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HYDRA CHRYSALIS -SINGULARITY- (ヒドラ・クリサリス シンギュラリティ) ―進化は臨界点を越え、世界そのものが書き換わる―  作者: Nao9999


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第4話 対抗

第4話になります。


進化は一つではありません。


水が変わったように、

それに対抗する存在もまた、

動き始めています。

HYDRA CHRYSALIS -RE:GENESIS-

第4話 対抗


「……回収完了です」


低い声が響く。


暗い部屋。


モニターの光だけが揺れている。


そこには、先ほどの戦闘映像が映っていた。


榊の戦い。


水を操る姿。


「やはり発現しましたか」


男が呟く。


白衣ではない。


黒いスーツ。


無機質な目。


「例の“適応個体”です」


別の声。


「……水側が選んだ、ということか」


静かな沈黙。


「ですが、問題ありません」


スーツの男は言う。


「こちらも準備は整っています」


画面が切り替わる。


そこに映るのは――


“炎”。


だが普通の火ではない。


圧縮されている。


球体のように。


揺らぎながら、存在している。


「対抗個体」


その言葉が落ちる。


「水が進化するなら、人類も進化する」


「そのための計画です」


モニターの奥。


一人の男が立っていた。


静かに。


動かず。


「……起動しろ」


短く命令する。


次の瞬間。


炎が、わずかに脈打った。


―――


夜。


榊は一人、座っていた。


建物の屋上。


街を見下ろす。


「……めんどくせぇな」


ため息をつく。


手を見る。


水は、もうない。


だが、感覚は残っている。


「……まだいるな」


目を閉じる。


感じる。


どこか遠く。


海の方。


「……お前だろ」


小さく呟く。


返事はない。


だが確信している。


「見てんだろ」


静寂。


その時。


空気が変わった。


「……?」


違和感。


今までと違う。


重い。


熱い。


「……なんだこれ」


立ち上がる。


次の瞬間。


“来た”。


爆発音。


屋上の一角が吹き飛ぶ。


「ッ!!」


飛び退く。


そこにあったのは――


炎だった。


球体。


圧縮された熱。


空中に浮かんでいる。


「……は?」


水じゃない。


だが、同じだ。


“意思”がある。


「……冗談だろ」


その炎が、動く。


ゆっくりと。


だが確実に。


榊に向かって。


「チッ」


構える。


反射的に。


水を呼ぶ。


空気中の水分が集まる。


腕に。


「……来い」


水が形成される。


刃。


炎が、加速する。


ぶつかる。


水と炎が衝突する。


蒸気が爆発する。


視界が白くなる。


「ぐっ……!」


熱い。


今までとは違う。


水は効く。


だが完全じゃない。


「……厄介だな」


距離を取る。


炎は追う。


止まらない。


「誰だよ……これ」


その時。


屋上の入口から足音。


振り向く。


人影。


黒いスーツ。


「初めまして」


落ち着いた声。


「実験は成功ですね」


「……てめぇ」


榊は睨む。


「何者だ」


男は笑う。


「あなたと同じですよ」


一歩近づく。


「進化の側に立つ者です」


その言葉に、空気が変わる。


「……ふざけんな」


榊は構える。


水がさらに濃くなる。


「選ばれたのは、お前だけじゃない」


男が言う。


その背後で。


炎がさらに膨らむ。


「人類もまた、進化する」


「それが“対抗”です」


静寂。


その中で。


榊は理解する。


「……なるほどな」


小さく笑う。


「敵ってわけか」


男も笑う。


「ええ」


短く答える。


「ここからが本番です」


炎が動く。


水が応える。


二つの進化が、ぶつかる。


その瞬間。


遠くの海が、わずかに揺れた。


『観測、継続』


あの声。


すべてを見ている存在。


「……上等だ」


榊は踏み込む。


「やってやるよ」


戦いが、始まる。


本当の意味で。


―――続く

第4話を読んでいただきありがとうございます。


新たな存在、“対抗”が登場しました。


ここから物語は、水だけではない戦いへと進んでいきます。


次回もぜひ、よろしくお願いします。

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