表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

新しい朝

 窓から差し込む陽光でルナは目を覚ました。借りていたベッドは板と石を組み合わせただけの簡素な物だった。おかげで体が痛い。もっとも戦場で負う傷と比べたら何て事はないが。ガルダは窓の縁から外の様子を眺めていた。

「ずっと見張っててくれたの?」

「マサカ。俺ダッテ眠クナル。念ノ為ニナ。位置情報ハ切ッテルンダ。ソウスグニハ見付カラナイトハ思ウケドナ」

「お、姉ちゃん起きた? ご飯あるぜ」

 ミードが気付いて声をかけてくる。彼女は起き上がってダイニングへと向かった。


 食後、一週間分の食料を買い出しに行くとの事でルナとガルダはミードと共に市場街へと繰り出した。町の人達の手伝いをしながらミード達はお金を稼ぎ生活をやりくりしているという事だった。日中はほとんどの子供達が働きに出ているのだ。

 ルナは歩きながら町の様子を観察していた。道は舗装されておらず、車も頻繁には走っていない。ミード達の住処もそうだったが、家は石造りで派手な外装はどれも全く無い。ここら一帯は質素な地域である事は間違い無かった。

「それにしてもローブが余っててよかったな。フードがあるだけでもかなり違うぜ」

「うん、そうだね。ありがとう」

 加えて気候は熱帯に属している。午前中であるにも関わらず日差しがきついのはそのせいだ。オーバーヒートしないかが心配だが、コロンシステムに頼るしかない。

「俺ヨリハマシダロウ……」

 ガルダはずっとフードの下の彼女の頭の上に乗っていた。

「ところで、姉ちゃんはしばらくはここにいるつもりなのか」

「んー……わからないな」

「事情は聞かないけどさ……おいら達も皆流れもんだし……おいら達の所に居座り続けるつもりなら働かなくっちゃ駄目だぜ。それが決まりなんだ。働く事は生きる事だ。生きていくためには働いて金を稼がないといけねえぜ」

「別に私は生きてはいないんだけど」

「何馬鹿な事言ってんだよ。姉ちゃん時々変な事言うよな」

「全クダ」

 ガルダが首肯した。

「どうしようガルダ……ここにいる?」

「オ前ガ決メロ。デモムヤミニ動キ回ッテモ発見サレル可能性ガ上ガルダケカモナ」

「それもそうかな」

「ズットトハ言ワナクテモ滞在スルノナラココノルールニ従ッタ方ガヨサソウダ。コレモ一種ノ指令(ミッション)ダ」

「ミッションか……まさか軍を抜けてもそんな物に縛られるなんてね」

「嫌ニナッタラマタ逃ゲ出セバイイ」

「そしてまた他の所で他のミッションに縛られる……」

「気ガ向イタラマタ戦場ニ行ケバイインジャナイノカ」

「ううん、それは……人殺しはもう嫌だよ。あ、また変な事言っちゃった」

「全クダ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