

人間は本当に時間を感じているだろうか?

「ねぇえ?」

本当は自分たちが感じている記憶的時間は平行線で実は過去も未来も何ら変わりないものであるとも言えるのではないだろうか?

「そろそろ、私のこと見てくれませんか?藪危くん!」

…と、まぁ現実逃避して見たがうまく行かないものだ

目の前に

「…残像が見える」

「幻覚ですらないの!?私!?」

教室窓側から三番目に座る自分の目の前はバスローブ姿の恥女が立っていた

「恥女じゃない!私は健全な女子高生だ♪」

「全国の女子高校生に謝って来~い!」

あまりにも常識はずれのリアクションにツッコんでしまった

「ひどい…私のことはお遊びだったのね…」

「何の話だ!?」

どっから飛躍した!?

「あぁ…あの甘い夜の一時も忘れてしまったのね♪」

「…思ったが、君はとことん詠見川【よみかぜ】さんに似ているな」

「詠見川?」

「詠見川 天百合【よみかわ あまゆり】時代が生んだ最悪の魔女だ」

「詠見川ってあの裏舞台の一族の一つと言われる一族のこと?」

「…あぁ」

残念ながらあんなのが

「すごい!」

「!」

顔と顔の距離10cm

変態の瞳に自分が映っているのが見える

「伝説とまで言われる裏舞台の一族!その一族の一つ!未来視を持つと言われた!稀代の一族と接触があるなんて♪」

「…そんな興奮するほどいいことか?彼女と関わっていいことなんて一つもなかった気がするぞ?」

鬱蒔姫の連中や三凶賢王の残り二人よりは可愛げのあるやつだが…アレと比べるのはどうだろうか?

