1/1
0話 悪夢
「隊長!!なぜですか!?なぜ私たちに力を向けるのですか!!」
そう彼女は言い放った。
「グゥゥ、俺は...オレは!!」
黒き外装に身を包み額から黒き角を生やした鬼は自らの力に溺れているかのように見えた。
「隊長..私は!私たちは!!あなたを必ず...!」
また、同じ夢だ。
「隊長、お目覚めでしたか」
ぼんやりと覚えている夢だが彼女の顔だけは明確に覚えていた。
「うん?あぁ」
夢の影響からかまともに彼女の顔を見ることが出来なかった。
『だって夢の中で彼女を俺は...』
そんな彼を見て何かを感じたのか彼女が口を開いた。
「隊長、また悪夢ですか?」
「あぁ、そうだ」
そう言い彼はベッドから降りた。
そこへ彼女が近づき言った。
「隊長、起床して直ぐに申し訳ありませんが今日は隊長議会です」
彼は面倒くさいと思いつつも用意を済ませ、部屋を出た。