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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第2章

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56回目 ダンジョン前の町で出会った者達 3

「今日もいつも通りだ。

 出来るだけ奥まで入って、とにかくモンスターを倒す」

「はいよ」

「了解」

 参集してるいつもの面子はいつも通りに返事をしていく。

 全員、トモルの言う事に逆らったり反抗したりはしない。



 トモルがいなければ何にもならないのを熟知している。

 そのトモルがやるといったら、素直に従うしかない。

 どんなに無謀なものであっても。



 それでも冒険者達は特に不満があるわけではない。

 確かにトモルの行動はかなりの無茶だが、実入りも大きい。

 普通であれば決して手に入らないくらいの核を手にする事が出来る。

 それは、何らかの不利を背負ってる彼等には得難い成果になる。



 危険や問題はその為の代償として受け入れるしかない。

 危険が大きい分、成果も大きいのだから。

 その成果のあらわれは彼等の装備に出てきている。



 戦闘が出来る者達は武器や防具を新調してきている。

 そうでない者達は運搬の為の道具を買いそろえてきている。

 大八車も購入した。

 総合レベルの方は上がってないが、技術レベルも少しずつ上がってきている。

 それが彼等に従う事を納得させていた。



 トモルはそんな彼等の先頭に立って進んでいく。

 町の外にある、巨大な建物。

 蜂の巣や蟻塚を想像するような外見。

 これがダンジョン化したモンスターの巣である。



 その入り口には、揺らめく靄のようなものがかかっている。

 ダンジョンの入り口には、こうしたものが発生する。

 それがダンジョンと呼ばれる異空間の接点である。

 ここをくぐれば、モンスターの巣の中にあるはずのダンジョンに入る事になる。



 その入り口の前には、人工の門と兵士の詰め所が設置されている。

 中からモンスターが出てくる事を警戒しての備えだ。

 時折発生する、モンスターの大量発生。

 そうした際に、巣やダンジョンから飛び出してくるモンスターを、ここで防ぐ為に作られている。



 もっとも、それほど厳重に警備されてるのかというとそうでもない。

 冒険者が日常的に入ってるので、ある程度の間引きはされている。

 門も基本的に開きっぱなしであり、出入りは自由となっていた。

 トモル達も呼び止められたり、何らかの検査を受けたりもせずに素通りしていく。



 一応警備してる兵士もいるが、それらもあまり緊張感を持たずに定位置に立ってるだけだ。

 それでいいのかとは思うのだが、内部の制圧に出向くわけでもないならば、これで充分なのだろう。

 だからこそ、トモルにはありがたいのであるが。

(こうして出入りしても止められたりしないからなあ)

 警備も監視も緩いのは、トモルからすれば利点であった。

 そんな彼等の前を通ってダンジョンへと踏み込んでいく。



 揺らぐ靄の中に入っていったトモル達は、いつも通りの空間に出現した。

 草原と森林が並ぶ平原。

 それが拡がっている。

 モンスターの巣の中とは思えない風景だ。

 しかし、こういった事はダンジョンでは珍しくない。

 常識でははかりしれない何かが働いてるのがダンジョンなのだから。



 このダンジョンはこういう構成になっている。

 ただそれだけの事だ。

 ダンジョンを作ったモンスターがこういった空間を求めていたのだろう。

 詳細は分からないが、そんな事関係ない。

 モンスターを倒して核を手に入れる。

 その事に変わりはないのだ。

 平原の中へとトモル達は進んでいく。



 まず最初にやる事は、探知魔術。

 それで周辺のモンスター分布を調べる。

 入り口近くは他の冒険者によってモンスターが駆逐されてる事がほとんどだ。

 なので、入ってすぐの所でモンスターが出てくる事はまずありえない。



 それでも、念のための確認はする。

 万が一のために、そして一応状況を把握しておくために。

 実際、一度だけだが、入り口近くまでモンスターが接近していた事があった。

 嘘だろと思ってそちらに向かったら、結構な大群がいたので驚いた。

 そして、そいつらと戦っていたのであろう冒険者の亡骸も発見した。



 もしこれを見つける事が出来なかったら、その大群がダンジョンの外に出ていたかもしれない。

 事前に察知する事が出来たおかげで、起こり得た惨劇を回避する事が出来た。

 それもあってトモルは、ダンジョンに入ってすぐに一回は周辺を探知する事にしていた。



 幸いこの時は周辺に敵はいなかった。

 安心して先へと進む事が出来る。

 特に何も言う事無く先へと進むトモル。

 ついていく者達も何も言わずにその後ろを歩いていった。

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