第4章 デートの仕方
夜が明け、僕はふかふかの砂・・・違う、布団で目が覚めた。
日が差し始め、朝を告げる。
アラメアはもう外に出たのだろうか。布団はもぬけの殻になっていた。
恐る恐る外に出る。
「こっちに網持ってきてくれー!」
「それはこっち!これはあっちだ!」
船の周りが活気づいている。僕は、そのまま船のほうに向かった。
「おはよう、ラウレア。よく眠れたかい?」
「おはよう、アラメア。お陰様で。ところで君は何をしているんだい?」
「何って、漁の準備さ。魚を取りに行くんだよ。」
「魚を?」
「上手くいけばカメだってとれるかもね。貴重な食料さ。」
「おう・・・のう・・・。」
言葉にならない声を上げる。昨日の晩、僕は魚を食べた。おいしかった。どんな海藻よりおいしかった。けど、同族食いはご遠慮願いたい。いや今は僕も人間だ。いやいやしかし・・・。
「はっはっは!カメはさすがにめったに引っかからないって!引っかかっても食べちゃいけないんだ。幸福の使いだからね。」
「幸福の使い?」
「そう、カメに会えたら幸せになれるって言い伝えがあるんだよ。本当に飢え死ぬかもってときは食べたらしいけどね。今は食べない。安心しなよ、ウミガメもどき。ふふふ。」
「笑わないでくれよ、僕は本気だったんだから。」
「さ、おしゃべりはその辺にして、朝飯の調達だ!うまくいったら午後はデートしよう。」
「それはいい。良いデートスポットを知ってるんだ。」
「期待しておこう。」
彼女と船に乗り込み、沖に向かって漕ぎ出す。初めての冒険だった。
漁を終え、朝食に昨日とは違う魚料理を食べ、砂浜に寝っ転がる。のどかで穏やかな時間が流れていた。横には彼女がいる。最高のひと時だった。
「さて、午後はデートと言ったね。ラウレア君、いい案があるとか。」
突然、かしこまったしゃべり方をする彼女に噴き出して、僕は答えた。
「はい、先生。午後は甲羅干しなんてどうでしょう?」
「ふざけてるのかな?」
「あ、お気に召さないようでしたら、海藻の食べ比べツアーなんてどうでしょう?美味しいところ知ってるんですよ。もしくはサンゴ礁の絶景巡り。綺麗なところありますよ。」
「大いにふざけてるんだな?よしその覚悟受け取った。」
「待って待って、ウミガメ界じゃ最高の案なんだ!」
「わかったよ、ウミガメもどき。・・・海藻は食べないから絶景にしようかな。」
「お任せあれ!」
呆れかえったように彼女は笑った。その手を取り、海の中に歩いていく。
トクントクン。
僕の心臓は少しずつ高鳴り始めた。