502回目 ダンジョン潰しからはじまる動乱
トモルによるダンジョン破壊。
それは各地で争乱を発生させた。
暴れる元冒険者が食い扶持を求めて周囲を襲う。
襲われた者達も、食い扶持を求めて奪い合いを始める。
各国でそんな事が当たり前のように行われる。
そうして飢えた者達があちこちで行動を起こす。
それを見て国も動かざるをえなくなる。
最低限の食い扶持を提供し、騒動をおさえようとする。
だが、提供するべき食料がそもそもない。
無いならどこからか手に入れねばならない。
では、どこから?
どうやって?
そうなった時、各国は動き出した。
自分のところにはない。
だったら、他から取ってくるしかない。
そんな単純な理由で侵攻侵略が始まっていく。
また、この裏で各国同士での会談も行われていた。
世相の不安を隠すための戦争ではある。
しかし、こんな事で国を巻き込むほどの大戦争にしたくはない。
そこで各国首脳は裏で一つの締結を為した。
今回の戦争において、暴れ回ってる冒険者を使う。
一般人よりレベルの高い彼らを用いる。
報酬をエサにして。
そして冒険者を主に戦わせ、一番の問題を消滅させていく。
その潰し合いの場所として戦場を作る。
ついでに、養いきれない人数を消滅させる事にもしていく。
今までは冒険者としてモンスターの巣に突入させれば良かった。
それで無駄に多い冷や飯食いの部屋住みが調整されていた。
だが、この手段はもう使えない。
戦争でもして調整しなければならなくなっていった。
何にしても酷い話である。
だが、背に腹は代えられない。
戦争で全てを失うわけにはいかない。
問題を起こす者達を放置も出来ない。
ならば、名誉を与えて戦場で処分する。
彼らは英雄だったということにして祭り上げる。
そうして人口を適度に調整する必要があった。
基本となる食料の安定供給がままならないのだ。
どうしたって、養いきれない人間の処分は必要になる。
こうして計画的に行われる戦争がはじまっていく。
大陸にある各国は、自国を保つために、国民を処分していく。
矛盾するような話が、そうでもしなければ国を存続させられない。
残酷な人口調整がこうして行われていく。




