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 視界に映る全ての戦闘機にロックオンし、ルナは無数の小型ミサイルを発射した。全弾が命中し次々と墜落していく中、次は素早く両腕を荷電粒子ライフルへと変形させ勢いよくビームを放出し、地上にある対空迎撃用の設備をひとつ残らず破壊していく。そうして爆発と黒煙の中に降り立つと、最終的に白兵戦を開始し、基地内の人間を襲っていった。

 基地が陥落するのには三十分もかからなかった。ぼろぼろに壊れた基地の跡と無数の人々の死体を見ながら彼女は司令部に通信を繋ぐ。

「……司令部、聞こえますか。こちらLUNA。任務完了ミッション・コンプリート。他の部隊の進捗はどうですか。必要であれば援護に駆け付けますが」

〈了解した。今の所どの部隊も滞り無く進んでいる。各隊の状況を把握してからこちらから連絡するのでしばらくそこで待機していてくれ〉

「了解」

 マッキンリーの報告を聞き、彼女は内心安堵した。作戦の進行具合いは良好。もうすぐ、戦争が終わる、終わろうとしている。間もなくして彼からの通信が入った。

〈LUNA、聞こえるか〉

「はい、聞こえています」

〈では援護に行ってもらいたい……どうした〉

 指示を出そうとした所でマッキンリーの口調が変わった。司令部の人間に話しかけている様だ。何かがあったのかとルナは少し訝しむ。

〈ルナ、急いでそこから離れろ!!〉

「!?」

 通信相手が急にナオトに変わった。一科学者の彼が命令を出してくるのは通常はあり得ない事だ。やはり内部で何かが起こったのか。

「どういう事ですか」

〈いいから早くそこを離れるんだ! じゃなきゃまずい! めちゃめちゃまずい!!!〉

「……!?」

 指示に従い彼女はすぐに飛び立った。何かが起こっているのは司令部ではない……まさか、ここで何かが起ころうとしているのか。

「一体ドウイウ事ダ? サッパリワカラナイゾ」

「うん……でも命令には従わなきゃ」

「アイツハ軍人ジャナイゾ。タダノ科学者ダ」

「それはそうだけど……」

〈ルナ! 来るぞ!! ……到達まで予測……ああごめん! 解析遅れた! もう来る! 3秒!〉

「!」

 この時初めてルナは超高速で近付いてくる熱源を感知した。

「オイオイオイオイ何ダヨ急ニ!」

 直後、彼女が先ほどまでいた基地の一切が眩い光に飲み込まれた。大気の温度が急上昇し震動が彼女にも伝わってくる。

「……っ!? な、何!?」


 それ(・・)は、極秘裏に地下の奥深くにて開発が進められていた、解世軍の最終兵器。戦艦の数倍はある超巨大なそれはいわば要塞。全てを()に帰す存在として、かつて均衡を崩しこの世界を作り上げた邪な神の名を付けられたそれは―――。

 巨大生体要塞、エフェス。

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