アレはアレで人外すぎる類の連中だしな…

「すごいですよ!私のような【噂】程度何かとは大違いです!藪危くんと私の出会いもあながち偶然ではなかったんですね♪」

「…自分はこの出会いを必然とは思いたくはない」

変態との出会いが必然になっているなど涙物でしかない

「…♪」

変態はうれしそうに笑い

「…」

多分、自分は悲しそうに笑う…

「けどな…」

自分は重い口を開く

「やっぱり、君と詠見川とは違うんだよ…」

似ているけど似ていない…

「…」

「君のそのからかいは非情から来るようだけど…」

そう…だから、彼女の瞳は誰よりも白い

「詠見川のそれは不器用さ満点の優しさが含まれているんだ…」

いつも、他人よりも人のことを優先しいつも自分よりも他人に優しくする

それは

深き愛よりも切なく

海よりも広く広がるがごとし…

だからこそ…

そんな彼女だからこそ

「自分は嫌いなんだ…」

「…」

「なぁ?」


      いつまで、そうやってほくそえんでるつもりだ?堕落者「だらくしゃ」…


「フッフフ♪」

先程までの変態さんとは思えない冷たい鋭い笑い声…

「フフフフ♪」

それが、

「ハァ~ハハハハ!ハァ~ハハハ!」

部屋中を

「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ♪」

こだまする

「…ハァ」

壊れたのか?元からこうだったのかなどは知らない…

しかし、やはりこの変態もただの変態ではなかったってことか…

「おもしろいことを言うんだね♪藪危くんは♪」

あざ笑うように言う

「…自分は冗談が嫌いなので有名ですが?」

空気を感じないとも言われたこともある

「フフフ♪やっぱり、おもしろいね♪藪危くんは♪」

顔を離すと共に自分の頬に両手で包み込むように近づけてくる

その目は

「私の思ったとおり…おもしろい人♪」

白き瞳に狂気を混ぜた色をしていた

「…」

「行きましょう♪藪危くん♪ここで私たちのお話を飾るのにはふさわしくないでしょう?」

右手が突然彼女の両手に引かれる

無邪気な顔で笑い自分の手を引くバスローブ姿の変態

「…」

しかし、その笑いは

「ハハハハハハハ♪」

不気味帯びている癖に

とても


       綺麗だった



始まり…

それはどの物語でも大切にされる心臓のようなもの

場所となればいまさらながらここ…

マンション通りの5階建てマンション屋上

「…」

今日は夏が近づくくせにやけに外の空気は冷たく息が少し白いのがわかる

今の活躍する作者たちはこぞって始まりの場面・展開…そして、その場所に愛着を注ぎ込むことが多いように自分には見える

「…まぁ、そうだな」

そう…始めは大切だ

出会いを繰り返す生き物たる人間…

ならば、その出会いの始まりは必然と大切になってくる

それは…狂人である自分でも例外はないってこともあるようだ

「綺麗だね♪」

空を見上げて彼女は言う

「…」

激しい風が冷たく頬を撫でる

なんとなく話の流れ的に空を見上げる

「…」

雨はまだ降らない…

…確か、今日のこの地域の雨の降る確率は30%だっけ?

低いんだか高いんだかあまりよくわからんがこの雲行きだと嵐までも来そうだ

「…確かに…自分は天気で晴れてるってのが元々嫌いだから曇りは好きだな」

「そうなんだ♪」

雲はゴロゴロと唸る

「…けど」

「?」


       「雨はあんまり好きじゃないな」


「…」

「あまりにもたくさんのものを一緒に奪い合ったような仲だからな…」

自分は目を閉じ頭を下げ

雨と一緒にたくさんの未来を奪い

雨と一緒にたくさんのモノを壊してきた

そして…彼女さえも…

「ねぇ…」

「…」

「私がその一人になったらあなたは泣くのかな?」

少し嬉しげに…そして、寂しげに笑う

「…さぁな」

実際にそんなもんだ

「自分は何せそういうことに対して鈍感というよりは興味がないようだしな…」

「…人の死に?」

「…そう…人の死に」

だからこそ、自分は涙を枯らしたのだろう…

いつだっただろうか?

