哲学ショートショート*執着は恋より<食い気❤
ちょっと切なく、悲しい女心の物語です。
私は念じれば、その物体に感情を支配される。
その感覚に気付いたのは、小学生の時、好きだった男の子に告白できない、もどかしさを埋める為に、私は大事にしているぬいぐるみに、好きな子の名前をつけて。毎日そのぬいぐるみに告白して愛を受け取ってもらっていた。
私はそれでしか自分を慰められない自分が形成されてゆき、それから、私は自信というものを喪失してしまった。
そうして、念じれば私の感情は他者へ支配されることで受け身の感情へと変わった。
その逆ハックを支配からのアプローチ"心の揺れ"と名付けた。
そのアプローチは人、物、あらゆる物に存在した。
その"心の揺れは"いつしか私を苦しめてゆく。
自らを解離させる場所へと……。
私もいつしか多感な年頃になり、その頃には見るもの全てに自由に支配されるようになった。
"多感"により意識の過剰も相まって、私はその支配に疲れてくるようになってきたきた、
そして、私は私の方から物体を支配できるのか試したくなった。
疲れから来る異種的な思考がそうさせた。
感情に支配される時はこのようなイメージを私の中で作る。
先ずは、大きな思考の水面に釣り糸を垂らし、プカプカと水面に揺れる浮きだけを凝視する釣り人のごとく対象を見つめる。
いつ食いつかれるのか、
相手はどのタイプなのかじっくり待つ……
ツンツンつつく慎重タイプ?──
じっと待つタイプ?──
ガブッと食い付く肉食タイプ?──
私はこの瞬間が一番ゾクゾクするのだった。
あれ?
私は間違っているのかしら?
私が釣り人ということは、私が相手を待っている?
今まで支配されていると思っていたのだけど…
違うのか?
それならばと、私はずっと片思いしている先生にアプローチすることにしてみた。
その先生は数学の教科を担当していた。
たぶん世間から見たら、"くたびれる前のオジサン"という評価がピッタリな先生。
私はいわゆる"オジ"好きな嗜好を持ち合わせていた。
"前世"もモテない女だったのかと自覚するのは容易いくらいに、一般的な今どきな女の子とは違った感覚を持っていた。
ちょっと待って、私は今、自分で自分の疑問が明確に具現化した。
これは…
私の"性癖"からくる好みなのか、はたまた"モテない"自覚からくる特殊な嗜好(この相手ならフラれても傷つかない)なのか…確実に後者であった。
私はこの事実を今はっきりと自覚してしまった。
私が、支配されていると思い込んでいた感覚は、ただの現実逃避だったのだ…。
私はその外見のコンプレックスからくる圧倒的不利な状況に傷付かないためだけに自己の中に閉じ籠り、傷心する自分自身を守るための防御がそれだったのであった。
幼い頃からの記憶が一気にフラッシュバックして
夕日に照らされる歩道のオレンジ色の反射が私の頬を照らし涙がキラキラと輝きながら頬を伝った。
そして気付いたらここにいた……
《いつものファーストフードのお店の前に…》
私は揺れる巨体を軽やかに操り、いつもの指定席に鞄を置き確保してから、
注文しに行くのだった。そして、もう、その時の足取りは水面から舞う水鳥のように羽ばたいていた。
私は色気より食い気──今はそれでいい、
執着という鎧(恋愛)は脱ぎ捨てて自由で行こう。
立ち直りは誰よりも早いのが私の最大の魅力なだ。
ビックリハンバーガーセットとストロベリーシェイクと力強く注文した。
席に戻ると幼馴染みで、おな中だった佐々木翼がニコニコしながら私の席に座っていた。
私が入るのが見えたらしい──
おわり




