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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第2章

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59回目 ハイエナのように後ろをついていけば良いわけではない 3

 夕暮れになる前に戻ってきたトモル達は、そのまま商人の所へと向かっていく。

 回収してきたモンスターの核を換金するためだ。



 トモルは、この日遭遇した最も強いモンスターのものを。

 他の者達はトモルが倒したそれ以外のモンスターのものを持っていく。



 当然ながら強いモンスターの核は価値が跳ね上がる。

 核一つ当たりの価値で言えば、トモルの持って帰ったものが一番大きい。

 一つだけで銅貨2000枚以上(日本円で2000円以上にあたる)の価値があった。

 それを全部で10個持ち帰っているので、合わせて銀貨2枚を超える収支になる。



 実際にはここから税金として3割がとられる。

 手元には銀貨一枚と銅貨4000枚が残るだけになる。

 それでも、生活で金が必要なわけではないトモルには充分だった。



 他の者達はそれよりは安い核ばかりとなるが、それでも充分な成果を得ている。

 合わせて銀貨100枚になる収益は、命がけの回収作業の報酬としては申し分ない。

 税金を差し引き、参加した20人で頭割りしても一人当たり銀貨3枚と銅貨5000枚は下らない。

 日本円で3万5000円くらいの価値になる。



 ここまで稼ぐには相当なレベルに到達しないと難しい。

 不利な条件を背負ってる追従者達からすれば破格の報酬である。

 だからこそ、無理してでもトモルについていく事にしているのだ。

 あとはこの稼ぎをもとに何をしていくかである。

 一晩で散財するか、少しでも蓄えて今後に向かっていくか。

 人生の明暗は、こういう所で分かれていく。



 幸いな事にこの集団には、多少は冒険者としてやってきた者達がいる。

 そいつらが周りの者達に先の事を考えておけと言っている。

 そうして無駄遣いを極力抑えつけている。



 言われる方の大半も、その言葉を素直に受け止めていく。

 彼らも今のような状況からの抜け出す事を考えてる。

 その為に何が必要なのかも考えている。

 だから、経験者の言葉にある程度受け止めている。



 とはいえ、まるっきり楽しみがないのも辛いもの。

 だから、ほどほどに豪勢はする事にしている。

 一週間に一度、一人銀貨一枚を出して宴会をする。

 それが彼等が自分達に課した制限である。



 稼ぎの全てを一晩で使い切る者もいる中では、かなり我慢してる方である。

 それだけに金の貯まりも早く、装備の更新も順調にいっている。

 粗製濫造の武器や防具ではなく、まともな職人に作らせた造りのしっかりした装備を買いそろえていっている。

 命をかける道具になるので、どうしてもここは妥協できなかった。



 それらを購入するために貯めた稼ぎを吐き出す事になるのだが、それは必要な投資である。

 死なずに、五体満足で生きて帰るために。



 トモルがいない時の活動に用いるためでもある。

 トモルとて毎日ダンジョンにやってくるわけではない。

 一ヶ月のうち、二週間ほどがダンジョンに潜れる限界である。

 それ以外は学校の授業などをおぼえるために使わねばならない。



 他にも最低限顔を出しておかねばならない用事もある。

 そうしてる間、冒険者達は遊んでるわけではない。

 休養は入れているが、トモルがいない時は自分達でダンジョンに入り込んでいる。

 経験値を稼ぐためだ。



 トモルについていってるだけでは、これは絶対に稼げない。

 だから、それはトモルがいない時に稼ぐ事にしていた。

 貯金を崩さないよう、少しでも稼ぐためでもある。



 こういった時に、金を貯めて購入した装備が役立っている。

 金をかけただけあって、質は良く、モンスターとの戦闘を楽に進める事が出来る。

 生死を賭けた戦闘において、こういった部分が生存を決める場面も出てくる。

 これを手に入れる事が出来なかった為に命を落とす者もいる。



 そうならずに済んでるだけでも、貯金を切り崩す価値があった。

 そして、生き残って経験値を獲得していけば、そのうちレベルアップ出来るかもしれない。

 死んでしまってはそれすらも出来ないのだ。



 トモルには関係のない事ではあるが。

 少なくとも今のところ、冒険者達がどうなろうとトモルには全く関係がない。

 彼が求めてるのはレベルの上昇であり、それ以外はどうでも良かった。

 ただ、勤勉に頑張ってる冒険者達にはそれなりの好感を抱いてもきている。



(出来るんなら、うちで抱えておきたいけど)

 実家の方で兵力として確保できればと思った。

 能力や才覚はさほどでもないかもしれない。

 しかし、真面目に頑張っている。

 それが出来るというのは、得難い才能だ。

 それを彼等は持っている。



 そういう者達は出来るだけ手元に確保しておきたかった。

 無能な怠け者、あるいは愚かな働き者よりはよっぽど良いのだから。

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