この涙が枯れてしまったのは…

「…そんなことはないわ…あなたはとても優しい人」

皮肉そうに笑う

「…ほんとはそんなこと少しも思ってない癖に」

悪態をつくと

「えぇ…そうね♪」

呆気なく認める

「「…」」

自分は屋上にマンション通りが見渡せるように座り

その隣に彼女が座る

自分は隣に座る彼女の瞳を見つめ

彼女は空を見ることなく地平線を見つめる

「「…」」

墜落【だらく】する者

不幸を運ぶ者…

噂と狂人という形で出逢う二人…

そこには光はなく

深き暗闇だけが自分らを包み込む

今にも雷の降りそうな空は

皮肉も自分らの出逢いを祝福しているように見えた

…そして、別れも

「…」

「…ねぇ?あなたはどうしたいの?」

彼女から目を逸らし地平線へと目を向けた

自分の瞳の前に彼女は現れる

「…唐突に目の前に現れるな!」

「えぇ~!!」

その表情は偽っているのか真実を映しているかなどわからないが

彼女は残念がっているようだった

「…」

「それだけは嫌だな♪」

「…何で?」

「だって…」

彼女は自分に近づく

自分は少し彼女のその突然の行動に驚き身を少し引くが殺意がないことを感じると抵抗をやめることにする

…体が重なる

今にも消えそうなくらい弱そうな一人の噂と

今にも折れそうなくらい心の弱い狂人

二人は重なるが

そこに温かみは生まれない

優しさも

同情も

うれしさも

いやしさも

悲しさも…


そこにあるのは


         寂しさだけ


「「…」」

感じる…自分とは比較にならないくらいに薄い心を…

傷を負うものとは違う…ひとつの大きな傷…

それは傷つかないという

もっとも悲しく

さびしい傷…

「…誰も私を感じようとする人なんかいなかった」

「…」

「いつもね…私を満たすのは物語や架空の世界の生き物たち…」

語りだす彼女手は少し震えている

「彼らはね…裏切らないんだ…私へといつも語りかけてくれる」

「…」

「そうやって、生きたら誰も私を見なくなったんだ…誰も、私を感じなくなったの…何でかな?」

「…」

なんで?…

明確じゃないか…

それは自分らが持つもっとも人として持たなければならないものが欠けているからだ

それは

「わかるよ…私だってあなたを感じたから…あなたが私と同じなのを」

    愛…

愛する心…

愛さない者は愛されることはない

けどそれは

「自分とは違う…」

少なくとも自分は変わってしまった

それを感じてしまったのだ

「…」

「…自分には好きな人がいた」

そして、その人を…

「だから、自分は君とは違う」

そう、君は…映すとするなら今の自分ではなく過去の自分を映す鏡

「…そう」

彼女の驚いた顔を初めて見

自分は笑みを浮かべていたと思う

「君の分析は間違いだ♪…残念ながら君と自分は同じじゃない」

そんなオチ

そんな堕ち

「けど…」

そんな自分は見て彼女は薄ら笑う

「あなたが感じたそれは本当に【愛】だったのかしら♪」

「…」

それが本物であったかだって?

そんなもの…

「そんなこと誰にもわからないことだろう?」

自分はため息をつき皮肉を込める

ニィ♪と笑い彼女は立ちあがる

「♪」

「…」

屋上のフェンスへと向かう彼女

飛び上がりフェンスの上へと立ち上がる

「♪」

「…」

「ねぇ♪藪危くん♪」

「…」


    一緒に堕ちない♪


「どうせ、あなたもこの世界に未練なんてないでしょ♪」

「…未練…か」

あるだろうか?

あるかもしれないしないかもしれない…

そんなもんだろ?人生って?

「さぁな…」

「なら、一緒に死のう♪私はあなたと堕ちるなら大歓迎だよ♪」

「…そうやって、誘ったのか?自分のような人たちを」

同じだと思える人たちを…

「うん♪けど、みんな一緒に堕ちてくれるんだけど死んじゃった♪」

「…」

死を【呼ぶ】噂と言うよりは…

死を【誘う】噂だな

「けど、違った…」

「…」

「あなたは私の思うあなたとは違った…」

「…」

「私の出逢うどの人とも違った…なぜ?」

なぜ…て…

「それは自分が死を運ぶ【悪運運送車】だからさ」

他人を巻き込み人を死へと運ぶ

そして、死で終わらせるもの…

自分は多分知っている…目の前の彼女を救えないことを…

あの時のように…あの日のように…あの頃のように…

こちらへと彼女が手を伸ばす

あぁ…

もうすぐ、終わるのか?

この物語も…

全てを見出さないまま全てを隠したまま

また、皮肉じみた話のように…

終わらせるのか?

「この手を取って…」

「…」

「一緒に死のう♪」

「…」

「地は全てを受け入れてくれるはず♪」

…受け入れる

「わからないけど今日はきっと堕ちれる気がするんだぁ♪あなたとなら♪」

その笑みには

「…」

まっ白いキャンバスのように輝いていた

「…」

答えなど決まっている…

さきほどの話で決着はすでについている…

自分は

「さっき、君も言ってだろう?自分は君の逢った人達とは違う」

「…」

もしかしたら…もっと早く君と出会っていたらそんな未来があったのかもしれない

しかし

「自分は死ねない」

…今はもうない

「…何で?」

フ♪…今、自分は笑っているだろうか?

「自分が死んだらゆるさないってやつらがいるからだ…みんな…多分、少なくとも二人は自分の死はゆるさないだろう…」

だから…その時がくるまで

「自分は死ねない」

「…」

「今の自分には君は必要ない…」

残酷な一言…

それが自分の口から紡ぎだされる

「だからやめよう…もうこんなことは…飛ぼうが堕ちようが自分たちは変われない…」

「…」

…あまい

こんなんだから、いつも百禍や戦掛に怒られてしまうわけだ

だけど、自分は多分言わずには終われない…

これが、自分の弱さ…

そして、これが弱い自分を支える一つの大切な柱…

自分はこうすることで罪滅ぼしをしたつもりにでもなっているのだろうか?

