表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/531

95回目 事が終わったあとの処理 5

 サナエに声をかけられたその日、トモルはカオリの所へと出向いた。

 情報を得る為である。

 彼女が仕事をさせてきた者達の。

 そして、誰が娘を喜んで差し出したのか。

 誰が泣く泣く娘を提供せねばならなくなったのか。



 それを直接本人に聞き出し、名簿にしてまとめさせていった。

 完成までには少しばかり日にちがかかったが、それを受け取ったトモルは早速行動に出ていった。



 喜んで娘を差し出した家は論外である。

 そういう所には帰省させるわけにはいかない。

 どこでどのように利用されるか分からないからだ。



 その逆に、娘を心ならずも手放さなくてはならなかった家もある。

 そういう所に、被害者を夏の間引き受けてもらえるよう打診していく。

 同じ境遇なだけに哀れみを抱く可能性があるからだ。

 それならばと、引き受けてくれれば助かる。



 また、その打診もトモルではなく、娘からさせていく。

 幾ら功労者でも、トモルからの頼みでは承諾しない可能性もある。

 だが、実の子である娘からなら、どうにかなるかもしれない。

 そこに賭けて手紙を出させていく。

「同じように売春をさせられそうになった友達がいる、家に戻すのも可哀相だ」と。

 同情を引くような内容であるが、それで上手くいけば、という思いもあった。



 幸いな事に、大半の家からは「ならば連れてきなさい」という返事が送られてきた。

 これで夏の間に女子が実家で悲惨な目にあう可能性は下がった。

 また、そんな家同士で繋がりを作る良い機会にもなった。

 藤園に対抗する勢力に成長するきっかけになるかもしれない。

 可能ならばそうなるようにしていきたいとトモルは考えていた。

 折角の機会であるのだから。



(それはそれとして)

 やるべき事が意外と山積みで泣けてくる。

 今はまだ良いが、そのうち自分一人ではどうにもならなくなるとも思った。

(組織を作らないと、本当にまずいな)

 いくら個人の能力が優れてるとはいえ、全てを一人でこなせるわけではない。



 今回のように、被害者を引き受けてくれる場所を探したりする場合、どうしても人が必要になる。

 被害者を引き受ける人、引き受ける人を捜す人、探した相手に要望を通せるような人。



(人脈……派閥っていうのかな)

 そういったものの必要性を感じた。

 面倒も多いが、利点も大きい。

 どうにかしてこれを作り上げたかった。

 今後の活動のためにも。



 その為にも恩を売っておければと思う。

 また、トモルと組む利益も。

 そして。

(他に行けない状況も作っておけば……)

 そんな事も考える。



 人間が恩義で動くなどとはとても思えない。

 そんなもんだけで何かしてくれるのは、余程の善人だ。

 さもなくば、それがその人にとって大した労力でも損失でもない場合だ。



 トモルが今回助けた者達がそうであるかどうかは分からない。

 娘が助かって喜ぶ者もいるだろうが、それについては「ありがとう」という言葉だけで終わらす可能性もあった。

 人間なんてそんなもんである。

 だからこそ、相手を縛り上げるだけの状況も作っておきたかった。



(そうすると、情報の拡散も必要かな)

 あらためて、被害者情報の提供も行なっていく事にする。

 加害者の名前をしっかりと公表しながら。

 それらによって誰が貶められたのかを示していく必要がある。

 でなければ、事を起こした者ではなく、情報を公開した者を非難する可能性が出てきてしまう。



 そうやって情報を広める事で、身の置き所を失う者も出てくるかもしれない。

 それがトモルの狙いだ。



 そうして行き場を失った者を拾っていけば、それなりの勢力になる可能性があった。

 他に行き場がないから、逃げる可能性も少ない。

 恩義や利害で縛れない連中でも、これで確保出来る可能性はあった。

(そうなると、かなり広範囲に情報をひろめないといけないか)

 噂の伝播だけではとうてい足りない。

 もっとよりはっきりとした、形に残る手段も欲しい。

 たとえば、宣伝用のチラシとか。



(活版印刷、作ってみるか)

 この世界にあるかどうかは分からないが、簡単な印刷機械を作ってみようかとは思った。

 版画のようなものでもいいから、手書きよりは簡単に大量に印刷できるものを。

 それでチラシを作って、あちこちにばらまくようにする。

 この世界ではそれなりに有効な宣伝手段になるかもしれなかった。

(チラシを撒く人間も必要になるけど)

 やはり、組織力は必要になる。



(夏休みの工作のつもりでやってみるかな……)

 つとめて暢気にそんな事を考えた。

 そのために必要な技術も考えていく。

 この場合は工作という技術で良いのだろうか……などと考えながら。

この話を書いてて感じたり思ったりした事

BOOTHにそんなものをまとめたものを置いている

https://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/485234953.html

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