519回目 誰もやってくれないから、自分でニート生活を作ってるのだ 2
他国が停滞と衰退と戦乱に陥ってる時。
ヒライワツミ王国は着々と発展を遂げていった。
国全体に教育が行き渡り、研究者も増えた。
これにより、科学の発展は進んでいった。
また、国内に若干ながらもモンスターの巣も残っていた。
イツキヤマ地方に集中するこれらが、人材育成に用いられている。
トモル領ほどではないが、これが大きな進歩に繋がっていた。
もう攻め込んでくる他国もないので、落ち着いて国内の充実をはかれる。
念のために国境には軍勢を配備している。
だが、そちらの備えにそれほど手間をかけないで済む。
軍備も徐々に落ち着かせ、その分、国内整備に力を注いでいく。
トモルはそんな事を気にする事もない。
外がどうなろうとどうでも良い。
手に入れた『長寿』によってもたらされる時間。
それを使って自分の領地の拡大発展に余念が無い。
人材育成用のモンスターの巣はある程度残し。
それ以外の地域は開拓・開発していく。
とはいっても、自然環境保護のために、ある程度手つかずの所は残しておく。
生態系などを破壊してしまったら、元も子もない。
そういった事を気にしながら領地を増やしていく。
モンスター領域はまだ広大で、手つかずの所が残ってる。
この先増えていく人口を吸収する余地はいくらでもある。
領地が成長していく間に、トモルも研究を進めていく。
科学はもう軌道に乗ってるからそちらから手を引き。
あまり進んでなかった魔術に手をつける。
こちらの方も、次第に様々な事が分かっていった。
「しかし…………」
研究に手をつけながら思う。
ニート生活がしたいのに、相変わらずニートっぽくない
「なんで仕事してんだろ……?」
悩みはつきない。