…いや

自分は傷つきたくないだけだ

あの日のように

あの時のように…


「…ひどいな♪」

フェンスの上で自分に背を向け大きく両手を広げる

白きその肌の手が白鳥のように広がる…

しかし、それは羽根のある白鳥ではなく

羽根のなくした儚い白鳥に見えた

「…それがあなたの望みなら…これが私の全てなんだよ?」

「…それが全て?」

その背中を見つめながら自分は言う

「そう…これが全て…」

片足が…重力に逆らおうとするように少しづつ前へと出る

「この私の下にあるものが私の全てであり…私自身なの♪」

「…」

ため息が自然と出る

自分はどうやら、彼女を見誤ったようだ…

思った以上に彼女はその足を地の底に浸け過ぎたようだ

どうやら、自分には

「…なら、どうしようもないのかな?」

「…そう、あなたにはどうしようもできない♪」

彼女を止める術を持っていないらしい

「藪危くん…もう一度告白させてくれるかな♪」

「…嫌だ…これ以上、自分は君に汚染される筋合いはないね」

「…けど、言わせてね♪これは、私のわがまま♪そして、これが多分、最後になってくれるんだと思うから…」

「…」

…その言葉は呪い

古きから人々を苦しめ幸せにした美しい呪い

彼女の口が開く

声が透き通り聞こえる


     ~~~~~~~~~~~~~♪


紡がれる言葉にその時の自分は答えない


     ~~~~~~~~~~~~~~♪


「…」

そして、その思いを受け取り自分は言う

「…嫌だ」

「…」

「自分は君を…そんな目で見ることはできない…」

残酷に嘘をつくこともできる…

だが…それだけは

「自分は君に嘘をつけない…」

したくない

「…」

自分は笑う

彼女の顔も見えないがその背中は悲しんでいない

「「…」」

終わる…

長かった二人の物語が…

語るのも幻…話すが嘘のような物語が終わる

「じゃあ♪」

「あぁ…」

これで、


   「「さようなら」」


最後だ

「…」

自分は飛ぶ彼女の背中を追わない…

それは末菜ちゃんの時に学んだ過ちでもある


   僕に彼女は救えない


「…」

呪われたこの運命が

救おうとすることによって

さらにそれこと堕とされるのであろう…

はたして、この話の堕落者【だらくしゃ】とは誰だったのであろう?

自分はそれを知る術はわからない

数歩…彼女は堕ちるではなく飛んだ

美しい姫のように

羽根を羽ばたかせた白鳥のように

不釣合いなバスローブを舞わせながら

彼女は堕ちた…

自分は背を向け

屋上の階段の扉へと向かう

多分、これで終わり…

これで、この悲劇は終わった…


   本当に?


心のざわめきに気づかず扉を開く

そこには


   君はあまいじゃないのか?


立つはずのないバスローブの女性

驚きか悲しみか…どちらかはわからないが呼吸が止まる


   君が紡ぐのは死である前に


下を向いているため目は見えない

しかし、彼女の口は妖しく笑っていた


   悲劇だ


身を引くには遅すぎた

自分の体は彼女の両手に抱きかかえられ

重量力を無視するようにフェンスの上へと運ばれる

「~~~!?」

バカな!?

彼女のどこにそんな力があるって言うのだ?

彼女がこの町の住人だからか?

だから、異能を持っていても可笑しくはないとでも言うのか?

それにしては常軌を逸しすぎてはいないだろうか?

【裏舞台】の一族でもあるまいし

そんなことは不可能だ!

…もしかして、彼女が噂だからか?

その存在ゆえにこのような行動を起こせるとでも言うのだろうか?

だと、するなら

「…君は」

抱きつかれて顔は見えない

「…ごめんね…やっぱり私」

自分は物語の始まりから彼女のことを

「やっぱり、【一人】じゃ逝けないみたい♪」

「~~~~!」

見誤っていたらしい

本物の噂と

臆病者の悪運運送車が地へと身を投げ出す

数秒間はフライの時間

体は軽くなり心までも軽くなったように感じる

…そこからは、Deadへの短い終わりへと堕ちる時間

体は吸い込まれるように地面へと向かう

風の音は聞こえない…

それが、恐怖のあまりに出たものだったのか

ため息をついたために気付かなかったのかはよくわからない

ただ、一つわかるとするならば

「…死ぬ…のかな?」

いや…ムリだな…

この名の呪いはこのくらいのことで自分を殺してくれはしないだろう…

…ほら、何故か空を見上げると

「何で…」

いやしないはずのものが見えたりするのだから…




生きているのか?

