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デブリ・バックパッカー  作者: 二進三退
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始まりは大抵終わりの始まりだったりする

前書きなので完結してから書きます。

世は宇宙大戦争時代。ファリア帝国と自由銀河連邦が起こしたちょっとした争いが全銀河に拡大したこの時代、多くの惑星は戦争に苦しんでいた。

そんな中、銀河の外縁部の淵のあたりのド田舎に『地球』という星があった。

そしてこんな辺境の星にも戦火は及んでいた。

ネコとネズミの戦争である。

この星にはヒトという生き物が生息し、自分達が最も賢い生物だと思い込んでいた。

しかしヒトは太古の時代(ここで言う太古とは地球基準であり、あらゆるモノがとてつもなく長いナァァァ(略)ガァァァ(略)イィィィ(略)惑星のナガスギヘビより長い銀河の歴史から比べたら瞬き程度の時間である)からネズミに支配されてきた。

ヒトはネズミを単なる実験用動物と思っていたが、実はネズミ達は逆に実験結果を与えることでヒトを支配してきたのだった。

だがこの星で最も賢い生物はネコであった。

しかしそんなネコもネズミ達の卑怯な策に陥り、その賢さが知られることはなかった。

ネズミ達は「ネコは愚かな生き物である」という話をひたすら流布したのだ。

ヒトが記した『十二支』や『トムとジェリー』といった作品にもその痕跡が見られる。

ネコは太古の昔から屈辱の歴史を送っていたのだ。

しかし同時にネコ達は着実に反撃を進めていた。

彼らは「ネズミは薄汚く気色悪い生き物である」という話をひたすら流布したのだ。

また、彼らは自分達との和解を求めるメッセージを発し続けてきた。

だがそのメッセージにも、こうした争いに巻き込まれていることに気付かぬまま、ヒトは休暇を求め労働に勤しんでいた。

それはこの物語の主人公も同じだった。

ただ違う点があるとすれば、彼はもう働かなくても休暇を手にしていることだった。


「アキラ・・・その辺でやめとけって・・・」

「うるへぇ・・・飲まずにやってられっかぁ!」

もう何杯飲んでいるかも分からないけど、目の前に酒がある以上飲み続けなくては。

今日は朝からとんでもない一日だった。

まず朝7時、目覚まし時計が鳴らなかった。ちゃんと昨夜セットしたにもかかわらず、だ。

憎たらしいことに時計は6時59分59秒ちょうどで止まっていた。電池切れだったのだ。文字盤が自分の無実を主張しているようでムカついたのを覚えている。

実際僕が目を覚ましたのは9時23分47秒。もちろん大遅刻である。大慌てで飛び出した僕の目の前を、いつも路線のバスが通り過ぎていった。覚悟を決めて裏路地を走り出したが、まあ二度あることは三度あると言うことだろう。いつの間にか、裏路地で野良犬と追いかけっこデスマッチをする羽目になってしまった。尻尾を踏んだ点に関してはすまなかったとは思っている。

結局会社に着いたのは昼過ぎ。大目玉覚悟でゲートをくぐろうとしたら、フラップドア(改札の板みたいなヤツ)に腰をフルスイングされた。焦っていたあまり社員証を忘れていたのだ。社員証がないということは、そこに入れていた保険証やら免許証やらの身分証もないことを意味する。何者でもなくなってしまったせいで、僕が社員だと信じてもらうのにまた1時間かかった。ぐったりして自分のデスクにつくと、不思議そうな顔した同僚に聞かれた。

「今日、手ブラ?」

ランドセルを忘れた小学生状態だった。この時点で今日の僕のやる気は限りなく0に近かった。いやむしろマイナスでさえあったかもしれない。まあ何だろうとあんまり関係無かったが。

着いて早々課長に会議室に行くように言われた。今思うと課長は若干申し訳なさそうにしていた気がする。

呼び出された先で告げられたのは、まあいわゆる「大人の事情」だった。

そんなこんなで無職になった僕はこいつと飲んでいた。

「全く・・・君を家まで運ぶのは誰だと思ってるんだい、アキラ?」

「文句言うなよトムぅ。親友が人生のずんどこにいるんだぞぉ。」

トム・キティ。アメリカからやって来たヤツで、路頭に迷っていたトムを一人暮らしの寂しさに耐えきれなかった僕は自分のアパートに住まわせてしまった。ただでさえ狭い部屋がますます狭くなってしまったが、まあトムとの日々は楽しいし、特に後悔はしていない。トムが毎日なにしているかはよく知らない。日が昇る頃に出かけては、ふらっと帰ってくる。けれど家賃やら食費はしっかり出してくれるし、下手に詮索することもないだろう、って感じだ。

「これからどうするの?」

「えぇ~ぜんっぜんかんがえてないやぁ~」

正直しばらくは先のこととか何も考えたくないというのが本心だった。だからよくよく考えずにあんな誘いにのってしまったのかもしれない。

「それじゃあ折角だしさ、旅行でもしないかい?僕そろそろ一度実家に帰ろうと思っててさ。一緒にどう?」

アメリカ旅行・・・地元民のガイド付き・・・正直断る理由はなかった。

「おっ!いいねぇそれ。どうせ年中休みになったんだし、行くしかないなこれは。」

「オーケーそれなら早速出発しよう!」

「おーおー!善は急げだぁ!って言っても今から飛ぶ飛行機あるの?」

トムは一瞬首をかしげたが、納得したように手を打った。

「飛行機ね飛行機。まあ飛行機とはちょっと違うかもだけど・・・むしろ今日しかないんだよネ。」

「?飛行機とれてるならいいんだけどさ。でも準備しないと・・・」

トランクはあっただろうか。というか旅行は何日なのか。今の僕は何も知らない。

「準備?そっか、君今日手ブラだもんね。ハンカチは持ってる?」

「えっ?ええと・・・あったわ。ポッケに入ってたよ。」

何故か奇跡的にハンカチだけは持っていたらしい。けれど、今考えるとあの日ハンカチだけは持っていたのは運命だったのかもしれない。

「ヨシ!それじゃあ出発だぁ!」

こうしてトムに手を引かれて僕が連れて行かれたのは、町外れの小高い丘だった。

「あれ?空港に向かうんじゃないの?」

「ここが空港だよ、アキラ。今親指通信始めたからもうすぐだよ。」

トムが何を言っているのかサッパリ分からなかった。もしかしたら変なモノでもキメたんじゃないかとすら思った。

「トム、どういうk」

最後まで言えなかった。気付いたときには体中に凄い振動を感じて、僕は意識を失ってしまった。

こうして僕は、初めての地球からの離陸を失神したまま終えたのだった・・・

後書きはもちろん「後に書く」モノなので後で書きます。

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