討伐
いきなり雨が降ってきて洗濯物が全滅。。。最悪です。。。
ちょうど運転席側に居た私は急いでドアを開けて入る。
『やっばい!マジだよこれ!』
焦ってしまい上手くKeyがささらない。
ゴブリンは自分のすぐ横でガンガンと棍棒でガラスを叩く。
ドンドンひび割れが酷くなっていく。
『ほ、包丁!』
こうなったら一度致命傷を負わせないとヤバそうだ。
一番大きくて鋭い包丁を持ちゴブリンのいるドアを思いっきり開ける。
【バン!】
ゴブリンはドアがどう開くのかわかっていなかったのかびっくりして転んでしまっていた。
震える手で包丁を思いっきり振り上げ全体重をのせてゴブリンに振り下ろす。
もし避けられても相手は棍棒。
私は刃物。
初めて戦う相手がゴブリンで良かった。。
これが刃物を持った大きなモンスターだったらきっと相手にもならなかっただろう。
刃物がゴブリンに突き刺さる。
手に緑色の液体が覇付着する。
ゴブリンに覆い被さる様にして刺したせいか自分の服にも液体が染みていくのがわかる。
ゴブリンは刺された位置がちょうど心臓だったのか何度か大きく痙攣して力尽きる。
この手で人ではないが明らかに人に近い生き物を殺してしまった。
しばらく呼吸が荒くなり頭が真っ白になる。
銃社会でもない、とくに犯罪が他の国に比べると少なく平和な日本に産まれ育った私にとっては、っというかこの二本国民にとっては私が今こうなっているのは普通だろう。
人を、食べるわけでもなくただ殺してしまった。
『あ、早く行かないと。』
しばらく放心してから正気に戻る。
それがどのくらいたったのかはわからない。
もし何かの能力があって仲間が死んだのがわかり襲いかかってくるかもしれない。
急いでここを去った方がいい。
ここはもう日本ではない。
車に乗り込み今度こそエンジンをかける。
運転はしたことないが、ゲームと親のやっている動作を見ているせいかなんとなくわかる。
“ゴブリンを討伐しました。”
『あー、お約束?』
“level1にあがりました。
ステータスを確認し、職業選択をしてください。”
『今は無理です。
車の運転中はよそ見できません。』
ゆっくりと車を走らせ始める。
『コワッ!!!!!
マジでコワッ!』
そう言いながらノロノロと動かし始めた。
『ま、曲がりまーす!』
ゆっくりと曲がる。
『ヤバッ!車が動いてるwww』
さっきまで沈んでいた心が一気に浮上www
初めての車の運転でぶっ飛んでしまうほど車の運転はすごく楽しいですwww
でも車はノロノロ運転過ぎて歩くのとそう変わらないwww
『あ、あそこになんかいる。ってか弓?』
先程のゴブリンに棍棒ではなく弓バージョンのモンスター。
また少しスピードを遅くさせる。
『あ、打ってきた、けど流石に割れないなぁ笑
車さんパネェっすwww』
ここはアクセル全開か?
この分だと車に引かれてくれるかな?
あれかな?
こっちにだいぶ近づいたらアクセル全開?の方が弾かれてくれるかな?
そうこう考えているうちにゴブリンが腰についていた短剣を片手に走って向かってくる。
自分の手で刺すわけでもないからなのか躊躇いもなくアクセルを強めに押す。
車は凄い音をたてて一気にゴブリンを弾く。
ゴブリンが小さいせいなのか上ではなく下に体がいってしまい車体がすごく揺れる。
アクセルを緩め今度はブレーキ。
後ろを確認するが死んでいるかわからないためバックでモンスターをまた弾く。
“ゴブリンを討伐しました。
levelが1あがりました。
ステータスの確認をしてください。”
『子供たちをのせたらします。』
バックにしてたのをドライブにして出発。
それにしてもここは住宅街なのに人が全然出てこない。
尚且つ、さっきまで悲鳴が聞こえてたのに何故か今は何も聞こえない。。。
とりあえず切ります。