私の疑問はいつもそこから始まっていたと思う

普通に流る日常

普通に繰り返される殺人

赤に染め上げられる町

並べられ…積み上げられる死体たち…

そんな町でも笑いは絶えず…噂は絶えない…

その恐怖に恐れ惹かれあうことをやめようとしない…

あぁ…この町は根っこの底まで狂ってしまっているのね…

異常を正常に染め上げたこの町…

正常を異常に染め上げてしまったこの町…

私はただ…外の世界にすがった…

そこに私の求める日常があるんじゃないかと思って

…そんなことが私の狂いの始まりだった

最初は可愛いものだった…

外の裏機密で手に入れた最新ゲームのマネで学校の裏庭にそれらしき魔方陣を描いてみたり

儀式をマネしてみたりした

…あっとう言う間だった

私はそれに縋る様に媚びる様に魅了され続けた

ふと、気づく頃には…

「…え?」

誰も私を見なくなっていた

「…何で?」

誰も私を感じなくなっていた

「…どうして?」

そして、私は

「…どうして」

こうして

「…【一緒に堕ちてくれないの?】」

死を運ぶ噂となった

そう…



     堕落者【ついらくしゃ】に



…手を伸ばす彼の手が見える

あぁ…

彼は空へと手を伸ばしている…

やはり、私ではダメなのか?

何かを手にしてしまってはならないのか?

私はただ…ほしかっただけだ…


   人並みの日常ってやつが


この血染めにあった町で

この腐りきった町で…

私はそれを手に入れたかっただけ…

愛しいものというのを感じたかっただけなのだ…

暖かなぬくもり…

ずっと離さずにずっとこのままでいたい…

しかし、彼は多分それを望んでいない

抱き続けてはならないのだ

なぜなら、彼は私とは違ってしまっていたのだから


   彼は【空】を見上げ

   私は【地】を見下ろしてしまっていたのだから…


私はこの手を離さなくてはならない…

寂しい…けど…


   そんな大切なあなたを悲しませたくはない




手が離されるのを感じる…

体が軽くなるのを感じる

何かを失ったのを感じるように

自分は意識を取り戻し

必死に体を回転させ

彼女と向き合うように体と視線を向ける

「「…」」

寂しそうに笑う彼女

嘘のようなあまい言葉ばかりを語りかける毒女

手を伸ばす

時間がない

地面が近づく

死が近づく!

…やはり、自分の人生は後悔ばかり

こうもあっさりと何かが奪われてしまう

避けられないのはわかってる…けど、やっぱり理解できないやはり自分は

「バカな…人…」

優しく口が動き言葉を発せずとも自分にその声を届かせる

間に合わない

自分は

「~~~~~~~~~~」

無意識に叫んでいた

僕の視界は真っ赤な空に包まれていた

……




「おはようございます♪藪危クン♪殺してほしいですか♪」

「…そうの言い方は二回分も出番をなくしたことへの自分への当てつけですか?詠見川さん」

「そんなことはないわね♪だって、私の大切なかわいいかわいい藪危クンですから♪」

「…」

ここはどこか?といまいちわからない

意識が戻ったばっかりなのでどうなっているのか状況判断が追いつかない

何々?

視界に広がるのは詠見川さんの天使のような微笑と美しい雲の少ない空

「…て!」

そう、自分は

「何やってるんですか!?」

膝枕されていた…詠見川さんに

「キャ♪その顔かわいい♪」

「からかわないでください!」

頭を起こそうとする自分をやわらかい手つきでおでこに添えた手が阻止する

普通じゃあ、考えられないほどの力だ

「…やっぱり、嫌な人だ…あなたは」

「私は一度も自分のことを良い人だなんて思ったことないわ♪」

…静かに過ぎる時間

きれいな雲ひとつなくなった空

そこに映る彼女の顔

「…」

「…ねぇ?藪危クン?」

「…何ですか?詠見川さん」

皮肉そうに笑い…悲しそうに笑い…涙を堪えるように声を少し…ほんの少し振るわせ言う


    あなたはいつになったら私の言葉に応えてくれるの?


