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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第13章

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531/531

531回目 ニート生活に向けての最終行程 5

「また面倒な事になってるな」

 地上に降りてきたトモルは、ぼやきながら苦笑した。

 向かいに立つ子孫も、

「面目ない」

と言いながら苦笑する。



「どうにかしようとしたんですけど」

「ああ、分かってるよ。

 お前は頑張った、よくやったよ」

 そう言って子孫をねぎらい、いたわる。

 実際、子孫は良くやっていた。



 地上は相変わらず騒乱が起こってる。

 といっても、かつてのように戦争によるものではない。

 そういったものと様相が変わった問題が発生している。



 戦争自体はかなり減っている。

 いい加減、侵攻と侵略を繰り返してるのは無駄。

 争って破壊を繰り返し、衰退に陥る。

 それでは無意味で無駄だと悟り始めてきていた。

 そのせいか、国家間の戦争はなかなか発生しなくなっていた。

 諜報戦や情報戦も含めてだ。



 だが、そうなればなったで、別の問題が頭をもたげる。

 対外的な戦争が無いなら、国内における治安問題が発生する。

 なまじ、外に敵を作れないだけに、国内統一が出来ない。



 人間は悪者を作って、それを敵にして一つにまとまる。

 悪者にされた者が、実際に悪人であるかどうかは関係ない。

 この悪い者を他国にする事で、とりあえず国をまとめる。

 そうして国をまとめてきたのが人類だ。



 だが、この方法が使えない。

 悪者にすれば、いずれ攻撃しなければならなくなる。

「なんで悪辣な連中を野放しにしてるのか」と国内から突き上げがくる。

 そうなると、嫌でも戦争に乗り出さねばならなくなる。



 そうなっては、また戦乱と破壊と衰退に突入する。

 それを避けるために、他国を悪者にする事を控えるようになった。

 すると、国を一つにまとめる手段がなくなる。



 全員がそうだというわけではない。

 別に悪者など作らなくても、隣人と仲良くやっていこうという者はいる。 

 だが、世の中には騒動が大好きな人間がいる。

 人をいたぶり、傷つけるのが好きな者達がいる。



 そういう者達は、常に退屈してるという。

 人との交わり、交友で喜びを見いだせない。

 しかし、孤独を楽しむ事も出来ない。

 だから騒動を起こして退屈を紛らわそうとする。

 そういう人間もいるという。



 そういった者達は、落ち着いて安穏と生活する事が出来ないのだろう。

 だから無意味な騒動を起こす。

 そうやって退屈を紛らわす。

 迷惑な話である。



 そんな者達が各国で暴れ回り、治安を乱している。

 戦争もしてないのに、国内が乱れて停滞していく。



 その余波がヒライワツミ王国、ひいてはトモルの自治州にも及んでくる。

 大きな戦争にはならない。

 軍勢が押し寄せる事もない。

 だが、犯罪組織が暗躍しようとする。



 国境を越えて内部に浸透し、自分たちの拠点を作ろうとする。

 国家とは違う面倒さがあった。

 もっとも、ヒライワツミ王国はともかく、トモルの自治州に入る事は出来ないが。

 そういった者が侵入できないように、対策は施してある。



 ただ、度重なると面倒になる。

 ヒライワツミ王国内に犯罪組織が乱立するのも鬱陶しい。

 今更必要がないが、盾が盾としての役目を果たせないのは問題だ。

 トモルとしても少しばかりは愛着がある。

 トモルの子孫達もそれは同じだ。



「やるしかないか」

 トモルは決断していく。

「仕方ない。

 外に出よう。

 面倒を起こす連中を残さず潰そう」

「はい!」

 今や神としてあがめる対象になってるトモル。

 そのトモルの、先祖の声に子孫は応じる。



 程なくトモルの自治州から様々な者達が各地に散らばっていく。

 犯罪組織を潰し、問題を起こしてる連中をたどって根絶やしにするために。

 場所を探知し、心のうちを見透かし、あらゆる事を見破りながら。

 そうして各地の犯罪組織を。

 そうした問題を起こす者達を処分していく。

 二度と同じ事が起こらないように。



 その指示と、必要な措置を伝えて、トモルは霊界に帰還する。

「これで落ち着けばいいけど」

 そう思いながら。



 神様とあがめられ。

 信仰の対象になって。

 そうなっても悩みはつきない。

 それでもニート生活が崩れる事は無い。

 霊界に帰れば、また平穏な日々に戻れる。



「ただいま」

 その一言で、全てが終わる。

「おかえりなさい」

 迎えてくれる者達の存在を感じながら。

 久方ぶりに地上に出て。

 問題を片付けて帰ってきたトモルは、再び戻っていく。

「やっぱり、ニート生活は最高だよ」

 何もない、何もしないという自堕落な安息の日々を。

 いつも一緒にいる女房達と共に。

これにて終了

最後に、ここまでの評価を、この下の★であらわしてもらえるとありがたい



それか、実装された「いいね」を押してもらえれば



あとがきとかは、この話を書いてて感じたり思ったりした事

BOOTHにそんなものをまとめたものを置いている

https://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/485234953.html

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これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


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