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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第3章

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80回目 そうするつもりなら、こうしていくしかないでしょう 5

 女子寄宿舎の舎監達から、必要な情報を引き出しきる。

 さすがにこれ以上は何も隠してないというところまで。

 それでもトモルは、あらためて舎監達に精神介入魔術を使っていく。



 先ほどは全体に向けて使ったので、効果は実はさほどではない。

 それでも、通常の人間が抵抗出来るような生やさしい威力ではなかったが。

 今度はそれを、一人一人に集中してかけていく。

 そうする事で、先ほど以上の効力の強さで精神介入する事が出来る。

 効果時間も更に延ばす事が出来る。



(こいつら、まだ何か隠してるかもしれないし)

 そう思っての事だ。

 出来るだけ情報が欲しい。

 何せ、次に客が来る時までの時間がない。

 今ここでやれるだけやっておかないと、被害者が出てしまう。

 それでは遅い。



 それに徹底しておかねばならない事がある。

 トモルの存在の隠蔽だ。

 決して外部に漏れないように口止めする必要がある。

 それもあって、強く精神介入の魔術を使っていく。

 それによって、相手の頭や心が壊れてもかまわなかった。

 生かしておきたくもないクズなのだから。



「ついでだから、偽情報を流しておけ」

 トモルの事を隠すついでである。

 真相を隠すだけでなく、嘘を流す事で相手を攪乱させておく。

 完璧に出来るとは思わないが、可能な範囲で構わないからそうさせておく。

 少しでも相手が混乱すればそれでよい。



 分かりやすい大きな嘘を垂れ流す必要は無い。

 そんなのすぐに露見する。

 小さな、ちょっとした勘違いにおさまる範囲の事で充分だった。

 それならあやしまれる事もない。

 それに、積み重なれば大きな効果も出てくる。

 上手くいけば、多少の時間稼ぎにはなるだろう。

 そうなれば十分だった、今のところは。



 そうして精神を書き換えてから、治療魔術で舎監達の怪我を治していく。

 変な怪我でもしてたら、それだけで怪しまれる。

 痕跡は消しておかねばならない。

 何より、今は事が表に出るのはまずい。



 出来れば痛みにのたうち回ってもらいたいのだが。

 それは我慢せねばならなかった。



 それが終わってからトモルは寄宿舎の鍵を手に取る。

 まだこちらに用があるからだ。

 夜中に申し訳ないが、ここにいる女子に話がある。

 その為に部屋をまわらねばならなかった。

 鍵はその為に必要になる。



 それに、今後の出入りを簡単にするための合い鍵も作らねばならない。

 なので暫くは借りておく事にした。



 巡っていくのは聞き出した関係者の所。

 売春の指示を出す側の連中の部屋に行き、魔術を使って支配下に置いていく。

 修得した精神介入魔術の有効活用だ。

 情報を素直に喋らせ、今後は組織内をかく乱していくように命令をする。

 もちろんトモルの事は一切喋らせないように命令もする。



 ただ関係者は意外と多い。

 全部を回るだけで結構な時間がかかった。

 だが、手を抜くわけにもいかないので、限られた時間を有効活用していく。



「おい、起きろ」

 そんな関係者の一人をたたき起こす。

 乱暴だとはトモルも思ったが、そいつだけはかまわないと思った。

 なぜなら、そこで眠りこけてるのは、森園スミレなのだから。



 容赦なく叩き起こす。

 売春には関わってないようだが、これも元締めの取り巻きだと聞いている。

 放置するわけにはいかない。



 文字通りに叩き起こして、首を掴んで持ち上げる。

 今のトモルなら、子供一人を簡単に持ち上げられる。

 されてるスミレは苦しげに顔をしかめていく。

 それに構わずトモルは言葉を続ける。



「お前、確か藤園カオリの関係者だって言ってたよな」

「ぐ、うっ!」

「どうせ下っ端だろうけど、少しは働いてもらうぞ」

「げ、ぶっ……!」

「藤園と、どうせいるだろう取り巻き共。

 そいつらの情報をこっちに流せ。

 分かる範囲でいい。

 それと、出来るだけ情報を仕入れられるように、仲間も増やせ。

 こびへつらって懐に入れ。

 少しでも内部に食い込め。

 なんでもいい、どんな小さな事でもいいから調べてこっちに教えろ」

「ぐう…………」

 苦しげにうめくスミレは返事も出来ない。

 だが、魔術によって精神介入を受けてるので、言われた事はしっかりと頭に刻まれていく。



「あと、こっちの事については絶対に喋るな。

 適当に誤魔化しておけ。

 どうしても喋らなくちゃならなくなったら、別の誰かの名前を出せ。

 その場合は藤園の関係者を使え」

 基本的な事としてこれらを命令していく。



 トモルの事が伝わらないように、なおかつ相手に多少なりとも打撃が与えられるように。

 それらにスミレは否応なく従っていく。

 そうなってしまうだけの力がトモルの魔術にはあった。



「それと、俺を呼び出すような話が出てるようだな」

 その事も、他の者達から聞き出していた。

「徹底的に誤魔化せ。

 俺が見つけられないとか、出会う事が出来ないとか。

 呼び出そうにも見つからないからどうにも出来ないとな。

 絶対に俺を呼び出させるな」



 時間稼ぎである。

 いずれは対峙する事になるだろう。

 だが、そうなるまでにある程度体勢をととのえておきたい。

 出来ればカオリの方の足下を崩しておきたい。

 それまではどうにかして直接の接触は控えたかった。



 今の段階では、勝ち目がどうにも見えないのだ。

 単純に叩きのめすだけなら何の問題もないが。



(関わってる連中をあぶり出さないとなあ)

 まずはそれが先決である。

 相手は組織だ。

 一人二人を潰しただけでは終わらない。



 と、そこまで考えてふと思った。

(いや、直接聞き出せばいいのか?)

 会って直接魔術をかければ一気に片付く。

 その事を考えて、トモルは少々方針変更をする事にした。

(何も、遠慮する必要はないんだし)

 トモルの力をもってすれば、カオリの所に押し入る事など造作もない。



 ただ、それでも直接会うのは、もう少し時間を置いてからにしておく事にする。

 下準備を少しでも進めておいた方が、何かと有利になると考えてである。

 相手は国政に影響力をもつほどの一族である。

 何一つ油断は出来ない。

 少しでも有利な条件を作っていかねばならなかった。

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