…そうだな

あの時だったら…

あの日だったら…

まだ、間に合っていたかもしれない…

「…無駄ですよ」

自分は答える

彼女は…笑う…

「自分はまだ死ぬ気になれません…」

彼女は空を見る

自分も空を見る

地を見るのではなく空を見上げ

空にあこがれることもなく

ただ、理由もなく漠然と見る

「…」

天絡 之女は地を【観】つめ

自分らは空を【見】つめた…

それだけの違いが

自分たちを引き合わせた

「…くだらない」

自分は運命を信じない…それはいつだって、変わることのない事実

例え自分が【俺】であろうとも

例え自分が【自身】であろうとも

例え自分が【自分】であっても変わらない事実

息を吸い込み時間が終わるのを待つようにまぶたを閉じる

「…おやすみなさい…藪危クン」

静かな優しい囁きが僕の耳元を埋め尽くす

それはこの町では到底聞こえてくることないやさしい声の響き

自分はそれに耳を傾け

「…また、【悲劇】の時に逢いましょう?」

深い眠りへとつく

………

……

起きると夕方

時間はそれの時間が夢だったと言わんばかりに

彼女の姿を消した




「待ってくださいよ♪藪危先輩★」

…翌日の昼休みを廊下で歩いて過ごすことを決めた自分の顔の前に百禍の顔があった

「…」

「そうやって怒らないで下さいよ♪こんなこと日常茶飯事のことじゃないですか★」

「…相手が【噂】でなければな」

「何言ってるんですか♪藪危先輩なんて【疫病神】とも言われちゃってるじゃないですか★」

と歩き去ろうとする自分を後ろから抱きついて止める百禍

「…なぁ、今回ことはどうやって事の顛末をつけるつもりだ?」

「そうですね…ただ…」

振り向かずとも気づく…彼女の狂気に染まった笑み

「【噂】ごときが【悪運運送車】に盾を突いた…そんな顛末じゃないですか?」

「…そうか」

そんなもん…だよな

「それはそうと助けに来ないとはひどいな」

「何言ってるんですか♪藪危先輩♪日頃の曖昧な態度に対する復讐と思えばかわいいもんですよ★」

「…殺されるほど恨まれることはしてないはずだが?」

「いえ♪通常なら後ろから刺されてしまっても可笑しくないレベルです★」

「そんなにもか!?」

「はい★」

「…」

どうやら、これ以上ツッコむことはゆるされないらしい…

「それでは、終わりですね★」」

そう言い、颯爽と去ろうとする百禍

「…それだけを言いにここに来たのか?」

「えぇ…だって、わたしは…」


     この物語のヒロインですから★


「…」

「…そうか」

「はい♪そうなんです★」

そう言うと近くにあった廊下の窓から身を投げ出すように


     飛んだ


「…」

その日の空は晴れ

雲と青い空…そうの上で光る太陽が彼女の姿を輝かせていた…

自分はその姿に数秒見惚れ我に返り歩き出す

「…まぁ、こんな終わりも悪くないか」

そんなわけで、今宵の悲劇も終わりです



あっ!忘れていた…

そう言えば、あのあとの彼女の行方を教えていなかったよね

彼女はね



    ザクロの花咲く花壇の下で刺さるようにして地面に垂直に立っていたよ



「…」



    足を天に向けた形でね…



それでは、皆様大変長らくお待ちさせてしまいました

物語を終りをつとめさせていただきます♪

仮藪危です

どうでしたでしょうか?

今宵の悲劇 天落シャングリラ【墜落者 天絡 之女の悲劇】は

これまた、今宵も壮絶な劇を観賞できたことと思います

今回の主役は 墜落者 たる 天絡 之女!

