88回目 ついに相手のボスのお出ましのようで(たぶん、序盤の) 3 <能力表記>
そして金曜日の放課後。
授業が終わって帰りの挨拶が終わり。
トモルは上級生の所へと向かっていった。
藤園カオリからの呼び出しに応える形で。
呼び出されたのだから、それに従って出向いてやってきた。
だが、これは明確に指示を無視した形ではあった。
トモルの受けた指示は、寄宿舎に戻っていろというもの。
迎えを出すので、それに従って来いと言われていた。
形式として、トモルを招待するという形をとってるからだ。
それをわざわざ守ってやるつもりなど、トモルにはさらさらなかった。
なので、授業が終わってすぐにカオリのいる教室まで出向いていった。
ささやかな意趣返しである。
唐突に出向いてきた上級生による、トモルの呼び出し。
それと同じで、トモルもいきなり押しかけてやる事にした。
目指すは上級生の教室。
カオリのいる場所だ。
「こんちわー」
貴族にあるまじき砕けた口調で目的の教室に入る。
居並ぶ者達はそれに驚いてトモルに目を向け────はしなかった。
即座に目の焦点が合わなくなり、その場に立ち尽くす。
何が起こったのかすぐには理解出来なかったからだ。
なにせ、下級生が勝手に教室に入ってくる。
通常ならありえない事だ。
しかも、適当な声をかけながら。
上級生への礼儀として間違っている。
それを見て、藤園カオリとその取り巻き達は驚いた。
自分達の意向を無視して勝手に教室までやってきたからだ。
呼び出した相手が。
「いったい……」
「え、何が……」
「どうなって……」
驚く彼女らにトモルは近づいていき、魔術を用いていく。
まずは新しく身につけた魔術感知を使う。
相手が魔術装置を身につけてないか確かめるために。
仮にも上位・高位の貴族である。
護身用になんらかの魔術装置を持ってる可能性があった。
藤園の家に連なる者ならば、一つや二つそういった物を持っててもおかしくはない。
事前に何を持ってるか調べてもいたのだが。
残念ながら周囲からの聞き取りでは何も分からなかった。
そもそも時間が全然足りない。
だから、行き当たりばったりでやるしかなかった。
下手すれば危険な状況に陥るかもしれない。
それでも他に方法はない。
(魔術は……使ってるか)
案の定というか、カオリは魔術機具を身につけていた。
指輪から魔力を感じる事が出来る。
どんな魔術が込められてるのかは分からない。
だが、おそらくは防護用のものであろうとは思った。
ただ、取り巻きはそういった物は身につけてない。
これは幸いだった。
(なら……)
手始めに精神介入魔術を使っていく。
効果時間は短めに、範囲はカオリとその取り巻き。
加えて、教室にいる者全部。
そして威力は可能な限り高く。
この条件で魔術を発動する。
洗脳をするためではない。
出来ればいいが、それが目的ではない。
カオリの持ってる魔術機具の性能を確かめるためだ。
魔術をぶつければ、何かしらの効果を発揮するかもしれない。
それが防御用ならばなおさら。
それらを確かめるためだ。
ついでに取り巻きを支配下におければ好都合である。
ありがたい事に、魔術機具はトモルの魔術を阻害はしなかった。
その為、魔術装置の性能は分からない。
だが、全員に精神介入をかける事が出来た。
カオリを含め、教室内の全員の意志を奪っていく。
そんな上級生達にトモルは指示を出す。
「まずは、俺が来た事を忘れるように」
それが最初の指示。
「それから、あんたが持ってる魔術装置。
それの機能を教えて」
「はい」
カオリは素直に喋っていく。
「うん、分かった。
じゃあ、その魔術装置の機能を停止して」
「はい」
魔術装置が機能を停止する。
「それじゃ、色々とお話をしていこうか」
「はい」
カオリは逆らうことなく素直に返事をした。
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柊 トモル
8歳 男
レベル15
体力: 750/1500
健康: 750/1500
敏捷: 750/1500
智慧: 750/1500
意志: 750/1500
共感: 750/1500
一般教養 レベル13 → 14
知識:地理 レベル8
知識:社会 レベル8 → 9
知識:運営 レベル1 → 2
知識:経営 レベル1
知識:指揮統率 レベル1 → 3
知識:貴族社会 レベル3 → 5
礼儀作法 レベル4 → 5
心理 レベル6 → 7
交渉 レベル5 → 7
発見/探知 レベル9
潜伏/隠密 レベル10 → 11
野外活動 レベル3
運動 レベ11
刀剣 レベル13
斧 レベル7
投擲 レベル2
格闘 レベル7
基本魔術 レベル17
治療魔術 レベル7
探知魔術 レベル12
念動魔術 レベル3
能力強化魔術 レベル9
能力弱体化魔術 レベル7
精神介入魔術 レベル10 → 11
魔術感知魔術 レベル0 → 3
知識:日本 レベル8
パソコン操作 レベル15
振り分け可能技能点数: 57 → 51点
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