525回目 誰もやってくれないから、自分でニート生活を作ってるのだ 8
終わりそうで終わらない作業が続く。
社会の発展ももう十分。
働かなくても生きていける状態にはなってる。
仕事をする必要はない。
なのに、なぜかパソコンに向かって理論を書き続けていく。
なんでこんな事してるのかトモルにも分からない。
だが、どうしても止められなかった。
(どうなってんのかな、この世界ってのは)
そんな疑問がトモルの頭を働かせ続ける。
魔術が存在するこの世界。
前世とは何かが異なっている。
そうでありながら、共通する部分も見受けられる。
それは、研究を進め、様々な方面からあらゆる事を解析して分かってきた。
魔術は確かに特殊だが、それ以外はほぼ同等。
物理法則などが異なるという事は無い。
魔術もそうした世界のあり方を利用してるだけである。
魔力というものを燃料にして。
結局、この世界の仕組みの中で動いてる。
この部分については、科学と同じだ。
科学も様々な仕組みの上で成り立ってる。
化学反応や物理法則など。
様々な物質の成り立ち。
これらを利用して大きな力を得ている。
様々な物質の性質を利用している。
この部分は魔術も同じだ。
使うのが魔力というだけで。
となれば、科学と魔術の差というのはそう大きなものではない。
研究を続けるうちにこの事に気付いていった。
そこからはひたすら疑問の答えを求め続けた。
この世はいったいどうなってるのか。
どのように成り立ってるのかを。
それは、自分について知る為でもあった。
なんでこの世界に生まれてきたのか。
転生してきたのか。
しかも、地球とは違う異世界に。
転生についてもだ。
どうして転生したのか。
そもそも、これは普通に起こる事なのか。
死んだら誰もが転生するのか。
するとして、なぜ生まれてきた時に記憶を失うのか。
これらも解明したくなっていった。
だからひたすらに頭を使い続けた。
時に科学と魔術の両方の実験を行いながら。