その人柄についてはまぁ…語る必要性もないでしょう♪

噂によって生まれた噂!

噂によって生まされた噂!

ようはそんなものでしかないのですから…

さて、今回の物語は主に三人の狂人と一人の黒子によって展開されました

一人は言わずとも知れた 悪運運送車 闇昇 藪危

ヒロインを名乗る 負荷結晶体 無道 百禍

そして、今宵の悲劇の被害者 墜落者 天絡 之女

少しばかり触れられた伝説の一族の少女 詠見川 天百合

噂を聞きき

噂を広め

噂を知り

噂と対峙し

噂を絶った…

今宵はそんな奇天烈なお話です

さて、今宵もほどよく皆様方をオゾマシキこの世界を堪能していただけたことでしょう!

皆様の中に疑念が満ち溢れていることを望みたいと思います

それでは、今宵も及ばずながら終わりを務めさせていだたきました…仮藪危です…

さて、お約束ですので…


闇昇の血続く限り!血の悲劇は繰り返される!!


それでは、皆さんこれにて、この劇の閉幕とさせていただきます。

次のご来演を期待し!この町にあなたが訪れないことを願いとし閉幕とさせていただきます!さて、お次は何が待つやら…


…ごめん

冒頭からわけわからんこと抜かすな!


藪危の悲劇 後書き&キャラ設定コーナー!

作者:てな、訳で始まりましたこのコーナー…

仮藪危:…言うことあるだろう?

作者:…遅くなってすいませんでした

仮藪危:この話は確かゴールデンウィークに完成する予定だったよな?何か、海の日になるけどどうした?

作者:…そんな話もあったような

仮藪危:…

作者:すいませんでした!

仮藪危:まぁ…暖かい読者の暖かい心遣いにまかせるしかないな

作者:…イメージはまとまったけど中々進まなくて

仮藪危:…いや、言い訳を聞くコーナーじゃないからな?ここ

作者:…すいません

仮藪危:素直が一番だぜ!素直が!

作者:はい

仮藪危:それじゃあ、このコーナー進めるとするか

作者:そうさせていだたきたいと思います

仮藪危:で、もう一つの進めている連載のほうもストップしてるみたいだけど大丈夫なのか?

作者:それも話は決まってきたので少しづつ進めて書いていこうかと考えています

仮藪危:中々、間が開いちまったみたいだけど大丈夫か?

作者:…何とかやっていくつもりです

仮藪危:ふ~ん…そうか…

作者:ちなみに今回の悲劇のタイトルにもなっている【墜落者】のダブルミーミングですが

仮藪危:あぁ!【ついらくしゃ】と【だらくしゃ】だっけ?

作者:あれは、書いてる途中で考えました

仮藪危:…何か、面白みもない秘話だな

作者:どこにでもありがちな感じだよね

仮藪危:まぁ…実際の秘話を聞くとそんなもんになるのか

作者:まぁ…おもしろいような秘話を期待されても困るものですよ

仮藪危:まぁ、そんなこんなでいつものアレ行くか

作者:えっ!?もう行くの?

仮藪危:どっかの作者の謝罪で時間を取れたからな!

作者:…申し訳ない

仮藪危:さて、このコーナーでは仮召喚システムって可笑しなシステムが導入されている!

作者:同じようなことしている人がいたら困るようなハラハラなシステムだね?

仮藪危:うっさい!ザク!【ナイフ】

作者:ぐは!

仮藪危:そんなこんなで仮召喚システムってのは今話の主人公に登場してもらうシステムなわけだ!それじゃあ、行くぜ!



仮藪危:…

    …

    …えっと、何だ?

    何で、俺しかいないわけだ?

    このコーナーは仮召喚システムを導入しているんだったよな?

    えっ?何?【カンペが登場】

    噂しろって?

    彼女が登場するには噂する必要があるって…どんだけ回りくどいんだよ!

    どうして、そんなめんどくさいことしないといけないわけだ!?【カンペ】

    何?その方が行間潰せる?って腹黒いマネしてんじゃねぇよ!この野郎!

