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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第3章

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94回目 事が終わったあとの処理 4

「でも、森園様からお話があったから、もう大丈夫だとは思うんだけどね」

 そういうサナエの表情は決して朗らかとは言えない。

 当面の問題は消えても、今後に再発する事を考えてるからだろう。

 家族が売春をやれと言ってるのだから、それもあり得る話である。



「でも、助けてもらったのも確かだから。

 お礼を言おうと思って」

 それで声をかけてきたのだろう。

「そっか、わざわざありがとう」

 一応そう声を返す。

 だが、突きつけられた新たな問題で、トモルの頭はいっぱいになっていた。



「でも、それだと家に戻るのもまずくないか?」

「ええっと……うん、それは大丈夫だよ」

 口ではそう言うが、表情はそれとは裏腹だった。

 決して好ましくない事態が起こるだろうと予想している顔である。

 確信はないが、今までの事から事態を楽観してはいない。

 それが分かるだけに、トモルはどうにか出来ないかと思った。



「まあ、学校にいる間は大丈夫だろうさ」

 少なくとも、ここにいる限り親であろうとどうにか出来るものではない。

 問題なのは家にいる間である。

(もうすぐ夏休みだしなあ……)

 そうなれば帰省する事もあるだろう。

 その時に何をどうされるやら、である。

 それが気になったので、ついでに尋ねる事にした。



「でも、夏休みとかはやっぱり家に帰るの?」

「そうなると思う。

 お父さんもお母さんも帰ってこいって言ってるし」

 どういうつもりでそう言ってるのかが気になるところである。



 特に裏が無いなら良いのだが。

 とてもそうは思えない。

 おそらく、実家に帰れば面倒な事になるだろう。



 むしろ、何も無いという事の方があり得ない。

 親がサナエにやらそうとしてた事を考えれば、良い結果など期待出来ない。

(どうしたもんかな)

 これはサナエだけの問題ではない。



 同じような境遇の他の者達にも言える事だ。

 これを解決しないと、今後も似たような事が発生するかもしれない。

(折角潰したのに)

 二度も三度も同じ事をするのは面倒である。

 どうにかして片付けておきたかった。



「だったらさ……」

 ふと、思いつきを口にしてみる。

「知り合いに声をかけて、夏の間遊びにいける所を探してみるよ。

 そっちに行ってみたらどうだ?」

「え?」

「まあ、見つかるかどうか分からないけど。

 同じ教室の奴とか、寄宿舎の連中に声をかけてみるよ。

 それで、もし良い所が見つかったらさ、そっちに行ってみない?」

「え、あ、うん。

 そう出来るなら嬉しいけど」

「じゃあ、声をかけてみるよ」

「うん、お願いします」

 そう言ってサナエは嬉しそうに頭を下げた。



(とは言うものの)

 サナエにああ言いはしたものの、上手くいくかどうかは分からなかった。

 何せ、これから引き受けてくれる者を探さねばならないのだ。

(同じ被害者の家なら、可能かもしれないけど)

 それもあまりあてには出来ない。



 同じ境遇という事で同情はしてくれるかもしれないが。

 よその子供をわざわざ預かるお人好しはそうはいないだろう。

 それでもトモルは、どうにかして被害者を出さないようにしたかった。

 とりあえず、この夏の間だけでも。

 その為に、預かってくれる所を探すつもりでいた。



(乗りかかった船だしな)

 始めた事なのだから、最後の最後まで面倒を見なくてはと思ったのだ。

 それに、これから先にも似たような事は起こるはずである。

 今回はその予行練習と思ってやってみる事にした。

 これくらいの後始末が出来ないなら、この先何をやっても失敗するようにも思えるから。



(やるしかないんだろうな)

 事を起こすのは難しいとあらためて感じた。

 後始末まで綺麗に片付けないといけないのだから。

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