    …

    …

    えっと、やらないといけないわけか?

    …

    …

    あぁ~どっかに【飛ぶ変態】さんはいないかなぁ~【棒読み】

天絡 之女:…その呼び方はあまりにひどいと思います

仮藪危:出た!

天絡:人のことをおばけみたいに言わないで下さい!

仮藪危:変わらんだろ?

天絡:違います!

仮藪危:いやぁ~出ないなら出ないでこのコーナー終わらせて良かったのになぁ~と思ってたのに

天絡:ひどくないですか!?いきなり、この待遇!?

仮藪危:読者たちはゆるしてくれると思うぞ♪

天絡:ひどいです…私はそんな変態でもありませんし正常な乙女です!

仮藪危:全国の乙女たちに謝れ!

天絡:何でこのコーナーでも私はこんな扱われ方なのですか!?私は激しく抗議したいです!

仮藪危:…いや、普通だと思うが

天絡:そうですか?…今の時代ではBL好きの女子は個性の一つみたいなものですよ?

仮藪危:…BLがわからん

天絡:首吊魔くんと藪危くんの関係みたいなものです

仮藪危:一寸たりとも理解できなかったが、何かとんでもない発言しただろう?ザク!【ナイフ】

天絡:ひどい!予測だけで人の額をナイフで刺すなんて!

仮藪危:それぐらいがちょうどいい気がしてならないが?

天絡:う~…この町の人達はみんなドSです~…

仮藪危:お前が普通ならよかったんだ…普通なら…

天絡:…病人を見るような目で見ないで下さい

仮藪危:変わらないだろう?

天絡:違います!

仮藪危:我侭だな~

天絡:う~…本当にひどいです~…

仮藪危:まぁ、からかうのは大概にして

天絡:う~…やっぱり、からかってたんだ…

仮藪危:…今回は壮絶な死に様を晒してくれたね

天絡:はっ!殺意が感じられる!

仮藪危:どうすんだよ!ただでさえ、とんでもない場面を晒し続けているこの物語であの死に様はちと困るぞ

天絡:…今頃…って感じもしますが?

仮藪危:まぁ、同感しないこともないけど

天絡:それよりも少しは明るい話題しませんか!?

仮藪危:…例えば?

天絡:ほら、私が何故、【墜落者 ついらくしゃ】と呼ばれ【堕落者 だらくしゃ】とも呼ばれたのかとか!

仮藪危:それは読者のご想像におまかせしようじゃないか…

天絡:投げやりになってません!?

仮藪危:…特に今日はな

天絡:ほら!?前のあとがきなら終わらせまいとあの霧型とも対峙してたじゃないですか!

仮藪危:あぁ…あれ?…その場のノリってやつ?

天絡:どうにかして私に興味を持ってくださ~い!

仮藪危:…ベリーハードなこと期待してるな

天絡:何でハードから始まらないんですか!?

仮藪危:そりゃあ、常識的に

天絡:そんな常識捨ててください!時代はいつも上を行っているのです!

仮藪危:…やばい、俺さ純粋に将来が怖いよ

天絡:…確か、闇里死って下界【人が住む町】との関係遮断された町って設定でしたよね?

仮藪危:あぁ…だから、俺たちは未だに電話機能メインの携帯電話しか持っていないような町なんだ

天絡:それなら、私のキャラが受け入れられない訳ですね…

仮藪危:…受けいれられる時代が来るとは思えんが

天絡:あ!その言葉忘れないで下さいね!百年後くらいに絶対後悔させますから!

仮藪危:…いや、多分その頃には死んでるよ?…ほら、呪姓の一族は短命な人が多いし

天絡:むむ!…復讐できないのが残念で仕方がありません!

仮藪危:まぁ…物語も長すぎたからここらでシメだな…

天絡:う~…残念です…それでは、皆さんさようなら~♪

仮藪危:花壇に頭から突き刺さって死んだ之女ちゃんでした♪

天絡:う~!

【bad end and deth end?】

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